ついに、年内最後のコンテストが終了。
選手はもちろん、スタッフの皆様、メディアの皆様、朝早くから遅くまでのコンテストシーズン、本当にお疲れ様でした・・・!!
ということで私の裏側リポートもこちらが年内ラストとなります。
S.LEAGUE「ショートボード第3戦 S.ONE 鴨川プロ」。今回私は解説とビーチリポーターを担当。
ワールドシード選手も登場し、12月だというのにアツイ戦いが繰り広げられました。
まずはマスターズ。

多くの応援団と共に会場を盛り上げたのは舟橋大吾
日本一サーフィンが上手いウエットスーツ会社の社長という肩書がある舟橋選手。
インタビューでは”自称です”と言っていたが、今回マスターズでのプロ資格取得により、誰もが納得するだろう。
プロはもちろんアマチュアライダーたちも応援に駆けつけ、ヒートもインタビューも盛り上げてくれた。

ヘルメットをかぶって登場したのは五耒潤
長年NSAで活躍していた五耒選手。今回はスポンサーさんから、選手入場のためにヘルメットを作ってもらったらしい。
インタビューでは、マスターズでプロになってから、先輩たちが本当によくしてくれる。皆さん声をかけてくれて、ヒートで戦えるなんて、本当に嬉しいことですとコメント。

左から関谷利博、比嘉力夫、今村大介
ネクストヒートで対戦することとなった4名。
先輩方が優しく接してくれると、コメントしてましたよ!と伝えると、「ヒート中はそうはいかないよ」 とジョークをかましてくれた。笑

左、素晴らしいライディングで会場を盛り上げた山本陽一
右、開幕戦の北海道の敗退からしっかり調整してきた遠田真央
私がプロ合格した際のお祝いパーティーにて、とてもアツイ言葉をかけてくれた山本プロ。彼らしいパワフルなターンは今も健在、今後の活躍に期待したい。
遠田プロとは普段スタッフ側で一緒になることが多い。その時とはまた違った気合いで試合に挑む遠田プロ。”宮崎から来ると千葉は寒いから、ハンデが欲しいくらい!”というコメントにライブ配信チームは笑顔に。

鴨川では小川幸男プロと大音凜太プロが地元の子供達の育成を行なっている。その中からローカルシードで出場した2名の選手の特徴を幸男プロに聞いてみた。
ウィメンズでは小室瑠愛
低い姿勢から繰り広げられるサーフィンはとても力強く、ワンターンでも点数が出せる選手。

メンズでは鈴木颯人
キレイなサーフィンをする中で、最近は身体ができてきてキレも増してきた。
毎日ここでやってるからこそ波をよくわかっている。
2人とも敗退してしまったが、メンズの鈴木颯人はヒート後、”すごく楽しかった。選手入場があったり、会場の規模が大きくて、プロとヒートができたのもとにかく楽しかった。”と話してくれた。
こういった舞台を楽しめる選手は今後大きな選手になるだろう。これからの2人の活躍に注目したい。

今回はタヒチで活躍したオリンピア2人もエントリー
タヒチのチューブをひたすら練習したあとに挑む日本のコンテストはほとんどがビーチブレイク。どのように調整したのか聞いてみた。
稲葉玲王
「タヒチの後は大洗戦に出た。ビーチブレイクをずっとやっていなかったから、あの時はEPSのみを使用していた。今はカーボンもテストして、すごく相性がいい。鴨川にはカーボンボードしか持ってきていない、それくらい調子がいい」
EPSなどの軽いボードは小波で使用する選手が多い中、玲王はサイズに関係なく乗りこなしている。海外選手は反発をコントロールできる、踏み込める選手ばかりなので、日本の波では軽いボードを使う選手が多い。玲王もそのうちの1人だと感じたが、それができる玲王のスキルはさすが。
家では掃除や洗濯も担当しているらしく、意外な一面も教えてくれた。

松田詩野
「オリンピックの後は試合を休むという考えもあった。でも試合が好きだから、出たい気持ちが勝った。波の乗り方はもちろん、試合の組み立て方も全く変わってくる。試合に出ながら、感覚を取り戻してきた」
そんな状況でも試合に出るというメンタルが、さすがオリンピアン。満足のいく結果が出せない時も、腐らず前向きに進んでいる詩野ちゃんのSNSを見ているとこちらも勇気をもらえる。
最近はカフェ巡りや温泉に行くのが趣味と教えてくれた。多忙な中でもそういった息抜きをしていることに、安心してしまった。笑
これからもウィメンズサーフィン界のアイコンとして活躍していただきたい。

9月から遠征続き、世界中を駆け巡ってきた松岡亜音。
疲れを感じさせないキレキレのターンを連発。海外経験も沢山経て、気持ちに余裕ができているかを聞くと、まず今回は家から通える試合なのが最高。遠征が多い亜音ちゃんには尚更最高なはず。
試合になればみんな勝ちに来るのが当たり前なので、そこは気を抜かずしっかり気を引き締めていきたいとコメントしてくれた。

今年はQSでの活躍が著しかった鈴木莉珠
惜しくもCS入りはできなかったが、スキルはもちろん試合運びでも大きく成長したようにみえる。なにが要因なのか聞くと、田嶋鉄兵コーチの存在が大きいと。
信頼できるからこそ、会場に来れない大会でも連絡を取り合ってサポートしてもらっている。トレーニングにもかなり力を入れ、サーフィンに安定感とキレが出てきた。メンタル面や技術面共に進化した莉珠ちゃん。今後の活躍に目が離せない。

静波でのS1で思うことがあったらしい、太田拓杜
「周りの皆が上手すぎて、正直くらった。俺ももっと頑張らないと、変化しないといけないと思い、板やサーフィンを細かく研究した」
シーズン中に何かを変えるのは中々勇気のいること。十分スキルを持っているからこそS1の選手なのだが、そこでもまだ高みを目指す拓杜。拓杜は地元仙台が同じで、実家も近所、過去にはスポンサーが4社被っていた時期もあり、免許がない頃は一緒に海に通ったりもした。この発言に、大きくなったな〜と感心してしまった。

一宮に2人で住み、日々努力を続けているツインズ。みなさんどっちがどっちか分かりますか?笑
正解は左が清水ひなの、右がひなたです。笑
まだ免許を持っていなかった頃、車で30分かかる距離を自転車で2時間かけてトレーニングにやってきた。その前後にはもちろんサーフィン。顔はそっくりだが、サーフィンのスタイルや性格は違う。真面目で努力家なところは一致。ヒートの組み立て方も違う2人の決勝マンオンマン対決が見たかったが、今回はおあずけ。来年に期待したい。

日本一の応援団と一緒に会場入りしていた加藤翔平
CS会場ではWSLカメラマンにマークされ続けていた翔平母。今回も日本一の応援で会場を盛り上げてくれた。もう1人は翔平のボードを削っている淳二さん。CSに参戦し、翔平のボードへのオーダーもどんどん細かくなっていった。最近はスペアボードというものも存在しない。どのボードを使っても同じパフォーマンスができるクオリティのボードを1試合に4本は最低でも揃えなければならない。それはCTサーファー達には普通のことで、翔平もそこまでのレベルのサーファーになったということ。そういった話を教えてくれた。家族、チームが一丸となって活動している加藤家。これからも応援してます!

実は同級生の加藤嵐、インタビュアーの水野亜彩子
小学生の頃から数少ない同い年としてコンテストに参加してきた私たち。今ではこの年でツアーを回るのは嵐のみになってしまった。
唯一の現役で頑張る同級生、嵐からかけられた言葉は「2人とも辞めるの早すぎじゃない?」だった。笑
私たちの分までこれからも頑張ってほしい。

実は試合が好きだった佐藤利希
プロジュニア2連勝、S.leagueでも結果を出し始めている利希。日頃選手がいないエリアでサーフィンすることも多く、私自身勝手に選手たちとバチバチしたことが嫌いなのかと思っていた。今回、そんな中でなぜ最近コンテストでの調子がいいのか聞いてみると、「僕、試合好きですよ!」と衝撃の事実。笑
大変失礼いたしました、、、。
年明け開催されるワールドジュニアへの切符も手に入れた。ISAでは参加していた世界戦、WSLは初参戦だという。オフシーズンがほぼないスケジュールだが、この調子で頑張ってきてほしい!

ウィメンズ優勝の野中美波
インタビューではCSの会場にて、日本人同士応援し合っていることでお互いを高め合い、成長することができたと話していた。
個人プレーとはいえ、ランキングを争うCSでは日本人選手ももちろんライバル。負けた後も勝った選手を応援し続けたり、相手が勝てば喜んでいる姿をSNSで見ていた。
日本人同士とはいえ、そうやって純粋に思いやることは簡単ではない。アスリートとして、1人の人間として、かなりレベルアップした野中美波の圧倒的精神力、リスペクトです。

メンズの決勝は兄弟対決
優勝は西優司、準優勝に慶司郎、決勝後は2人揃ってインタビュー。
弟の優司は解説の田嶋プロからの質問を慶司郎にパスするなど、兄弟らしい一面も見れた。
昨年度の開幕戦、大洗ぶりの対戦となった西兄弟。2戦共に西家の末っ子が勝利を飾った。
来年度、長男修司を含め、兄達のリベンジが楽しみだ。


今回メンズで3位だった伊東李安琉、佐藤魁
ウィメンズは松田詩野、川瀬心那
準優勝の中塩佳那
このメンツを見てもらえば分かる通り、QFからはどのヒートも対戦カードがアツく、目が離せないファイナルデーとなった。
年内ラストコンテスト、楽しく解説させていただき光栄でした。
来年はもっと濃厚な裏側リポートをお届けできるよう精進します。みなさん、来年もいい波乗りましょうね!


(高橋みなと)














