(キャリア2度目のCS5位となった西慶司郎) PHOTO: © WSL/Ana Catarina

西慶司郎が5位!CS第5戦『Banco do Brasil Saquarema Pro』6日目

現地時間10月17日、サクアレマのプライア・デ・イタウナで開催中のCS第5戦『Banco do Brasil Saquarema Pro』は2日連続で小刻みでヒートが進行。

メンズQF、ウィメンズSFが進行した後、メンズSFは行われず、ファイナルデーは再び持ち越された。

西慶司郎がキャリア2度目のCS5位

PHOTO: © WSL/Thiago Diz

前日に池田美来がQF敗退の5位となり、波乗りジャパンの最後の砦になった西慶司郎はQFの最終ヒートでイーライ・ハンネマンと対戦。

マウイ島出身の22歳、イーライは2024年のCTルーキーイヤーにミッドシーズンカットとなり、返り咲きを目指している。
ポルトガル戦で3位となり、現在CSランキング7位とクオリファイ圏内の強豪選手。

PHOTO: © WSL/Ana Catarina
PHOTO: © WSL/Ana Catarina

このヒートは開始直後にパワフルなスナップの連続からノートリムでフィニッシュを決めて8.17を出したイーライが先行。
西慶司郎はすぐに6.83を返すが、イーライは軽いターンからスタイリッシュなブロウテール・エアーリバースをメイクして5.50をスコア。トータル13.67で主導権を握る。

ニード6.85のシチュエーションで西慶司郎は次々とメイクしていくが、スコアは伸びず。後半にインサイドまで繋いだライディングも6.10とニードスコアには届かず、イーライの勝利となった。

(イーライ・ハンネマン)
PHOTO: © WSL/Thiago Di
PHOTO: © WSL/Ana Catarina

西慶司郎を倒したイーライは、「序盤で良いスタートを切れたので、凄く嬉しかった。でも、その後少し波が止まってしまってしまい、正直ちょっとナーバスになった。相手は本当に素晴らしいサーファーなので、ヒートでは何が起こるか分からないし、いつ相手に良い波が来るかも分からない。 最終的には自分の方に良い波が来てくれて、その波で自分のベストサーフィンができて、スコアを出すことができた。SFに進めて感謝しているよ」とコメント。

ヒート開始直後に出したベストスコアの8.17については、「自分の出番の前に他のヒートを見ていた時、みんな上手くサーフィンしていたけど、特に派手な動きはあまりなかった。だから、自分も無理してエアーを狙ったり、クレイジーなことをやる必要はないなと思ったんだ。今日は波を取ること自体が勝負みたいなコンディションで、凄く波数が少なかったしね。だから、とにかく良い波をつかんで、しっかりしたサーフィンをすればハイスコアが出るだろうと考えていた。実際、8ポイント台になるとは思っていなくて、「まあまあのスコアかな」くらいに思っていた。海の中では、目の前の波に集中していてスコアのことなんて考えていないしね。だから、8ポイントと聞いた時は凄く嬉しかったよ」と話していた。

全てがクロスゲームだった6日目

PHOTO: © WSL/Ana Catarina

QFの4ヒートで最もスコアが高かったのは、西慶司郎とイーライのカード。
全てのヒートがミドルスコア勝負のクロスゲームとなり、手に汗を握る展開だった。

オープニングヒートのサミュエル・プーポとカウアン・コスタのブラジリアン対決は、後半まで共にトータルでも1桁。
大きなポテンシャルがない波でも逆転可能なシチュエーションで、カウアンがリード。サミュエルがニード3.50でプライオリティを持っていた。
残り時間5分、サミュエルは数少ないライトの波にテイクオフするが、すぐにシャットダウン。プライオリティがカウアンに移ってしまう。
しかし、再びライトの波にテイクオフしたサミュエルはスナップにカットバックまで繋げ、4.10をスコア。逆転に成功して最後までトップを守り切った。

PHOTO: © WSL/Thiago Diz

「とても難しいヒートだった。ヒートが始まる前のコンディションは楽しかったんだ。セットも沢山入っていて、イーライが何本か素晴らしいライディングをしているのも見たよ。コンテスト前は波数が多かったけど、ヒートが始まると波数が少なくなっていた。波を待ちすぎて、いくつか悪い判断もしてしまった。3.50が必要な場面で、プライオリティなしで4ポイントを出せた。本当にナーバスなヒートだったね。このヒートはポイント的にとても重要だった。カウアンはコンテストで目立っていたので、強敵だなと思っていた。誰よりも速く動き、エアも決めてくるので、見ていてかなり手強かったよ。でも、セットで6ポイント、最後に4ポイントを取れたことは本当に良かった。見た目は派手なヒートではなかったけれど、とにかく通過できてホッとしているよ」

兄のミゲルと共にツアーを回っているサミュエルだが、今シーズンはミッドシーズンカットでCS落ち。
返り咲きを目指す彼を家族全員でサポートしており、ヒート勝利後は喜びを分かち合っていた。

「自分にとって家族は本当に全てなんだ。頼りにしている母、父、彼女、兄弟。いつも自分の側にいてくれる。チーム全員やコーチのフィジオ。この大会は私たちにとって凄く特別で、毎年みんなで大きなチームを組んで臨む伝統のようなものなんだ。ここに来るために、誰よりもお金をかけていると思う(笑)。チーム全員が集まって、自分がリラックスして最高の状態でいられるようにしてくれるお陰で毎回上手くいってるし、今回もそうだよ。セミファイナルに進めて本当に嬉しい。ここからも頑張りたい」

今イベントは2023年に優勝経験があるサミュエル。
ライブランキング7位まで浮上して次のSFはジョーダン・ローラー(AUS)と対戦する。

その他、西慶司郎を倒したイーライは、オスカー・ベリー(AUS)とのカードになる。

(ベスト4入りを決めたオスカー・ベリー) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ウィメンズはファイナリストが決定

(アネット・ゴンサレス・エチャバリ)
PHOTO: © WSL/Ana Catarina

前日にベスト8が決定していたウィメンズはSFの2ヒートのみ進行。

QFで池田美来を倒したハニレ・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)は妹のアネットと対戦。

バスク出身の若い姉妹のカードは互いに6ポイントを出し、バックアップ勝負。
アネットがもう一つの6ポイントを出してトータル13.00で姉を上回り、初のCSファイナリストの座を手に入れた。

(ゴンサレス・エチャバリ姉妹)
PHOTO: © WSL/Ana Catarina

「もうこの状況には慣れているわ。潮の影響でどんどん波の状態が悪くなっていたので、とにかく早めにスタートしたかった。本当に感情的なヒートだったわね。2人とも勝ち上がれたら良いのにって思ってたから、彼女とは本当は対戦したくなかった。でも仕方ないので、自分のベストを尽くして戦ったの。彼女が3位になったことも本当に嬉しい」とアネット。

初のファイナル進出については、「ここに来る前にケガをしていて、ほとんどサーフィンもできていなかったの。だから今回の結果はまるで「ご褒美」みたいに感じているわ。今この瞬間を楽しんでいるっていう感じ。本当に嬉しい。ヨーロッパの新世代の勢いについては、本当に凄い。ヨーロッパの成長ぶりには驚かされるわ。みんな凄く調子が良くて、特にヨーロッパの女の子たちは本当に上手い。QSの時からみんなで戦ってきて、あのときも激しい戦いだった。今はそれがCSの舞台に移って、より高いレベルで競い合えているのが嬉しいわ」とコメントを残している。

ファイナルの相手はサリー・フィッツギボンズ(AUS)を倒したヨランダ・ホプキンス(POR)
彼女もまたヨーロッパの新世代であり、すでに来年のCTクオリファイが決定している。

ネクストコールは現地時間10月18日の朝6時15分(日本時間の同日18時15分)で20分後に再開予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。