2025年CTはミッドシーズンカット最後のイベントが終わり、6月9日から始まるシーズン後半戦を戦うメンズ22名、ウィメンズ10名が確定した。
メンズのルーキーでカットを突破したのは、マルコ・ミニョ(FRA)、アラン・クリーランド(MEX)、ジョエル・ヴォーン(AUS)の3名のみ。
ジャクソン・バンチ(HAW)、ジョージ・ピッター(AUS)、エドガー・グロッジア(BRA)は、CT残留を果たせずCSへと回ることになった。

PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder
マーガレットリバー戦ではヒート毎にドラマがあり、中でも2016年以来のCT返り咲きを果たしたのにも関わらず、カットラインギリギリで最下位になったアレホ・ムニーツ(BRA)は、涙をこらえながらファンのサインに応じていたのが印象的だった。
結局、アレホは最終日の前日まで他選手の結果にカットが左右される形となり、イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)の敗退で最後のカットライン通過を決めた。
“言葉にならない。今は神のことしか考えられない。人生で最もストレスの多い5日間。不安、悲しみ、幸せ、感謝の気持ちがすべて一緒。 この5日間で私は精神的な限界まできた、そして他には何も自分次第ではなかったが、神が望んだこと。 いつも応援してくれているみんなに感謝します。良いバイブスを送ってくれています。 私のスポンサー、特に私の家族や友人。 あなたたちは最高です。 今度は地面に戻って、もっと頑張る時だ。 神様ありがとう”
ウィメンズは2026年のCT拡大枠で変則的に

ウィメンズのカットは2026年のT出場枠が18名から24名に拡大するために変則的になり、11位から14位は2025年のシーズン後半戦には進めないものの、2026年のCTクオリファイは保持される。
その4名の枠に入ったのは、ソーヤ・リンドブラッド(USA)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、ベラ・ケンワーズィ(USA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)
なお、ルーキーではエリン・ブルックス(CAN)のみがトップ10で後半戦進出。
昨年のフィジー戦にワイルドカードで出場して優勝するなど、ゴールデンルーキーと言われているエリンでさえ、フルシーズンを戦うことの難しさに直面した。
マーガレットリバー戦でカットをクリアした後のインタビューでは、「今日は本当にしんどかった。朝のヒートも思うようにいかなかったし、他の選手のヒートを見るのも辛かった。今年、自分のベストサーフィンを見せられているかというと、正直そうじゃない。インスタのクリップではすごいって言われるけど、それを毎回試合で出せるわけじゃないの。ヒート後のインタビューでは『納得してない』って何度も言ってきたし、後半戦ではもっといいサーフィンをして、自分でも満足できる結果を出したい。もっと、頭を使って戦えるようになりたい。ルーキーとして、カットのプレッシャーや期待は思ってたよりずっと重かったわ。特にファイナル5がフィジーで開催されるから、去年の私のパフォーマンスを見て『そこに近づけるんじゃないか』って期待されてるのも分かってる。後半戦こそは、自分の夢に近づけるような結果を出したい」と話していた。

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サリー・フィッツギボンズが夢を追う決意
CS落ちとなる15位以下はサリー・フィッツギボンズ(AUS)、ジョアン・ディファイ(FRA)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ナディア・エロスタルベ(EUK)の4名。
ジョアンとタティアナは休養で恐らく2026年はワイルドカードを獲得することが予想される。
ナディアはリプレイスメントとして7戦中5戦出場のチャンスを与えられたが、結果を残すことができなかった。
唯一、現役でCS落ちとなったサリーは、オーストラリアレッグで巻き返しを見せたものの、序盤の不調が響いた。
ベルズで5位、ゴールドコーストで2位と確かな存在感を見せただけに悔しさが残る。
2010年からツアーを回る34歳のベテランでもある彼女はこれで4年連続のカット。
しかし、これまでCSから何度も這い上がってきており、今回も再び夢を追いかけると宣言している。
CTのメンバーがカリフォルニアに向かう中、サリーはオーストラリアに残り、6月2日〜8日にニューキャッスで開催される『Burton Automotive Newcastle Surfest』に出場する予定だ。
2025年後半戦進出を果たした選手
【メンズ22名】
ジョーディ・スミス(RSA)
イタロ・フェレイラ(BRA)
ヤゴ・ドラ(BRA)
五十嵐カノア(JPN)
バロン・マミヤ(HAW)
イーサン・ユーイング(AUS)
フィリッペ・トレド(BRA)
ジャック・ロビンソン(AUS)
レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
ミゲル・プーポ(BRA)
グリフィン・コラピント(USA)
ジェイク・マーシャル(USA)
和井田理央(IND)
コナー・オレアリー(JPN)
マルコ・ミニョ(FRA)
クロスビー・コラピント(USA)
アラン・クリーランド(MEX)
ジョアオ・チアンカ(BRA)
ジョエル・ヴォーン(AUS)
セス・モニーツ(HAW)
コール・ハウシュマンド(USA)
アレホ・ムニーツ(BRA)
【ウィメンズ10名】
ガブリエラ・ブライアン(HAW)
ケイトリン・シマーズ(USA)
モリー・ピックラム(AUS)
イザベラ・ニコルス(AUS)
タイラー・ライト(AUS)
キャロライン・マークス(USA)
ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)
ルアーナ・シルヴァ(BRA)
レイキー・ピーターソン(USA)
エリン・ブルックス(CAN)
CS落ちになった選手
【メンズ12名】
マシュー・マクギリヴレイ(RSA)
リアム・オブライエン(AUS)
ジャクソン・バンチ(HAW)
ジョージ・ピッター(AUS)
イアン・ゴーベイア(BRA)
サミュエル・プーポ(BRA)
イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)
デイヴィッド・シルヴァ(BRA)
イアン・ジャンティ(HAW)
ラムジ・ブキアム(MAR)
エドガー・グロッジア(BRA)
ライアン・カリナン(AUS)
【ウィメンズ14名】
サリー・フィッツギボンズ(AUS)
ジョアン・ディファイ(FRA)
タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
ナディア・エロスタルベ(EUK)
(以下4名は2025年後半戦はカット、2026年CTはクオリファイ)
ソーヤ・リンドブラッド(USA)
ヴァヒネ・フィエロ(FRA)
ベラ・ケンワーズィ(USA)
ブリッサ・ヘネシー(CRI)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)