(見事にファイナルデーに繋いだ都築虹帆)Photo: ISA/Pablo Franco

都築虹帆がファイナルデーに残る!『2025 ISA World Surfing Games』8日目

現地時間9月13日、エルサルバドルで開催中の『2025 ISA World Surfing Games』はいよいよラスト2日。
この日も会場はラ・ボカナのみで、前日よりサイズアップした公式3-5ftレンジのクリーンなコンディション。

メインラウンドはメンズのみR6が行われ、リパチャージラウンドが一気に進行。
メンズはR9からR11、ウィンメンズはR8、R9が行われ、ファイナルデーを戦う12名が決定した。

12名の内、サリー・フィッツギボンズ、ヨランダ・ホプキンス、カウリ・ヴァーストの3名以外はWSGの自己最高記録を更新している。

また、国別団体ランキングではメインラウンドに4名残っているオーストラリアがトップを独走。
2位はペルー、3位はフランス、4位スペイン、5位アメリカと続き、日本は9位。

都築虹帆がファイナルに王手

Photo: ISA/Jersson Barboza

日本代表、波乗りジャパンの最後の砦、都築虹帆は前日のメインラウンドR5でハイスコアを出しながらバックアップが足りずにリパチャージR8行きとなっていたが、見事に2ラウンドを勝ち抜き、リパチャージR10進出。
このラウンドを勝てば次はグランドファイナルになる。

リパチャージR8では6.77を持ちながらバックアップが足りずに3位に追い込まれていたが、残り2分を切って得意のレフトにテイクオフ。
パワフルなトップターンからインサイドまで繋いで綺麗にフィニッシュ、笑顔を見せたこのライディングに5.73がコールされ、トータル12.50で2位に浮上。
ペルーのダニエラ・ローサス、ブラジルのソフィア・メディナを抑えてR9へ。

R9はスペインのハニレ・ゴンサレス・エチャバリ、ペルーのソル・アギーレ、アメリカのエデン・ウォーラとのカード。
ここでもレフトに絞り、序盤に4.00をスコア。バックアップを伸ばせず、後半は4位に追い込まれていたが、ニード5.74のシチュエーションで残り6分を切ってからセットのレフトを掴み、1本目を確実に上回るターンの連続で6.93を出し、2位に浮上。ソルとエデンを抑えてラウンドアップを決めた。

Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Jersson Barboza

団体金メダルをほぼ確定させたオーストラリア

Photo: ISA/Pablo Franco

ファイナルデーに4名残り、2位のペルーに1,000ポイント以上の差を付けてトップを独走するオーストラリア。

メンズはメインラウンドR7に元CT選手のモーガン・シビリックと2024年のISAジュニアでU18ボーイズを制したデイン・ヘンリー。
ウィメンズはメインラウンドR6にディフェンディングチャンピオンのサリー・フィッツギボンズ、エリー・ハリソンが進んでいる。

オーストラリアはWSGで過去に5度の国別の金メダル、メダル数の合計15を獲得してWSG歴代トップに立っている強豪。
今年は2011年以来の金メダルがほぼ確実になっている。

(デイン・ヘンリー)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
Photo: ISA/Sean Evans

メインラウンドR6でフランスのジョルガン・クズィネ、ペルーのアロンソ・コレアを相手に大きなレイバックを披露して8.00をスコアしたデインは6.50のバックアップを重ねてトータル14.50でトップ通過。
このヒートではジョルガンが2位で次に進み、アロンソはリパチャージで敗退している。

「これまでで一番緊張したヒートだった。ジョルガンやアロンソは例えヒートの最初に8ポイントを出しても安心できない相手。彼らも8ポイントを出してきたからね。ジョルガンがスコアを出したように、バックアップも必要。勢いというものは本当に凄いよ。まだ大会には4名残っている。全員メインラウンドで、まだ悪いヒートを経験していない。雰囲気は良く、みんなのエネルギーも高まっているよ。明日も全力を尽くしてやり遂げたい」

(モーガン・シビリック)
Photo: ISA/Jersson Barboza

デインの前のヒートではモーガンが安定感あるレールワークでトータル14.67でトップ通過。
2位争いはフランスのカウリ・ヴァースト、ブラジルのドゥグラス・シルヴァの間で繰り広げられ、残り40秒でニード5.53のシチュエーションで6.40を出して逆転に成功した。
パリ五輪の金メダリストでもあるカウリはチョープー以外でなかなか結果を出せていないが、WSGでは出場するごとに成績を向上させており、2023年は5位、2024年は銅メダルを獲得している。

(フランスのカウリ・ヴァースト)
Photo: ISA/Jersson Barboza

オーストラリア、フランス以外の一人だけ残った選手

(スペインのハニレ・ゴンサレス・エチャバリ)
Photo: ISA/Jersson Barboza

ファイナルデーはオーストラリアが4名、フランスが2名と複数の選手が残った以外、スペイン、ポルトガル、ペルー、ブラジル、モロッコ、日本の6名が国の代表として一人残った選手となり、仲間の熱い応援を背負いながらファイナルデー挑むことになる。

スペインのハニレ・ゴンサレス・エチャバリは都築虹帆と同じくリパチャージを2ラウンド勝ち上がり、リパチャージR10に進出。
20歳のオリンピアンはラ・ボカナのレフト、ライト両方を乗りこなし、特にR8ではライトでの強烈なバックハンドで7.43を出して勝負を決めていた。

「とても嬉しいわ。自分の気持ちを言葉で表せないくらい。昨日はメインラウンドで負けて少し落ち込んで、自信もなかった。でも今日のヒートを終えて、『今が自分の時だ、見せなきゃ』と思ったわ。ただサーフィンを続けて、もっともっと楽しみたい」

(ブラジルで唯一残ったドゥグラス・シルヴァ)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

前回大会の団体金メダル国であるブラジルはリパチャージR12にドゥグラス・シルヴァの一人だけが残った。
この日は2ラウンドをトップ通過で勝ち上がり、残りヒートの勝利でファイナルに届くことになる。

「ブラジル代表で唯一残っているけど、皆が一緒にいるような気持ちで、光栄に思う。チームの一体感を見るのは素晴らしいことで、負けた人も勝った人も関係なく、皆がお互いを応援してくれる。国旗への愛と熱気が強く伝わってくるよ」

コンテスト最終日の9月14日は朝7時(日本の同日22時)に再開予定。
ラ・ボカナでメンズメインラウンドR7からスタートする。
スケジュールは以下。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(アメリカ代表はファイナルデーに残れず)
Photo: ISA/Pablo Franco

(黒本人志)

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