現地時間10月30日、フィリピンのシャルガオ島にあるクラウド9で1週間に渡って開催されたQS6,000『Siargao International Surfing Cup』が終了。
今イベントはQS1,000から始まり、3,000、5,000と年々グレードアップして遂に今年は最高の6,000になった。
オーストラリア/オセアニアリージョナルとの併催で、CSクオリファイに重要な1戦。
序盤にはレジェンド、今年で55歳になるクリスチャン・フレッチャーがヒートを戦ったことが話題になっていた。
ブロンソン・メイディがQS初優勝

PHOTO: © WSL/Cait Miers
期間中はハイパフォマーンスな波に恵まれ、ファイナルデーは公式3-4ftレンジ。
朝はクリーンなフェイスから始まり、日中は少し風の影響が入っていた。
メンズサイドはインドネシアのブロンソン・メイディとオーストラリアのベン・ローレンソンがファイナルを争い、6.50と8.83を重ねたブロンソンが優勝。
ジュニアでは敵なしのブロンソン、20歳以下の世界一を決めるWJCこと『World Junior Championships』でも2025年のフィリピン開催でタイトルを獲得しているが、QSでは初優勝。
アジアリージョナルのランキングも一気に3位まで浮上している。
「信じられない。凄いファイナルだったね。自分向きの波だったけど、波数は少なかった。運が良かったんだ。ベンが8ポイントを出した時、“今すぐ一本決めなきゃ”って思ってた。その後にセットが入り、8.8を出せた。自分が勝つ時って、いつもフィリピンなんだよね。本当に最高の場所で大好きだよ」




QF、SFと続けて高さのあるアーリーウープで限りなく10ポイントに近いスコアを出していたブロンソン。
今年からチャレンジしているCSはまだ9位止まりと伸び悩んでいるが、まだ21歳。
インドネシアで二人目のCT選手誕生も近いだろう。
なお、2位のベンも20歳と若く、正確なバックハンドを武器にQF、SFと9、8ポイントのハイスコアを重ね、初のメジャーイベントでのファイナル進出。
ランキングでも10上げて4位まで浮上している。

10代対決を制したジギー・アロハ・マッケンジー

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ウィメンズサイドはジギー・マッケンジー、アイラ・ハパッツのオージー対決。
ジギー17歳、アイラ18歳とまだジュニア枠の選手が6,000で結果を残すほどオーストラリアは層が厚い。
ファイナルはミドルスコア勝負となったが、後半にバレルをメイクして7.50を出したジギーが1ポイント以上の差をつけてQS初優勝。
ランキングも4位に浮上している。
「この大会は楽しむ気持ちで臨もうって決めていたの。誰もいないクラウドナインでサーフィンできるなんて最高だし、今は本当に信じられないくらい嬉しくてハッピーよ。アイラは親友の一人で、本当に最高のサーフィンをしていたから、自分もベストを尽くさなきゃと思った。最初は少し緊張したけど、最後にあの小さなチューブを抜けられて逆転できたのが本当に嬉しい」


幼少期の多くをバリ島で過ごし、その後ゴールドコーストへ拠点を移しているジギー。
2024年のISAワールドジュニアではU-16のタイトルを獲得。
ステファニー・ギルモア、タイラー・ライトという偉大なサーファーに並び、オーストラリアの国別金メダルに大きく貢献した。
QS経験は浅いものの、すでにCSクオリファイ圏内という天才型の選手。
すでにビッグスポンサーもついており、次世代オージーを代表するサーファーに成長している。
11月もCSクオリファイに重要なイベントが続く

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今後予定されているQSイベントの中でも11月5日〜11日に台東・金樽漁港で開催されるQS6,000『Taiwan Open of Surfing』、11月17日〜22日にフィリピンで開催されるQS4,000『Baler International Pro QS4000』はCSクオリファイに重要。
ここでランキングが動く可能性も十分にある。
現在のランキングでは小林桂がカレントリーダー。
今回QFに残った鈴木仁、安室丈、渡邉壱孔が5位、7位、10位。
他に金沢呂偉、須田喬士郎と6名の日本人がトップ10に入っている。
ウィメンズは中塩佳那がカレントリーダー。
今回QFに残った池田美来、佐藤李が4位、10位。
他に松岡亜音、鈴木莉珠、野中美波、都築虹帆、脇田紗良、松田詩野、川瀬心那と日本人がトップ10を独占。
アジアリージョナルからのCSクオリファイの条件は男子6名、女子4名の枠。
その他、ワイルドカード各1名の予定。
現在のランキングを考慮すると特にメンズは新しい日本人選手がCS入りする可能性がある。
特に小林桂と若い渡邉壱孔は注目株だろう。

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『Siargao International Surfing Cup』結果
1位 ブロンソン・メイディ(IDN)
2位 ベン・ローレンソン(AUS)
3位 ハーレー・ウォルターズ(AUS)、トム・ウィットペイン(AUS)
5位 鈴木仁(JPN)、デーン・ヘンリー(AUS)、安室丈(JPN)、渡邉壱孔(JPN)
ウィメンズ
1位 ジギー・マッケンジー(AUS)
2位 アイラ・ハパッツ(AUS)
3位 チャーリー・ハースト(AUS)、ウィロー・ハーディ(AUS)
5位 タイラ・グリーン(NZ)、池田美来(JPN)、佐藤李(JPN)、チャーリー・ヘイトリー(AUS)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/


(黒本人志)





























