F+(エフプラス)
今週(2025年8月28日、29日)は「第6回NAMINORI甲子園」という志田で行われる高校生以下の大会にかかりっきりで、ファイナルファイブどころではない(笑)。遠くのファイナルファイブより、目の前の日本の子供たち……なんだろうか??
近年の世界的なシーンの若年化を考えると、まぁ、このNAMINORI甲子園の出場者たちの年齢で世界レベルを戦っているわけで、そう思うとう~ん、となってしまうけど、私は14歳でCSのトップにいるより、14歳で普通に学校行って友達がいて、部活頑張ってます、のほうがずっと正常で正しいと思うし、サーフィンを遊びの一環としてとらえてのびのびやってるほうがいいかなぁ、と思う。

遊びでサーフィンしてたって、高校卒業してから目覚めて、正しいものを見て、正しいやり方を見つけて、懸命に努力すれば、世界で戦える。何も小学生から世界を目指さなくたっていいと思うので、親御さん、少なくとも高校卒業までは学校優先でお願いしますよ。
なんか一宮界隈のモンスターペアレンツの中には学校行事よりサーフィンって人もいるらしく、まことしやかにものすごく過激なうわさ話が耳に入ってきたりする。子供が可哀そうだ。
はっきり言っておきますけど、小学生からガシガシ仕込んだところで、どうにもならないことは証明済みなんですよ。それでどうにかなるんだったら、今ごろは若手が大原洋人を越えて、次世代がその洋人を越えた選手を脅かす、というシーンになってるはずなんです。
なぜそうならないか? 小学生からガシガシ仕込んで、中学生ごろにはそれなりに出来上がっちゃうからですよ。高校生になればそこらのポイントでは若手筆頭のキング的存在。ろくに学校にも行かないお山の大将の出来上がりなわけで、そうなると周囲もチヤホヤするし、本人は聞く耳を持たずになる。今勝てるところでやって勝ってるだけなのにね。
これは日本の一般サーファー全体のレベルの低さが大きな問題なんだけど、私が世界を見るようになって驚いたことのひとつに、海外の普通のポイントにいる普通のサーファーのレベルの高さがある。そこらのおっさんが日本のプロよりずっとうまかったりして、とても驚いた。だからそう簡単にはお山の大将にはなれないようになっている。よってトップレベルに近づいてもまだまだ努力、ということになり、もっとレベルを上げていくという環境だ。
しかし高校生ぐらいで出来上がっちゃった日本のお山の大将は、聞く耳も見る目も持たないままなので、その後QSやCSで海外に出ていって負けても“自分のサーフィンが敗因”というマインドには持っていかない。波選びとか、ヒート運びとか、ポジショニングとか、メンタルの弱さに持っていく。現実にはその分析はまるで違う。今日本人選手が勝てないのは明確で“サーフィンが足りてない”から。そこに原因を定めて、自分のサーフィンを徹底的に分析、改良、進化させようとしている選手っているんだろうか? 少なくともはたから見ている限りではいないように思う。う~ん、やってるな、見るたびに変わってる、うまくなってるなって感じる選手は皆無だ。みんな昨年モデルと同じようなサーフィンを続けているように見える。
もし本人的には「やっている」というなら、それはやり方が違ってるか、見ている場所が間違っているんだと思う。

例えばオーストラリアなら、そうやって止まっていればあっという間に後ろから抜かされる。どれだけうまくなってもサーフスポットにはまだまだ上がいて、お手本がそこら中に転がっている。日本の問題はこのお手本が近くにいない、ということがひとつ、そして一番問題なのは、たとえお手本があっても本人が変わろうとしていないというか、変わることを必要としていないということだと思う。そして周囲もトップサーファーになってしまった本人には何も言えない、ということか。頼むから言ってやってくれ。
周囲が何も言ってくれないなら、自分で発見するしかない。勝っている選手のサーフィンと自分のサーフィンで、なにがどう違うか、まずはそこを正確に分析し、見極めて、近づけることがスタートだ。わからなければそれがわかる人に聞くことだ。
今あなたが勝てない原因は、シンプルにサーフィンが足りないからだよ。今のサーフィンを変えなければ、ずっと勝てないんだよ。
まぁねぇ、当たり所が良くてたまたま勝っちゃったりすれば、それは悲劇というしかないこともあるわけだけど。