現地時間10月24日、2025年のLT第3戦目となる『Surf Abu Dhabi Longboard Classic』がケリー・スレーターのウェーブプール「サーフランチ」のテクノロジーを利用した「Surf Abu Dhabi」で開幕!
コンテストは3日間で行われ、初日はウィメンズのみでOpening Roundと敗者復活戦となるR2が進行。
Opening Roundは4人ヒートで各選手が順番にライトとレフトを2本ずつ乗り、ベスト2スコアの上位1名のみがラウンドアップ。
R2はOpening Roundのスコアで上位6名が進出、リーダーボード形式でライトとレフトを1本ずつ乗り、ベスト1スコアの2名のみが勝ち上がるフォーマット。
2日目はメンズが同じ形で進行してファイナルデーはウィメンズ、メンズ共にQFからファイナルまで行われる。

田岡なつみがファイナルデー進出

2024年はベルズで2位、カリフォルニアで3位、アブダビで5位とコンスタントな結果を重ねてチャンピオンシップ進出の世界ランキング5位になった田岡なつみだが、2025年はカリフォルニアで9位、ベルズで17位と良い結果を残せていなく、現在ランキング15位。
チャンピオンシップ進出の条件である8位以内に入るには、アブダビでの上位が必至である。
Opening Roundでは「Surf Abu Dhabi」初体験の吉川広夏と同ヒートに重なり、安定したノーズライドでライトは7ポイント台、レフトは6ポイント台をスコア。共に2本目にバックアップスコアを伸ばす理想的な形でトータル13.57。
2位のメイソン・シューマー(USA)に1ポイント以上の差をつけてトップ通過を果たした。



「ナーバスにならずに楽しめました。最初の波で7ポイントを出せたのが良かったです。あの波でリズムを掴めました。勝てて嬉しいです。今年は良い結果を出せていないけど、そのことを考え過ぎないようにこの完璧な波を楽しみたいです。この完璧な波でまた戦えるチャンスがあるのが嬉しいです」
「日本で応援してくださっているみなさん、ありがとうございます。1位通過することができて、ジャンプアップして日曜日に駒を進めることができました。次の試合も頑張ります。応援宜しくお願いします」
なお、吉川広夏は今大会を17位でフィニッシュしたが、ベルズでの2位が大きく、現在ランキング3位。
エルサルバドルでのチャンピオンシップ進出はほぼ確実だろう。

PHOTO: © WSL/Max Physick



アヴァロンとホノルアのハイスコアゲーム

PHOTO: © WSL/Max Physick
田岡なつみのコメントの通り、「Surf Abu Dhabi」の波は完璧。
ケリー・スレーターが創った500mの奇跡はロングボード には少し難しい感じもするが、Opening RoundのH3ではアヴァロン・ガル(USA)とホノルア・ブロムフィルド(HAW)が長いノーズライドで8ポイント、9ポイント台のハイスコアゲームで圧倒した。
このヒートは9.33を出したアヴァロンが勝利して、「ホノのサーフィンが大好き。彼女と一緒にサーフィンできるのは本当に楽しいし、私の中でもお気に入りのサーファーの一人なの。特にプランは立てず、何も考えずにただサーフィンしていただけよ」とコメントを残した。
今シーズン、カリフォルニアで優勝してベルズでは3位。
ランキング2位とキャリア最高のシーズンを送っているカリフォルニア出身のアヴァロン。
次のQFでは、ディフェンディングチャンピオンのアリス・レモーン(FRA)と対戦する。
まだ22歳と若い彼女は今大会を欠場したソレイユ・エリコ(USAからトップを奪える唯一の存在。
それにはファイナル進出が条件となる。


PHOTO: © WSL/Max Physick


17.00と驚異的なスコアを出しながらもヒート2位になったホノルアは、R2でロングボードでは難しいバレルもメイクして9.80とパーフェクトに近いライディングでQF進出。
今年4月に長男レインを出産したばかりの彼女は出産後初のQF進出を果たした。
ホノルアは昨年の同イベントで3位、2021年にサーフランチで開催された『Cuervo Surf Ranch Classic』ではスイッチスタンスまで披露して優勝とウェーブプールを得意とする選手。
初日の調子を見ても優勝候補の筆頭と言えるだろう。
また、井上楓は7.00、6.17のトータル13.17と健闘してR2進出。
R2では5位となり、今大会を9位でフィニッシュした。

PHOTO: © WSL/Max Physick

トップシードが支配

PHOTO: © WSL/Max Physick
QF進出を決めた8名の内、5名がトップシードの選手。
オープニングヒートでは現在ランキング4位のクロエ・カルモン(BRA)がフロントサイドとなるレフトで7.50と8.50をスコア。
ライトは1本目でワイプアウトしたが、2本目は7.17と挽回してトータル15.67で圧勝した。
「とてもワクワクする大会ね。新しい戦略が必要で、これまでとは違うサーフィンの“ゲーム”みたい。最初の波で転んでしまって、そこから一気に緊張したわ。気持ちを切り替えて、ただ楽しもうと決めたの。この素晴らしい波で初めてサーフィンできるチャンスを心から楽しんだ。練習してきたことを出せて、自分らしく楽しめたことが一番嬉しいわ」




PHOTO: © WSL/Max Physick

H4では現在ランキング5位のケリス・カレオパア(HAW)は、ディフェンディングチャンピオンのアリス・レモーン(FRA)とのカードを僅差で勝ち上がった。
1本目のライトでワイプアウトしたケリスに対してアリスは全てのライディングが安定しており、まずはライトで7.83、レフトで6.90を重ねて主導権を握っていた。
しかし、ケリスは2本目のライトで7.43と持ち直し、次のレフトでは8.23をスコア。僅か0.23ポイント差で逆転してQFに進んだ。
「昨年優勝したアリスとのヒートは、難しい戦いになると思っていたわ。何度も限界まで自分を追い込んだ。最後まで諦めずに自分を信じたことが勝利に結び付いたと思う。これまでの経験が今の自分を作ってくれたと思うし、家族や友人、母、ボーイフレンドなど、最高のサポートチームがいてくれることに感謝している。R2行きになると厳しかったので、勝てて最高に嬉しい」
なお、アリスはR2で8.00をスコアしてホノルアと共にQF進出を決めている。

PHOTO: © WSL/Max Physick


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現在ランキング6位で、昨年のワールドチャンピオンでもあるレイチェル・ティリー(USA)はH5でレフトの波に苦戦しながらも勝利。
1本目のライトで8.00を出したが、レフトは4.40と伸び悩み、2本目のライトでナタリア・ヴンダーリッヒ(HAW)にトップを奪われる場面もあった。
2本目のライトで8.77とスコアを伸ばしたレイチェルはレフトで4.73を出し、0.24ポイント差でトップを奪い返した。
「練習の時からレフトの波で良い感触を掴んでいたので、どう乗るかは頭に描けていたわ。ナタリアが良い波でスコアを出し、あと少しのスコア必要になった。それを聞いた瞬間、心臓がバクバクして、自分も家族もドキドキさせちゃったわ(笑)。勝てて本当にホッとしている。ライトでは思い切り楽しめたし、良いスコアが出て嬉しい」
大会2日目は現地時間10月25日朝8時(日本時間同日13時)にメンズのOpening Roundから開始予定。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
Surf Abu Dhabi Longboard Classic Women’s Quarterfinals Matchups:
HEAT 1: Rachael Tilly (USA) vs. Tully White (AUS)
HEAT 2: Avalon Gall (USA) vs. Alice Lemoigne (FRA)
HEAT 3: Chloe Calmon (BRA) vs. Natsumi Taoka (JPN)
HEAT 4: Kelis Kaleopaa (HAW) vs. Honolua Blomfield (HAW)
Surf Abu Dhabi Longboard Classic Women’s Round 2 Results:
1 – Honolua Blomfield (HAW) 9.80
2 – Alice Lemoigne (FRA)
—————-
3 – Emily Lethbridge (AUS) 7.17
4 – Natalia Wunderlich (HAW) 6.77
5 – Kaede Inoue (JPN) 6.40
6 – Ophelie Ah-Kouen (FRA) 2.33
Surf Abu Dhabi Longboard Classic Women’s Opening Round Results:
HEAT 1: Chloe Calmon (BRA) 15.57 DEF. Ginger Caimi (ITA) 9.73, Crystal Hulett (RSA) 9.10, Sive Jarrard (ASM) 8.40
HEAT 2: Natsumi Taoka (JPN) 13.57 DEF. Mason Schremmer (USA) 12.27, Hiroka Yoshikawa (JPN) 8.54, Coral Sallas (USA) 5.67
HEAT 3: Avalon Gall (USA) 17.16 DEF. Honolua Blomfield (HAW) 17.00, Kaede Inoue (JPN) 13.17, Justine Dupont (FRA) 11.64
HEAT 4: Kelis Kaleopaa (HAW) 15.66 DEF. Alice Lemoigne (FRA) 15.43, Kirra Molnar (AUS) 10.46, Malia Ilagan (USA) 10.04
HEAT 5: Rachael Tilly (USA) 13.50 DEF. Natalia Wunderlich (HAW) 13.26, Cash Hoover (USA) 12.34, Luana Soares (BRA) 11.86
HEAT 6: Tully White (AUS) 15.66 DEF. Sophia Culhane (HAW) 12.73, Emily Lethbridge (AUS) 12.40, Ophelie Ah-Kouen (FRA) 10.70
Surf Abu Dhabi Longboard Classic Men’s Opening Round Matchups:
HEAT 1: Taylor Jensen (USA) vs. Edouard Delpero (FRA) vs. Jomarie Ebueza (PHL) vs. Jefson Silva (BRA)
HEAT 2: Max Weston (AUS) vs. John Michael Van Hohenstein (HAW) vs. Steven Sawyer (RSA) vs. Ignacio Pignataro (URY)
HEAT 3: Kai Ellice-Flint (AUS) vs. Taka Inoue (JPN) vs. Oliver Packham (RSA) vs. Kai McPhillips (USA)
HEAT 4: Kevin Skvarna (USA) vs. Kai Sallas (HAW) vs. Ben Skinner (GBR) vs. Sam Christianson (RSA)
HEAT 5: Rogelio Jr Esquievel (PHL) vs. Kaniela Stewart (HAW) vs. Chase Lieder (USA) vs. António Dantas (POR)
HEAT 6: Declan Wyton (AUS) vs. Cole Robbins (USA) vs. Clinton Guest (AUS) vs. Tony Silvagni (USA)
(黒本人志)























