全7戦で争われる2025年のCSの折り返し地点、CS第4戦『EDP Ericeira Pro』が現地時間10月5日に終了。
僅か2ヒートしか行われなかった前日と一転して新しいウネリが入ったポルトガルのエリセイラは風の影響が入りながらもポテンシャルがあるライトの波が多く、QFからファイナルまで一気に進行した。
今後は短いインターバルでブラジル戦。年明けにパイプラインで初のCSイベントが行われ、最終戦は3月のオーストラリアとなる。

トップに躍り出たカウリ・ヴァースト

メンズサイドはカウリ・ヴァースト(FRA)とジョージ・ピッター(AUS)がファイナリストに選ばれた。
風の影響とロータイド付近で波の見極めが難しいコンディション。
バックサイドのカウリは序盤にパワフルな2ターンで7.83を出して主導権を握っていた。
リズムに乗れなかったジョージが5ポイント止まりの中、カウリは6.23のバックアップスコアを重ねてトータル14.06で圧勝。
開幕戦の2位を上回るCS初優勝でランキングを一気に11も上げてトップに躍り出た。
「優勝は本当に嬉しい。CSで勝つことを夢見てきたんだ。素晴らしいチームと仲間に囲まれて最高の気分だよ。今回の戦いはまさに戦争という感じで、最後まで争った。最初のヒートから調子は良かった。4戦中2度のファイナル進出に、とても満足している。ティアと一緒に優勝できたのも夢のようさ。フランスチームで優勝するという目標のために一緒にトレーニングしてきたんだ。全てをサポートしてくれたコーチのジョアン・ドゥルーに感謝するよ!」






返り咲きに近づいたジョージ・ピッター

22歳のジョージ・ピッター(AUS)にとってCTルーキーとして華やかな舞台からのスタートになった2025年だったが、ツアーの洗礼を受けてしまい、ミッドシーズンカットでCS落ちに…。
CSからの再チャレンジは南アフリカ、ポルトガルで2位と良い結果を重ね、ランキング3位と返り咲きも現実的になってきた。
「悔しい気持ちもあるけど、同時に嬉しい。バリートで2位だったことがモチベーションになって、今回は絶対に勝ちたかった。カウリは本当に素晴らしいサーファー。こうしてステージに立てていることが何より幸せさ。ポルトガルは最高の場所で、この1週間は仲間たちと最高の時間を過ごせたよ」



14歳のティヤ・ゼブラウスキがCS初優勝

昨年のポルトガル戦でCSデビューを果たし、ファイナル進出の2位となった14歳のティヤ・ゼブラウスキ。
今年は開幕戦から3位、5位、2位と上位入賞を続け、カレントリーダーの座を手に入れて再びこの地に戻ってきた。
変化に富んだイベント期間中の波に柔軟に対応してハイスコアを重ね、インディア・ロビンソン(AUS)とのファイナルでもヒートのハイスコアとなる7.33を出して圧倒。
遂にCS初優勝を成し遂げ、ランキングトップの座も固めている。





「本当に嬉しい! ポルトガルで優勝できて最高の気分よ。去年は2位だったので、今年勝ったのは特別な意味がある。家族がここに来てくれたこと、そして支えてくれているスポンサーのみなさんに感謝している。この勝利を叔母に捧げたい。愛してるし、とても会いたいわ」
カウリもティヤもフランス国籍で出場しているが、タヒチ出身のサーファー。
もちろん、チョープーでのバレルも得意としており、クオリファイが確実になった来年のCTはゴールデンルーキーとして注目を浴びるだろう。
CSではフランス人女性として初、史上最年少の優勝となった。
インディア・ロビンソンが巻き返す

ファイナルはティヤに対して先行していたインディアだったが、最後は逆転で2位に…。
しかし、彼女にとって今回の2位は大きな結果であり、開幕から3戦連続での早期敗退を埋め、一気に19もランキングを上げて9位に浮上している。
「この大会は間違いなくお気に入りの一つ。今回は楽しむことを第一にしたの。同時にこれまで勝てていなかった結果も残したかった。2位という結果は少し悔しいけれど、今の自分にとっては大きな一歩よ」


2023年のオーストラリアでのCSで優勝して2024年にCT入り返り咲きを果たした彼女だが、再びミッドシーズンカットでCS落ちとなっていた。
まだ24歳と若いだけに今後の活躍が期待される。
なお、今季2度目の5位になった都筑有夢路はランキング10位とイベント前に比べて4つ上げている。
クオリファイラインは7位以内。
次のブラジルも同じような波が予想されるため、更にランキングを上げる可能性は十分にある。
CS第5戦『Banco do Brasil Saquarema Pro』は10月11日〜19日にブラジルのサクアレマで開催される。

『EDP Ericeira Pro』結果
1位 カウリ・ヴァースト(FRA)
2位 ジョージ・ピッター(AUS)
3位 ルッカ・メシナス(PER)、イーライ・ハンネマン(HAW)
5位 ルーカス・ヴィセンテ(BRA)、ルーク・トンプソン(RSA)、アドゥル・アマトリアイン(EUK)、モーガン・シビリック(AUS)
ウィメンズ
1位 ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)
2位 インディア・ロビンソン(AUS)
3位 アナト・レリオル(ISR)、ヨランダ・ホプキンス(POR)
5位 キラ・ピンカートン(USA)、都筑有夢路(JPN)、アリッサ・スペンサー(USA)、サノア・デンプフル=オーリン(CAN)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/


EDP Ericeira Pro Women’s Final Results:
1- Tya Zebrowski (FRA) 13.53
2- India Robinson (AUS) 11.93
EDP Ericeira Pro Men’s Final Results:
1- Kauli Vaast (FRA) 14.06
2- George Pittar (AUS) 11.64
EDP Ericeira Pro Women’s Semifinal Results:
HEAT 1: Tya Zebrowski (FRA) 10.33 DEF. Anat Lelior (ISR) 6.77
HEAT 2: India Robinson (AUS) 12.83 DEF. Yolanda Hopkins (POR) 11.93
EDP Ericeira Pro Men’s Semifinal Results:
HEAT 1: George Pittar (AUS) 15.84 DEF. Lucca Mesinas (PER) 9.50
HEAT 2: Kauli Vaast (FRA) 12.67 DEF. Eli Hanneman (HAW) 10.83
EDP Ericeira Pro Women’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Tya Zebrowski (FRA) 12.83 DEF. Kirra Pinkerton (USA) 10.00
HEAT 2: Anat Lelior (ISR) 11.00 DEF. Amuro Tsuzuki (JPN) 9.83
HEAT 3: Yolanda Hopkins (POR) 13.83 DEF. Alyssa Spencer (USA) 9.50
HEAT 4: India Robinson (AUS) 12.13 DEF. Sanoa Dempfle-Olin (CAN) 4.60
EDP Ericeira Pro Men’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: George Pittar (AUS) 13.50 DEF. Lucas Vicente (BRA) 8.57
HEAT 2: Lucca Mesinas (PER) 13.16 DEF. Luke Thompson (RSA) 9.90
HEAT 3: Kauli Vaast (FRA) 13.50 DEF. Adur Amatriain (EUK) 10.00
HEAT 4: Eli Hanneman (HAW) 12.13 DEF. Morgan Cibilic (AUS) 8.26
(黒本人志)