(R4進出を決めた松野太郎) Photo: ISA/Jersson Barboza

波乗りジャパンは3名が残る!『ISA World Junior Surfing Championship』7日目

現地時間12月12日、大会7日目を迎えたWJSCこと『ISA World Junior Surfing Championship』は前日より更にサイズダウンの公式2-3ftレンジ。

プンタ・ロカスでR4がU18ボーイズ、U18ガールズ、U16ガールズの順番で進行。
レフトのエル・ボスケではU16ボーイズR3が行われた。

国別では前日に単独首位に立ったブラジルが2名敗退したのにも関わらず、U16ボーイズの3名は残り、他の3部門は2名が勝ち上がっており、トップを維持している。

一方で、アメリカは各部門で2名が残り、2位に浮上。オーストラリアはU16ボーイズのオープニングヒートでマックス・マクギリヴレイがインターフェアを犯してしまい、敗退。3位に下がった。

波乗りジャパンは3名が残る

(U16ガールズで唯一勝ち上がっている馬場心)
Photo: ISA/Jersson Barboza

前日の時点で国別5位まで浮上していた日本代表「波乗りジャパン」

この日はU18ボーイズR4で小野里弦がトップ通過を果たした一方、同ヒートの足立海世は3位敗退。
次ヒートでコスタリカ、ハワイ、ポルトガルと強豪国の選手と戦った岡野漣も3位で姿を消している。

U18ガールズR4では松野杏莉が4位、池田美来、高橋結奈は同ヒートに重なり、3位、4位で敗退となった。

(U18ボーイズでR5進出を決めた小野里弦)
Photo: ISA/Sean Evans
(足立海世は19位でフィニッシュ)
Photo: ISA/Sean Evans

池田美来、高橋結奈を倒したのはアメリカのラネア・モンス、フランスのクレマンス・ショルシュで、共に元メダリストの強豪。
少ないチャンスでラネアはヒート最高の波に乗り、6.50を含むトータル11.83をマークした。

「ヒートを戦った全てのガールズが良いサーファーなのは知っていたわ。でも、サーフィンコンテストでは相手が有名だろうとなかろうと、何が起こるかは本当に誰にも分からないのよ。ヒート中の20分間波が止まったり、無名選手がいきなり9点を出したり、トップ選手が崩れたり、何が起こるか分からないし、それは自分にも起こり得ること。だから謙虚に、でもヒートでは強気に全力を出し切るだけ。相手のことはどうにもできないので、ベストを尽くして自分にできることに集中したわ」

トップ通過を果たしたアメリカのラネアはこのようなコメントを残していた。

(アメリカのラネア・モンス)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

U16ガールズR4の馬場心はタヒチ、アメリカ、南アフリカと強豪国の選手を抑えてトップ通過。

U16ボーイズR3の松野太郎はR3で8.50、7.43とハイスコアを重ねてトータル15.93でトップ通過を果たした。
15歳の彼の活躍はISAも注目しており、公式のニュースにも掲載された。

「ヒート通過に超ストークしています、本当に幸せです。エクセレントスコアを出して、とてもストークしています。ヒートが進むにつれて、対戦相手たちもより強くなります。だから自分の最高のサーフィン、そしてそれ以上のものを提供するつもりです。絶対に勝ちたい!」

エル・ボスケのレフトで3ターンコンボからエンドセクションのヒットにも成功した彼のスコアは大会7日目のボーイズのハイエストになった。
WJSC初出場の松野太郎はR4でタヒチ、アルゼンチン、アメリカ代表と戦う。
ファイナルまでは残り3勝となる。

大会7日目終了時点で小野里弦、馬場心、松野太郎と3名が残っている波乗りジャパンは前日より一つランクを下げて国別6位。

メダリストがピンチを切り抜ける

(コロンビアのロメオ・チャベス)
Photo: ISA/Jersson Barboza

プンタ・ロカスで最初に行われたU18ボーイズR4では2人の元U16ボーイズ銀メダリスト、イングランドのルーカス・スキナーとフランスのイニゴ・マディナがオーストラリアのミッチェル・ピーターソン、コロンビアのロメオ・チャベスと対戦。

このヒートはロメオが6ポイント台を2本まとめて主導権を握り、2位争いが白熱した。結果、4ポイント止まりだった二人を抑え、ルーカスが僅差で2位通過を果たすことに成功した。

「海に入る前、心を落ち着かせ、神に祈るためにこの音楽を聴いていた。それで安心したんだ。波は理解していた。自分が波を取れるように相手をもう少し動かさないことも分かっていたよ。神に感謝する。波はまさしく私が見ていた場所に来て、開始時に良い波を捕まえることができた。それが心の安らぎを与えたんだ」

その他、昨年のU16ボーイズの金メダリスト、スペインのディラン・ドネガン。銅メダリスト、アルゼンチンのティアゴ・パッセリも僅差で勝ち上がっている。

(イングランドのルーカス・スキナー)
Photo: ISA/Jersson Barboza

U18ガールズはニュージーランド代表がハイエストを出す

Photo: ISA/Pablo Franco

U18ガールズではニュージーランドのレイア・ミラーがプンタ・ロカスのインサイドでダブルアップしてきたライトの波でスコアを伸ばし、13.64と大会7日目の同部門のハイエストヒートスコアを出して圧勝。

WJSC3度目、最後の大会で過去最高の結果を更新している。

「ヒート前の1時間ずっと波をチェックしていたので、自分が何を狙うべきかはある程度分かっていた。沖に出れば、自分が求めている波、つまり少しダブルアップしてくる波がきっと見つかると信じていたの」

次のヒートではチームメイトのローラ・グルーブがトップ通過。このヒートは中国のジン・シュハンがインターフェアを犯していた。
これで中国はU18ガールズのスーチー・ヤンの1名のみになった。

ニュージーランドはU16ボーイズのビトール・バウアーマンも勝ち上がり、国別では9位になっている。

カナダ代表がU16ガールズのハイエストをマーク

(カナダのオセア・グリーン)
Photo: ISA/Jersson Barboza

U16ガールズではカナダのオセア・グリーンがU18ガールズの敗退から立ち直り、8.67と大会7日目の同部門のハイエストスコアと14.40のハイエストヒートスコアを出し、ハワイのゾーイ・カイナを2位に抑えてR5進出を決めた。

「チーム全員とのこのイベントを愛している。私のお気に入りの一つであり続けているわ。何故なら、皆が共に全ての冒険をしているからよ。とても楽しいわ。みんな本当に良い友達なの。皆で一緒にイベントを戦い、応援することが楽しい。今回の一番の収穫は、とにかく波に乗り続けなきゃいけないってこと。最初の数ヒートでは、そこが一番の反省点だった」

大会8日目のスケジュールは以下。
現地時間12月13日6時45分コールの7時(日本時間の同日21時)にスタート予定。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(黒本人志)

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