シーズンでは残り2戦あるが、2025年では最後となるCSイベント、第5戦『Banco do Brasil Saquarema Pro』がブラジル・サクアレマのプライア・デ・イタウナで1週間に渡って開催され、現地時間11月18日に終了した。
ファイナルデーは公式2-3ftレンジのスモールに加え、クリーンだった前日と一転したオンショアで難しいコンディション。
ウィメンズはヨーロピアン同士のファイナルとなり、メンズは自国ブラジリアンが制した。
ヨランダ・ホプキンスがCS初優勝

ウィメンズサイドはポルトガルのヨランダ・ホプキンス、スペインの自治州、バスクのアネット・ゴンサレス・エチャバリがファイナルを戦い、ヨランダが4.00とアネットのプライオリティミスで乗った波で5.83を重ねて主導権を握る。
後半には7.33とヒートのハイエストを出し、トータル13.16。
その後に5.33、4.87とミドルスコアを出して追い上げてきたアネットをかわしてCS初優勝を決めた。


「ここ数年、ブラジル戦は本当に特別な存在なの。数日前にCT出場を決めて、同じ舞台で優勝できるなんて信じられないわ。落ち着いて臨むよう心がけた。とても難しい波で、アネットに勝つにはしっかりターンを決める必要があると思った。彼女は大会を通して本当に素晴らしいサーフィンをしていたわ。今日は潮の引きで少しコンディションが変わり、得意なバックサイドのボウルを見つけられた。そこで何本か良いターンができて、とにかく最高の気分。素晴らしい旅になったわ」
14歳のティヤ・ゼブラウスキ(FRA)と共にすでにCT入りを確定させているヨランダはランキングでもトップに立った。
ニックネームは「ヨーヨー」
数少ないヨーロピアンとして2026年はCTを賑わせてくれるだろう。
クオリファイ圏内に入った18歳のアネット

姉のハニレとのSFに勝って初のCSファイナル進出を決めていたアネット。
今回の結果で15もランキングを上げてクオリファイ圏内の6位に浮上している。
「ファイナルに進めて本当に嬉しい。ヨランダとのファイナルは凄く良かった。ヨーロッパ勢同士の対決を誇りに思う。私たちはヨーロッパのQSから這い上がってきて、自分たちのサーフィンを見せることができた。それが何より嬉しいわ」
サミュエル・プーポが2度目の優勝

メンズサイドはブラジルのサミュエル・プーポとマウイ島のイーライ・ハンネマンがファイナリスト。
2023年、サミュエルが優勝したシーズンのSFのリマッチでもあった。
CT返り咲きを目指す選手同士のヒートは序盤にサミュエルが5.00、5.17とミドルスコアを重ねてリード。
難しいコンディションで後半まで2ポイント止まりだったイーライ。ハワイでは幸せを運ぶ生き物としてホヌと呼ばれるウミガメが現れ、ようやくポテンシャルがある波を掴み、ターンで繋いでフィニッシュでエアーリバースをトライするが、ワイプアウトの4.00とスコアは伸びず。
残り20秒。残りニード6.17でプライオリティはイーライ。チェックターンから大きな2ターンをメイクするが、その後が続かず、5.50。
残念ながら逆転には届かず、サミュエルが2023年に続き、2度目のブラジル戦優勝となった。


「応援してくれたみんなに感謝しているよ。まさかまたここで勝てるなんて信じられない。本当に特別なイベントなんだ。ハイスコアは出せなかったけど、ヒートごとに勝ち上がることだけを意識していた。ファイナルも同じで、毎ヒートで“神様がそばにいてくれる”って信じてサーフしていたのが良かったんだ。一度勝った場所に戻ると良い思い出が蘇るけど、“もう一度勝てるだろうか?”と思ってしまう。でもこうして再び勝てるなんて、夢のようさ」
サミュエルは今回の優勝で11つランキングを上げて一気に2位まで浮上。
2026年は再び兄のミゲルと共にCTを回ることになりそうだ。
イーライがCSトップに浮上

PHOTO: © WSL/Ana Catarina
ポルトガル戦に続き、2戦連続でファイナルデーに残ったイーライはCSランキングでサミュエルを抑えてトップに浮上した。
次のイベントがパイプラインということを考えるとCT返り咲きは確実と言える。
「この場所が大好きだよ。波も、文化も、人々もみんな大好き。今は感謝の気持ちで胸が一杯なんだ。旅の間ずっと調子が良くて、“この2戦のどちらかで勝つ”と自分に言い聞かせてきた。前回は3位で、今回はファイナルに進出。今朝はすべてを委ねて、“神様、あなたの御心のままに”と祈った。だから結果がどうであっても、本当に満たされた気持ちさ」

遂にクオリファイが見えてきた波乗りジャパン

今シーズン、チーム一丸となってクオリファイを目指している「波乗りジャパン」は3戦連続で良い結果を残している。
ブラジルでは池田美来と西慶司郎がQF進出の5位。
池田美来は22位、西慶司郎は21位までランキングを上げている。
また、今季2回5位となり、今回9位になった都筑有夢路はクオリファイ圏内の一つ下となる8位まで浮上。
メンズでは大原洋人の16位が日本人トップで、残り2戦に挑む。
今シーズンのCSは年を跨ぎ、2026年1月28日〜2月8日に第6戦『Lexus Pipe Challenger』がオアフ島・ノースショアのパイプラインで開催される。
CS初のパイプラインイベントは大きな動きがありそうだ。

『Banco do Brasil Saquarema Pro』結果
1位 サミュエル・プーポ(BRA)
2位 イーライ・ハンネマン(HAW)
3位 ジョーダン・ローラー(AUS)、オスカー・ベリー(AUS)
5位 カウアン・コスタ(BRA)、デイヴィッド・シルヴァ(BRA)、ウィンター・ヴィンセント(AUS)、西慶司郎(JPN)
ウィメンズ
1位 ヨランダ・ホプキンス(POR)
2位 アネット・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)
3位 ハニレ・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
5位 ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)、池田美来(JPN)、アレナ・ロドリゲス(PER)、エリー・ハリソン(AUS)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/


Banco do Brasil Saquarema Pro Presented by Corona Cero Women’s Final Results:
1- Yolanda Hopkins (POR) 13.16
2- Annette Gonzalez Etxabarri (EUK) 10.20
Banco do Brasil Saquarema Pro Presented by Corona Cero Men’s Final Results:
1- Samuel Pupo (BRA) 10.17
2- Eli Hanneman (HAW) 9.50
Banco do Brasil Saquarema Pro Presented by Corona Cero Men’s Semifinal Results:
HEAT 1: Samuel Pupo (BRA) 11.16 DEF Jordan Lawler (AUS) 10.00
HEAT 2: Eli Hanneman (HAW) 12.00 DEF. Oscar Berry (AUS) 10.37
(黒本人志)