南極遠征、ロブマチャドインタビューほか、TSJJ15.1号の読みどころ

5月30日に発売された「ザ・サーファーズ・ジャーナル」日本版15.1号の読みどころを同誌のコントリビューティング・エディターも務める李リョウが紹介。


ほとばしる火花(ペドロ・ゴメス写真集)

コンテストサーフィンの世界では、もはやブラジル勢がニューオーダー。イタロ・フェレイラの域にはまだ誰も到達してないと言ったら過言かな。エアーのルール改正もそんな事情があった?なんて思ってしまうのは誰?。スポーツでもアートでもラテン系の人たちは、その本能からくるパッションによってとんでもない飛躍を遂げてしまう。そこにブラジルという国のハングリー精神が加われば向上心は最高潮に達する。現在日本を拠点に活躍する写真家、ペドロ・ゴメスもそのパッションに突き動かされて独自の道を進んでいる。彼にとっては言葉や異文化という壁は取るに足らないものに見える。直球勝負の彼の作品は「パワフルで美しい波」をキャプチャーすることが、サーフフォトで最も重要なファクターであることを改めて痛感させる。前号で特集されたジェフ・ディバインも認めるペドロの実力、これから近い将来、彼はさらに大きな飛躍を遂げる予感に満ち溢れている。

from TSJJ15-1

冬のライオン(ウェイン・リッチの人生)

映画のストーリーのような話。ラストアメリカンヒーロー伝説がここにあった。この記事を読んだら「あなた」は最低三回は「マジかよ」って呟くはず。ちなみにウエイン・リッチのサーフボードは、蒲田のザサーフで取り扱っていたと思う。というのもその店のライダーから借りてリッチのボードに実は乗ったことがある。パドルしただけで「Wow」と感じたあのフィーリングが脳裏に今も焼き付いている。やっぱりこの人、名シェイパーだったんだな。カリフォルニアのサーフカルチャーが好きな人にもお薦めしたい。シェイパーたちの横のつながりと、その友情にも心が揺さぶられる物語です。人生には勝者も敗者も無く、ただ生き様があるだけ。

from TSJJ15-1

ネプチューンベローズ(南極遠征)

南極でサーフィン。という身震いするような話。五年も費やして計画したというけど、一歩間違えば氷河に氷漬けだったかもしれない。これから南極にサーフトリップを予定している方には参考になるか?そんな人はいないか。いずれにせよ、この計画は時期を間違えた?。アンラッキーだったか?。いえいえ、南極なら普通の天候なんでしょう。とにかくサーフィンはできて良かったね。最終日に良い波に当たったみたいだけど、その写真はどこ?

from TSJJ15-1

サウスアイランドを行く(ジョンジョン・フローレンス)

寡黙でつねにすべてを俯瞰で見つめているような落ち着き、ジョンジョンはそう感じる人ですね。面倒臭いことに興味を持ってそれをスマートにやり遂げる。それってカッコいいライフスタイルにつながると思う。ライカのフィルムカメラを手に入れ、自宅に暗室までこしらえて現像もプリントも自分で行う。

カタマランヨットを購入して操縦を覚えたら、ハワイからフィージーまで遠洋航海に出かけてタバルアでサーフィン。マジカッコいいですよね。そんな彼がニュージーランドにサーフトリップ、ホテルには泊まらずキャンプ!謎のスラブでサーフして氷河をトレッキングとやはりここでもジョンジョン流で旅を楽しんでます。文章は彼の手記ですね。

from TSJJ15-1

写真の世界のど真ん中(ロー・エスリッジ)

商業的な成功と、アーティストとしての作品制作はなかなか結びつかないけど、もし両立に挑戦したければ「写真」はその手段の一つですね。方法としては大学で美術を学び、有名フォトグラファーのアシスタントとして修行する。そしてニューヨークへ行き幸運の女神が微笑めばどうなるか?という記事かもしれない。彼の写真は虚を衝くような作品というかなんというか…「これ見たことがある」と連想する作品は没なんだと語ってます。とにかくアーティストにサーフィンが好きな人は多いね。感性を引きつける磁力みたいなサムシングがあるのかな?本誌だってスポーツ誌って感じじゃないもんね。サーフィンって不思議だ。

from TSJJ15-1

インタビュー:ロブ・マチャド

この人のサーフィンは、認める人と認めない人にはっきり分かれますね。自然体で生きている風だけど、「ビジネス的にちゃっかり良いポジションにいる」なんて陰口を叩く声もあるようです。それを意図しているのか否かわからないけど、サーフィンのトレンドをしっかりゲットしている人ではあります。ケリーがファイアーワイアーに引き抜いたんだよね。CIじゃあシェイプできなかったけど、今はその夢が叶って人気モデルを次々に登場させてます。それに乗ってサーフして、ネットで公開すれば、これ以上の宣伝効果は無いよね。やはり良いポジションにいますねえ…波でも人生でも…。現在はエポキシを乗らなきゃあいけないっていう制約はあるけど、やはりエポキシのメリットとデメリット、というか浮力の違いをインタビューで指摘しているよね。体積が同じだから浮力は同じという説もあるけど、フォームの空気の含有量が違うから吃水が変わるんだね。だから、小波では有利になるけど波が大きくなると手に負えなくなるというのは筆者の自説です。

from TSJJ15-1

(李リョウ)


THE SURFER’S JOURNAL(ザ・サーファーズ・ジャーナル)日本版15.1号

●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛され、書店では買うことができないライフスタイル・マガジン。

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