(ベスト16入りを決めたCSルーキーの加藤翔平) PHOTO: © WSL/Manel Geada

都筑有夢路がベスト8!加藤翔平がベスト16!CS第4戦『Ericeira Pro』4日目

ポルトガルのエリセイラで開催中のCS第4戦『Ericeira Pro』は週末のクライマックスに向けて選手が絞られてきた。
現地時間10月2日はメンズがRound of 32まで進行してRound of 16を戦うベスト16、ウィメンズはRound of 16の8ヒート中4ヒートが進行した。

この日はグラッシーな2-3ftレンジのコンディションでスタートしたが、ハイタイド時は波数が減ってしまい、一時中断。
午後は新しいウネリと潮の引きで4-6ftのパワフルな波へと変化してハイスコアが続出と前半と後半で全く異なる表情を見せていた。

波乗りジャパンは2名が残る

(都筑有夢路) PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

今回のポルトガル戦、波乗りジャパンは五十嵐カノアを始め、総勢17名と多くの日本人選手が出場。
大会4日目にして残ったのは男女1名ずつ。

まず、ウィメンズサイドでは中塩佳那、都筑有夢路がRound of 16進出。

CSルーキーの中塩佳那はCSカレントリーダーの14歳、ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)に対して7.67を幸先良いスタートを切ったが、バックアップスコアを伸ばせず、8.60を出したティヤが上回り、ここで敗退。
ここまでの最高位となる9位でフィニッシュした。

(CSルーキーの中塩佳那) PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
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(ヒート後にティヤとハグを交わす中塩佳那)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
(都筑有夢路) PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

開幕戦で5位に入り、現在14位の都筑有夢路はランキング5位、ローカルのフランシスカ・ヴェセルコと対戦。
35分ヒートの序盤にカットバックで上手くつなぎ、掘れたセクションでのターンも綺麗に決めて7.00。後半にはカービングとのコンボとフィニッシュもメイクして会心のアピール。このライディングに8.50がコールされ、トータル15.50。
ロングライドで7.50を返したフランシスカを抑えて今シーズン2度目のQF進出を果たした。

「今はとても嬉しいです。日本の友人が凄いサポートをしてくれています。彼らにエネルギーを貰い、それが力になっています。いくつかのミスをしましたが、8ポイントを出した波に関しては『よし、いい波を掴んだ!』と思いました。そこで自分のサーフィンに集中して、みんなに見せたいと思ったんです。やりきれて良かったです」

QFではオリンピアンでもあるイスラエルのアナト・レリオルと対戦する。

(加藤翔平)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot
PHOTO: © WSL/Manel Geada

メンズサイドではRound of 32に加藤翔平、西慶司郎、大原洋人の3名が残った。

加藤翔平はターンとエンドセクションでのエアーリバースを成功させ、カラム・ロブソンと共にラウンドアップ。
今年CTからCS落ちしたエドガー・グロッジア(BRA)、元CT選手のイアン・ジャンティ(HAW)を抑えた。

Round of 16では南アフリカで優勝したルーク・トンプソンとのカードになる。

(西慶司郎) PHOTO: © WSL/Manel Geada
(大原洋人) PHOTO: © WSL/Manel Geada

西慶司郎、大原洋人は4位敗退。
大原洋人は7ポイント台を持っていてチャンスはあったものの、プライオリティがあったルーク・テマ(HAW)に倒してインターフェアを犯してしまい、一つのスコアがゼロ。もう一つのスコアが半分になるペナルティとなってしまった…。

CT返り咲きを目指す選手が活躍

(ジョージ・ピッター)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

メンズサイドはCTから落ちてCT返り咲きを目指す選手の活躍が目立っていた。

ルーキーイヤーでミッドシーズンカットになったジョージ・ピッター(AUS)はスローな展開のヒートでミドルスコアを重ねてリード。最後にはレール・トゥ・レールの綺麗なライディングで8.50を出して2位以下に大差で勝利した。

「本当にスローなヒートで、波待ちの時間が凄く長く感じた。難しい展開だったけど、最後に波が来てくれて、それをしっかりメイクできたのが良かったよ。プレッシャーの中で結果を出すことを課題にしてきたので、少し成長できたかなと思う。エリセイラではこれが自己最高の結果。この勢いを続けたい」

PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

南アフリカで2位という大きな結果を残しているジョージだが、ランキング7位とまだ微妙なポジションにいる。
次のRound of 16は2024年のルーキーイヤーにミッドシーズンカットになったケイド・マトソン(USA)とのカード。

(カウリ・ヴァースト)
PHOTO: © WSL/Manel Geada

その他、今シーズンのミッドシーズンカットでCS落ちしたリアム・オブライエン(AUS)、サミュエル・プーポ(BRA)を始め、カラム・ロブソン(AUS)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、モーガン・シビリック(AUS)、イーライ・ハンネマン(HAW)と元CT選手がベスト16入り。

パリ五輪の金メダリスト、カウリ・ヴァースト(FRA)も勝ち上がり、いよいよ現実的になってきたクオリファイを固めてきそう。

強過ぎる14歳のカレントリーダー

(14歳のティヤ・ゼブラウスキ)
PHOTO: © WSL/Manel Geada

Round of 16で中塩佳那を倒して4大会連続のQF進出を決めたフランスのティヤ・ゼブラウスキはランキング2位のサリー・フィッツギボンズ(AUS)がこのラウンドで敗退したため、ポイント差を広げることになる。
14歳とは思えない大きなサーフィンはすでに来年上がることになるCTレベルに到達している。

「QFに進めて本当に嬉しいわ。良いリズムで波に乗れて、素晴らしいチャンスが回ってきた。カナとの良いヒートになって、スコアも出せて凄く満足している。この年齢でここに立てるなんて思ってもみなかったわ。史上最年少でワールドツアーにクオリファイできたら最高ね」

PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

サリーを倒したサンクレメンテクルー

(キラ・ピンカートン)
PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

Round of 16でサリーを倒した22歳のキラ・ピンカートンは最近元気が良いサンクレメンテクルーの一人。

現在ランキング9位とクオリファイラインの下にいるキラはヒート序盤こそミスで苦しい展開だったが、サリーのプライオリティのミスで良い波をつかみ、パワフルなターンで8.67のハイスコアを出して逆転に成功。僅か0.40ポイント差のクロスゲームを制した。

「壮絶なヒートだったわ。サリーが相手だったので厳しい戦いになると分かっていた。最初はミスが続いたけど、気持ちを落ち着かせて少しずつ立て直せた。あの8ポイント台を出せた時はずっと笑顔だった。本当に完璧な波だった。贈り物みたいに感じたわ」

PHOTO: © WSL/Damien Poullenot

ネクストコールは現地時間10月3日の7時30分(日本時間の同日15時30分)で、35分後にスタート予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

EDP Ericeira Pro Men’s Round of 32 Results:
HEAT 1: George Pittar (AUS) 14.17 DEF. Lucas Vicente (BRA) 11.84, Finn McGill (HAW) 9.77, Justin Becret (FRA) 6.84
HEAT 2: Samuel Pupo (BRA) 13.60 DEF. Kade Matson (USA) 10.40, Jordan Lawler (AUS) 9.30, Nolan Rapoza (USA) 2.33
HEAT 3: Luke Thompson (RSA) 14.67 DEF. Lucca Mesinas (PER) 13.50, Winter Vincent (AUS) 6.47, Shion Crawford (HAW) 6.07
HEAT 4: Callum Robson (AUS) 13.87 DEF. Shohei Kato (JPN) 12.40, Edgard Groggia (BRA) 11.63, Ian Gentil (HAW) 10.93
HEAT 5: Kauli Vaast (FRA) 13.07 DEF. Jadson Andre (BRA) 11.50, Ian Gouveia (BRA) 11.47, Franco Radziunas (ARG) 10.70
HEAT 6: Adur Amatriain (EUK) 14.63 DEF. Oscar Berry (AUS) 13.46, Dimitri Poulos (USA) 12.70, Jorgann Couzinet (FRA) 12.07
HEAT 7: Morgan Cibilic (AUS) 14.10 DEF. Eli Hanneman (HAW) 13.77, Kyuss King (AUS) 12.33, Keijiro Nishi (JPN) 9.03
HEAT 8: Liam O’Brien (AUS) 15.67 DEF. Mateus Herdy (BRA) 14.63, Luke Tema (HAW) 12.54, Hiroto Ohhara (JPN) 10.65

EDP Ericeira Pro Women’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Kirra Pinkerton (USA) 14.84 DEF. Sally Fitzgibbons (AUS) 14.44
HEAT 2: Tya Zebrowski (FRA) 15.90 DEF. Kana Nakashio (JPN) 13.40
HEAT 3: Amuro Tsuzuki (JPN) 15.50 DEF. Francisca Veselko (POR) 13.23
HEAT 4: Anat Lelior (ISR) 14.40 DEF. Leilani McGonagle (CRC) 14.07

EDP Ericeira Pro Men’s Round of 16 Matchups:
HEAT 1: George Pittar (AUS) vs. Kade Matson (USA)
HEAT 2: Samuel Pupo (BRA) vs. Lucas Vicente (BRA)
HEAT 3: Luke Thompson (RSA) vs. Shohei Kato (JPN)
HEAT 4: Callum Robson (AUS) vs. Lucca Mesinas (PER)
HEAT 5: Kauli Vaast (FRA) vs. Oscar Berry (AUS)
HEAT 6: Adur Amatriain (EUK) vs. Jadson Andre (BRA)
HEAT 7: Morgan Cibilic (AUS) vs. Mateus Herdy (BRA)
HEAT 8: Liam O’Brien (AUS) vs. Eli Hanneman (HAW)

EDP Ericeira Pro Women’s Round of 16 Remaining Matchups:
HEAT 5: Yolanda Hopkins (POR) vs. Laura Raupp (BRA)
HEAT 6: Alyssa Spencer (USA) vs. Eweleiula Wong (HAW)
HEAT 7: Sophia Medina (BRA) vs. India Robinson (AUS)
HEAT 8: Sanoa Dempfle-Olin (CAN) vs. Eden Walla (USA)

(黒本人志)

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