2025年最後のアジアリージョナルのQS、『WSL International Wanning Corona Cero Pro QS4000』がプロジュニアと併催され、現地時間17日に終了した。
会場は村上舜が2020年に優勝したQS5,000『Corona Open China hosted by Wanning』以来の中国・海南島。
レフトのポイントブレイク「日月湾(Riyue Bay)」が舞台となり、ファイナルデーは公式3-4ftレンジのグッドコンディションに恵まれていた。
脇田紗良が2年ぶりに表彰台の頂点に立つ

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
ウィメンズサイドは脇田紗良とカレントリーダーの中塩佳那がファイナルに残った。
中塩佳那が苦戦した一方、脇田紗良は8.00でスタートして7.50を重ねて主導権を握った。後半、脇田紗良は8.30とハイスコアを更新してトータル16.30で6ポイント止まりだった中塩佳那を完璧に抑えた。
「ほっとしました。今年は本当に厳しい年だったので、2025年の最後のイベントで勝利したことは本当に嬉しいです。興奮しています。結果が出なくても、ただ自分自身を信じて積み重ねてきました。自分のサーフィンにも自信があったけど、リズムを得ることができませんでした。きっと自分の番が来ると信じてやってきました。願わくば次のいくつかのイベントでも、勝ちたいですね」
23歳とまだ若い彼女だが、2016年に13歳の時に2つのQSファイナルに進出して以来、9シーズンを送ってきたベテランでもある。
その間に4回の優勝と5回の2位と結果を出し、今回は2年ぶりに表彰台の頂点に立った。
CSでは2021年の最初の年の23位がピークとなった。
今回の優勝でリージョナル5位に上昇して来年のQSではオーストラリアでの2つのイベントで2026年CS入りを目指すことになる。
ランキングでは中塩佳那がトップを守っている。

伊東李安琉がキャリア最高の勝利

メンズサイドは伊東李安琉とインドネシアのマデ・アリヤナがファイナリストに選ばれ、伊東李安琉が優勝。
伊東李安琉は11月台湾でのQS6,000での2位に続き、2戦連続での表彰台となり、キャリア最高の勝利となった。
マデも11月のフィリピンでのQS2,000での優勝に続き、2戦連続での表彰台となった。
また、リージョナルランキングではマデが5位、伊東李安琉が6位とCSクオリファイのボーダーラインを巡る位置につけている。
CS2年目の伊東李安琉はまだ思うような結果を残していなく、今回の優勝は来年もCSにチャレンジするための重要な後押しとなった。

「年の最後のイベントであり、今年最初の優勝。最高に嬉しいです。年を終えるための素晴らしいファイナルだったと思います。本当に嬉しいです。常に自分自身を楽しむことを優先してきましたが、この勝利と共にランキングが著しく改善しました。次の計画は下位のポイントを塗り替えることです。来週ハワイに行くつもりなので、そこで充電し、もっと良い結果を目指します」
マデとのファイナルでは、序盤にシャープなスナップで9.00を出してリードした。更に6.00を加えた伊東李安琉は中盤に7.00とバックアップを伸ばしてトータル16.00。コンビネーションの圧勝となった。
ランキングではQFで渡邉壱孔に逆転負けはしたものの、小林桂がカレントリーダーの座を維持。
伊東李安琉は6位でカウントされる5戦中3戦はまだ低いポイントなので、上昇の余地は十分にある。

18歳の中国人が歴史を作った

PHOTO: © WSL/Hannah Anderson
同時開催のプロジュニア『WSL International Wanning Pro Junior』はローカルのジンウェイ・ワンと渡邉壱孔が優勝。
プロジュニアは今イベントが2026年シーズンの最初のイベントとしてカウントされ、両者がランキングトップに立った。
ジンウェイは12歳で最初に出場して以来、年々進化しており、清水ひなたとのSFではトータル14.00とイベントのハイエストを出した。
鈴木莉珠とのファイナルは6.33でスタートし、クリティカルなバックハンドスナップでの7.00に加え、6.50とバックアップを更新してトータル13.50で優勝した。
「とても幸せよ。全てのヒートでベストを尽くした。自分らしく、競技を楽しむべきだと感じたチームとリーダー、支えてくれたみんなに感謝したい。励ましてくれた友人と家族にも感謝したい」



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2大会連続でファイナルを争った二人

11月にフィリピンで開催されたプロジュニアでもファイナルで争った渡邉壱孔と長沢侑磨が今回はマンオンマンで対決。
今回も渡邉壱孔は強く、8.00に7.10を重ね、トータル15.10で圧勝した。
「とても嬉しいです。コンディションはセミファイナルとは変わり、難しくなっていました。始めは侑磨が3本の波でスコアを出してしまい、少し緊張しました。しかし、冷静さを保ち、立て続けに波に乗ることができました。(8点を出した時は)『これだ、この波だ』と直感したので、『絶対にこのチャンスをモノにしなきゃいけない(決めなきゃいけない)』という強い気持ちで攻めました。まだ若いですが、今シーズン良いスタートが切れたと思います。ワールドジュニアでも今日のようにサーフィンできるようにベストを尽くします」
2025年のプロジュニアチャンピオンとしてワールドジュニアの出場も決めた渡邉壱孔。
千葉・飯岡の19歳のアップカマーが世界の舞台でも暴れてくれることを期待したい!



『WSL International Wanning Corona Cero Pro QS4000』結果

1位 伊東李安琉(JPN)
2位 マデ・アリヤナ(IDN)
3位 ブロンソン・メイディ(IDN)、渡邉壱孔(JPN)
ウィメンズ
1位 脇田紗良(JPN)
2位 中塩佳那(JPN)
3位 佐藤李(JPN)、松田詩野(JPN)
『WSL International Wanning Pro Junior』結果

1位 渡邉壱孔(JPN)
2位 長沢侑磨(JPN)
3位 テディ・ダグ・ビレ(SWE)、金沢太規(JPN)
ウィメンズ
1位 ジンウェイ・ワン(CHN)
2位 鈴木莉珠(JPN)
3位 ウー・ヤオメイ(CHN)、清水ひなた(JPN)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)














