TSJJ 15-3

マリブのパーキングロット、同じ翼のもとでほか、TSJJ15.3号の読みどころ

9月30日に発売された「ザ・サーファーズ・ジャーナル」日本版15.3号の読みどころを同誌のコントリビューティング・エディターも務める李リョウが紹介。


マリブのパーキングロット

サーフポイントといえば、当たりまえのように駐車場があり、必然としてサーフコミュニティーの交流の場となります。さて、説明するまでもないけれど、マリブはロサンゼルスの超有名なポイントブレイク。今は亡きミキ・ドラのホームで、ギジェットが恋に落ちた波でもあります。強い磁力を発信し続けているマリブにはいろんな人が集まってくる。ハリウッドも近い。ここでは公衆トイレもいろんな使い方があるらしい。桟橋の上にはカクテルが飲めるバー&レストランもある。言うなれば、マリブはアーバンスタイルのサーフポイント。その駐車場で毎日何が起きているかというお話。ジェイミー・ブリシックの文章からは、駐車場の車に同乗しているような臨場感が伝わってきます。トレース・マーシャルの写真は晴天の下、あえてストロボを使い、ポップな色を演出。登場人物についてはキャプションをお読みください。ランス・カーソン大先生も後ろ姿で登場。このマリブから1時間ほど西に向かうとリンコンがありますが、雰囲気はガラッと変わりますね。水も冷たい。

TSJJ 15-3

同じ翼のもとで

サーフマニアの皆さま、お待たせしました。前のめりにグッと来る記事の登場です。第二次世界大戦によって、グラスファイバーなどの新素材が誕生し、サーフボードの素材となった。というのはご存知かと思います。この記事はその歴史を深く掘り下げています。例えば、大戦の勃発によってカリフォルニアに軍需産業が集結し、全米から優秀な人材が集まった。そんなエンジニアの中に、ボブ・シモンズがいて、リンゼイ・ロードの流体力学を基にあのシモンズを開発した。そのテストライダーにジョー・クイッグやマット・キブリンがいた…。面白そうでしょう?面白いんです。ジョージ・グリノーも登場します。ゴードン&スミスが設立されるまでの経緯も書かれています。バルサが供給不足になったり、ウレタンの開発もさまざまなアクシデントがあったようです。ところで、もし第二次世界大戦が起きなかったら、僕たちは今どんなサーフボードに乗っていたでしょうね。

TSJJ 15-3

フィッシュボウル

サーフビジネスで金を稼ぎ、世界中のバージンウェイブをトリップしながら映画を作る。主演は契約ライダーたち、その中には世界チャンピオンも…。そんな夢のような話を、リップカールを起業したオーナーたちが実現した。伝説のサーフムービー「サーチ」の誕生です。インドネシアで彼らが遭遇したのが、今回の「バワ」というヒナコ諸島にあった伝説の波。『あった?』なぜ過去形なのか?それは本文をお読みください。
さて、ヒナコはあのニアス島から近く、ラグンディーの波がサイズダウンすると、サーファーたちがローカルな木造船をチャーターしてこのバワを目指すんだよね。ここはウェイブマグネットと言われていて、いつも波が大きい。もしニアスに波があると、ここは大きすぎるくらいです。なんで知っているかっていうと、じつは行ったことあるんです。しかもこのセッションが行われたときとほぼ同時期で、私がニアスにいたときもトム・カレンが来るかもしれない、という噂が流れていました。そんなこんなで、この記事は楽しく読ませていただきました。

TSJJ 15-3

最後のブルーワーガン

サーフボード製作で、最も高度な技術と豊富な経験が必要とされているのがグラッシングと言われています。しかも、これはたいへんな手間と危険が伴います。水飴みたいなレジンを扱うからベトベトになるし、ひとたび硬化剤を添加すれば、レジンが硬化するまでに完了しなくてはなりません。プレッシャーですね。色を混ぜると硬化時間は変わるし、ブランクに色ムラは出るし、サーフボードの重量は変わるし、フレックスや強度にも大きく影響してきます。有機溶剤の揮発も半端ないので防護マスクは必須。しかも、シェイパーって注目されるけれど、グラッサーは縁の下の力持ち的な立ち位置です。今回の主人公であるジャック・リーブスは、グラッシング技術の頂点に立つ人と言われています。この記事では彼のこれまでの足跡をたどっています。ディック・ブルーワーが認めた人ですし、その愛弟子オウル・チャップマンとはブラの関係。そこに日本の某シェイパーが加わると、三人兄弟のようです。

TSJJ 15-3

(李リョウ)


THE SURFER’S JOURNAL(ザ・サーファーズ・ジャーナル)日本版15.3号

●世界でも選りすぐりのフォトグラファーによって捉えられた、サーフィンの美しく迫力に満ちた瞬間。
●新旧様々なライターたちに綴られる、本質的でバラエティに富んだストーリー。
最も信頼されるサーフィン誌として世界中のサーファーたちから愛され、書店では買うことができないライフスタイル・マガジン。

Fujisanマガジンサービスの定期購読プランは最大30%OFF!
バックナンバー(デジタル版)も読み放題。
詳細はコチラから

blank

「国内外サーフィン界の最新トレンド・ニュースを読み解く」をコンセプトに、最新サーフィンニュースをお届けします。

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。