「グリフィン・コラピントの持ち味は、シャープでキレのある重さ」 – F+

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2026 F+ x BCMコラボカレンダー3月はワールドタイトルにわずかに届かなかったグリフィン・コラピント。最終的にファイナルファイブでジョーディを抜いて2位だったけど、ポイントでは3位。ここ数年、シーズン中はファイナル5に残ることに四苦八苦というか、滑り込みで入るみたいなことが多かったように思う。実力からしたら、常時トップ5でファイナルファイブ盤石、という感じだと思うんだけど、コンスタントさに欠けて苦しむというシーズンが続いている。
オールラウンダーではあるけど、この人の持ち味はこの写真のようなシャープでキレのある重さ。キレと重さってなんか矛盾するように思うんだけど、この人のアクションはキレがあってシャープなのに、それだけじゃなくてドッカ~ンみたいな重さがあると思う。攻めているところも厳しいし、テールぬけたってこのスプレーだ。
これはベルズのお隣、ウインキーポップでの写真だけど、ウインキーのような形はいいけど早いセクションやスローなセクションがある変化のある波への対応力は、グリフィンピカイチだと思う。まぁ、地元のサンクレメンテに似てるといえば似てる波かも、とは思うけど。

このままレイバックというよりは、これだけ膝に余裕があって体幹立ち気味なので、この後つま先で一気に板を身体の下に引き込んでレール切り替えて次のアクションなんだろう。
ここでノーズ浮かせてテールスライド・ザ・スナップみたいにしてノーズをクリッと真後ろに向けるサーファーも多いけど、それだとパタって一瞬止まる(それでもジョンジョンは止まらないわけだけど)ので、美しくない。いつでもどこでもオンレール。蹴らないで押し込むのがスピードの基本だ。ターンはすべてつながっているので、一瞬でも止まってしまえば再びスピードを得るまでにもたつくことになる。流れ、フローというのは、ターンで加速するためにはとても大事だ。日本人選手に一番不足しているところかな、と思う。蹴り込んじゃうから止まっちゃうので、ターンで減速してしまう。
2重の円になっているスプレーの内側の濃い部分はおそらく右レールからテールにかけてからのものだと思うけど、これだけ分厚いの出すにはだいぶ押し込まれていないとならないし、これだけきれいに円形に出すのは難しいと思う。

PHOTO: © WSL/Ed Sloane

技術的にはもっと勝ってもいい選手だと思うし、ワールドタイトルはすぐ近くにあると思う。何しろ2025シーズンは17位が4回、9位1回以外はすべてセミ以上だ。まぁ、9位、17位はシーズン前半で、後半カット後らはコンスタントにセミ以上なので、まさに取りこぼしだと思う。あるいは後半になってようやく覚醒したか。

この後半の勢いを2026シーズンに持っていければジョンジョンやガブがいてもこの人はタイトル争いに絡んでくる人だと思うし、初タイトルとなっても驚かない。

F+編集長つのだゆき

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