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SFを戦うベスト6が決定!『ISA World Junior Surfing Championship』8日目

1週間にわたり行われてきた世界一のジュニアを決める『ISA World Junior Surfing Championship』もいよいよ大詰め。

現地時間12月13日、ペルーのプンタ・ロカスには新しいウネリが入り始め、前日よりサイズアップの公式3-4ftレンジ。
U18ボーイズはR5とR6、U16ボーイズはR4とR5。U18ガールズとU16ガールズはR5が行われ、各部門でSFを戦うベスト6が決定した。

国別では2日続けて単独首位だったブラジルが3位まで下がり、ディフェンディングチャンピオンのオーストラリアがトップに浮上。
2位がアメリカ、4位に開催国ペルーが入り、2位から4位まではポイント差が少なく、団子状態となっている。

波乗りジャパンはファイナルデーに残れず

Photo: ISA/Pablo Franco

日本代表「波乗りジャパン」は大会7日目終了時点で小野里弦、馬場心、松野太郎と3名が残り、国別6位だったが、この日はU18ボーイズの小野里弦がR5、U16ガールズの馬場心がR5で敗退。

U16ボーイズの松野太郎はR4で7.17を含むトータル12.34を出し、アメリカ、タヒチ、アルゼンチン代表を抑えてトップ通過。
R5はオーストラリアのオーシャン・ランカスター、アルゼンチンのティアゴ・パッセリに抑えられ、3位敗退となった。

残念ながらファイナルデー前日に全ての選手が敗退した波乗りジャパン。
国別では8位に後退している。

(松野太郎) Photo: ISA/Sean Evans
(松野太郎) Photo: ISA/Sean Evans
(小野里弦) Photo: ISA/Pablo Jimenez
(馬場心) Photo: ISA/Jersson Barboza

2連覇に近づいたオーストラリア

(1・2フィニッシュを決めたチャーリー&ルーシー)
Photo: ISA/Jersson Barboza

遂に国別トップに立ったオーストラリア。

U18ボーイズではマーベリック・ウィルソン、サミュエル・ロウと強豪が敗退したものの、U16ボーイズでオーシャン・ランカスター、ケイデン・フランシスがラウンドアップ。

U18ガールズでミラ・ココ・ブラウン、U16ガールズではチャーリー・ヘイトリー、ルーシー・ダラーが同ヒートで1・2フィニッシュを決め、馬場心、ブラジルのマエヴァ・グアスタラを抑えてSF進出を果たした。

「チャーリーが最後にスコアを獲得したことに興奮している。二人でヒートを通過できて良かったわ。SFに向けて気合いも十分。一年中この大会を楽しみにしていたのよ。チームと一緒に旅行して同じ場所に滞在する。全体のチームスピリットとなるリング・オブ・ファイアと呼ばれるヒート前のトンネルを通過するのが最高なのよ。この大会は期待以上ね」

(ルーシー・ダラー)
Photo: ISA/Jersson Barboza

ルーカス・スキナーが快進撃を続ける

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2年連続で銀メダルを獲得しているイングランドのルーカス・スキナー。
チャンスが少なかった前日のU18ボーイズR4では僅差で2位通過と危なかったが、サイズアップしたこの日は本来の強さを発揮。

R5ではスムースなカービングとエアーのコンビネーションで8.27、8.00を重ねてトータル16.27とイベント2番目のヒートスコアを出して圧勝。
R6でも勢いは止まらず、パワフルなカービングで9.10とU18ボーイズでは唯一の9ポイントをマーク。昨年のファイナルでルーカスに勝って金メダルを獲得したスペインのディラン・ドネガンを抑え、SF進出を決めた。

Photo: ISA/Sean Evans

「一週間ずっと楽しんでいる。これまでいくつかの良いヒートがあったけど、今日が一番最高だったね。まだ余力はあるし、勝ち進むよ。サーフボードが本当に調子良いと感じている。ストークしているんだ。昨日は危ない場面もあった。まともにギアを入れることすらできなかったんだ。今の自分にはまだこれから使うべき6速や7速のギアがあると感じているよ」

U18ボーイズではこのラウンドでブラジル代表が2名敗れたことが国別ランキングに大きな影響を与えていた。

U18ボーイズのベスト6はルーカス、ディランの他、ハワイのジェイコブ・ターナー、タイガー・アブボ。フィンランドのイーリ・ティンペリ。
フランスのジェイ・フィップスが残った。

(ディラン・ドネガン)
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強豪が残ったU18ガールズ

(ラネア・モンス)
Photo: ISA/Sean Evans

U18ガールズR5ではアメリカのラネア・モンスが僅か2本の波でヒート勝利。

レフトの波にフロントサイドで8.50を出し、6.17のバックアップスコアを重ねた。
結果、トータル14.67はこのラウンドのハイエストになり、2位争いをしていたプエルトリコのミアマル・ソト・ペレス、タヒチのライポエ・シャペリエを見事にかわした。

「この大会は必死に勝ち抜いていかなければならないヒートが山ほどあるし、戦わなければならない強敵も沢山いる。でも、それこそがこの大会の醍醐味なのよ。この場所にいることに感謝している。ある種驚くべきことよ。毎朝5時くらいに早起きしてビーチに降りてヒートを戦う。もし、私がシミュレーションの中で生きなければならないとしたら、これは住むのにかなり良いものだろうね。愛することをしながら、毎日競争できるようになることはとても素晴らしい。良いレフトを得たことにストークしている」

U18ガールズのベスト6はラネア、ミアマルの他、スペインのソル・ボレリ、フランスのクレマンス・ショルシュ。
オーストラリアのミラ・ココ・ブラウン、中国のスーチー・ヤン。

ラネア、ミラ、クレマンスの3名が元メダリストと強豪が残っている。
また、スーチーが中国初のメダルを獲得するのかも注目を集めている。

(スーチー・ヤン)
Photo: ISA/Sean Evans

U16ガールズにペルー代表が残る

(チームハワイ)
Photo: ISA/Pablo Franco

U16ガールズR5ではISA初出場、ハワイの15歳、ゾーイ・カイナがプンタ・ロカスのライトでバックハンドの2ターンコンボを決めて8.50をスコア。
6.43のバックアップスコアを重ねてトータル14.93と大会8日目のガールズのハイエストを揃えた。

「最高の気分よ。ここでの私の目標はファイナルデー進出だったの。本当に楽しい波だった。ハイスコアの波はセットの2本目。『さあ行こう』という感じだったわ。ドロップインして小さなカーブを行い、それからポケットを見てスナップした。良い感じでもう一回行った。あの波は興奮したわ」

(ゾーイ・カイナ)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(カタリナ・ザリキエイ)
Photo: ISA/Sean Evans

U16ガールズR5では開催国ペルーで唯一のガールズとなったカタリナ・ザリキエイが堅実にヒート勝利。
カナダのオシア・グリーンと共にSF進出を決めた。

「とても驚いているわ。本当に良い波だし、楽しい。自分がSFに進めたことが信じられない。本当に幸せで誇りに思う。チームはとても協力的。全てのペルー人、チームメイト、家族からのサポートに感謝している。ホームで国を代表していることを誇りに思う。最終日は全力を尽くすわ」

U16ガールズのベスト6はゾーイ、カタリナ、オシアの他、オーストラリアのチャーリー・ヘイトリーとルーシー・ダラー。
アメリカのベイリー・ターナー。

U16ボーイズで粘ったブラジリアン

(アヌアル・チア)
Photo: ISA/Jersson Barboza

U16ボーイズでは2名のブラジリアンが残った。

R5のハイエストヒートスコアを出したアヌアル・チアはプンタ・ロカスのライトでクリティカルなバックハンド・アプローチを見せ、7.73を含む、トータル14.06を出した。
彼は2023年に金メダルを獲得したブラジルチームの一員であり、16歳になった今年は個人でより良い結果を確保した。

「SFに進めて嬉しいよ。この波はかなり楽しいね。プンタ・ロカスは故郷のマティニョスに似ている。ブラジルを代表することができてとても幸せ。大きなチームだし、長い選手権だった。いくつかの激しいヒートにも勝った。このヒートを最近亡くなった祖母に捧げたい。彼女は僕がどれほど懸命に戦ってこの場所にいるのかを知っているんだ」

(バスティアン・アレバロ)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

U16ボーイズはもう一人のペルー代表が残った。
リパチャージから復活して快進撃を続けているバスティアン・アレバロはR4、R5共に2位で通過。
SF進出を決めている。

U16ボーイズのベスト6はアヌアル、バスティアンの他、アルゼンチンのティアゴ・パッセリ、ブラジルのパブロ・ガブリエル、オーストラリアのオーシャン・ランカスターとケイデン・フランシス。

大会最終日のスケジュールは以下。
現地時間12月14日6時45分コールの7時(日本時間の同日21時)にスタート予定。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(黒本人志)

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