8月27日〜9月4日のウェイティングピリオドを設けてコンディションが良い1日を利用して開催される『Lexus WSL Finals Fiji』
直近の波予想によると開催日はウェイティングピリオド後半という見方が強い。
すでにファイナル5と関係者は会場のタバルア島・クラウドブレイクに集結しており、オープニングセレモニーも行われ、開幕直前のインタビューが公開されている。

まずお伝えするウィメンズサイドはシード1位がモリー・ピックラム(AUS)、2位がガブリエラ・ブライアン(HAW)、3位がケイトリン・シマーズ(USA)、4位がキャロライン・マークス(USA)、5位にベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)と続く。
ケイトリンは2024年、キャロラインは2023年にワールドタイトルを獲得。
ガブリエラとサクラは「WSL Finals」初出場で、カリッサ・ムーア、ジョン・ジョン・フローレンスに続くハワイ出身選手となる。
ちなみにスモールコンディションが続くフィジーだが、ロングボードには十分なウネリが届いている。
ヤゴとケイティの貴重なセッションは以下。
モリーの自信

過去2年連続で「WSL Finals」に出場して5位で終えているモリー。
今年はレギュラーシーズンで驚くほど安定した成績を残し、2位以下に大差をつけて首位に立った。
4大会連続でファイナルに進出し、ブラジルとタヒチで優勝している。
「WSL Finals」経験者の中で、まだワールドタイトルを獲得していない唯一の選手である彼女は22歳。
シーズンを通してあらゆるコンディションで傑出したパフォーマンスを見せ、全11イベント中8つのイベントでSF以上をメイク。アブダビ、ロウワー・トラッセルズ、サクアレマ、ジェフリーズ・ベイ、チョープーといった様々な場所でファイナルを戦った。
パイプラインとチョープーで見せた彼女のバックハンドでのバレルは、今シーズンの最高の瞬間の一つであり、クラウドブレイクでのタイトルマッチでも、有利と言われている。
「ファイナルズにトップとして臨めるなんて、夢のようね。この舞台に立つ機会に恵まれたことに、本当に感謝しているわ。自分自身とチーム、そして一年を通して支えてくれた全ての人々をとても誇りに思う。素晴らしい一年だった。トップに立って勝つというのは、追いかけられる側、標的となる側として、最も難しい部分。それが私が更に上達したいと思っていることなので、まさに今いるべき場所にいると感じている。もう怖くはないし、あまり動じないわ。今年は去年とは全く違う心境。勝たなければならないと必死になるのではなく、勝てると信じている。その時が来れば実現するでしょう」
運命を変える決意したガブリエラ

ツアー随一のパワーサーファー、ガブリエラにとって2025年は飛躍の年だった。
23歳の彼女は、シーズンを通して特に爆発的なフロントサイドのハックで、何度もハイライトを生み出した。
過去3シーズン、ミッドシーズンカットを恐れるようなポジションにいたが、今年はキャリアで初めてイエロージャージを着用してオーストラリアに到着。ポルトガルでの準優勝とエルサルバドルでの優勝が彼女を首位に押し上げ、2年連続となるマーガレットリバーでの優勝で真の地位を固め、更に後半戦ではJ-Bayで3勝目を上げた。
過去最高ランキングが7位だったことを考えると、彼女にとって今シーズンが真のブレイクアウトシーズンであることは間違いない。
2024年は最終戦のフィジーで僅か1ヒート差で「WSL Finals」出場を逃すという辛い経験をした彼女が大好きなこの場所で運命を変えようと決意している。
「信じられない気持ちよ。今、フィジーにいる。ここは間違いなく、今まで行った中で最も美しく、素晴らしい場所の一つ。人々も素晴らしく、愛とエネルギーを感じ、とても温かく迎えてくれる。ワールドチャンピオンになることは、100%私の夢。初めてそう思ったのは、とても幼い頃だった。振り返ると、小さな女の子の大き過ぎる夢だったけれど、今私はここにいて、それを手に入れる機会に恵まれている。何よりも、みんなを誇りに思わせ、ワールドタイトルをカウアイ島に持ち帰りたい」
タイトル防衛を狙うケイティ

昨年ワールドタイトルを獲得したケイティはファイナル5で最年少の19歳。
流れるようなスタイルと個性的なラインを描くサーフィンで世界中のサーファーを魅了している。
2025年のレギュラーシーズンはパイプラインで2位、次のアブダビで優勝とシーズン前半に好成績を重ね、後半戦はマーガレットリバーでファイナリストに選ばれ、対戦相手のガブリエラのパワーサーフィンと違うアプローチを見せていた。最終戦のタヒチでは親友のモリーとファイナルを争い、No.3シードを獲得。
ルーキーイヤーから3シーズン連続の「WSL Finals」出場で、タイトル防衛を狙う。
「ファイナル5の座を獲得できたことは、とても嬉しいわ。今年は1位じゃないことが逆に嬉しい。去年は大会前に頭が混乱しちゃったの。今年は失うものがなく、上昇するしかないという、全く違う考え方で臨んでいるような気がする。私は勝つことが大好き。でも、勝つこと以上に負けることが嫌いなんだと思う。だから、まだ勝ちにいこうとしているの」
金メダリストとして2度目のタイトルに挑戦するキャロライン

昨年、パリ五輪で金メダルを獲得した23歳のキャロラインが2度目のワールドタイトルに挑戦する。
2025年のレギュラーシーズンの成績は、ポルトガルでの優勝後にスランプが続き、過去2シーズンの功績には及ばなかったが、シーズン後半に3戦連続でSF進出と巻き返してファイナル5入りを決めた。
彼女の武器はバックハンドのパワーハックだが、フィジーでは唯一のフロントサイドとしてパリ五輪で見せたようなバレルのスキルを披露してくれるだろう。
「フィジーは本当に素晴らしい場所で、クラウドブレイクは世界でも最高の波の一つ。ファイナルズがこんなに良い波で開催されることで、モチベーションがさらに高まるわ。本当に興奮している」
改革が功を奏したサクラ

2022年のルーキーイヤーから4年目にして初の「WSL Finals」出場を果たした20歳のサクラ。
長年のボードスポンサーやコーチとの関係を見直し、チームに大きな変更を加えてシーズンをスタートしたことが功を奏したシーズンだった。
オーストラリアのゴールドコーストでキャリア初のCT優勝と大きなブレイクスルーを果たし、2イベント後のカリフォルニアで2勝目を決めてNo.5シードを獲得。
キャリアを通して見せてきたヘビーウォーターでの熟練した技術に加え、あらゆるコンディションでのパワーと正確さを披露していた。
「ファイナル5に入ることは今年の私の目標だったので、最後のイベントでそれを確定できたことは本当に信じられない。私をこの場所に導いてくれた今年の自分のパフォーマンスに、とても満足しているわ。いざ、フィジーへ!」
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)