9月14日のファイナルデーまで残り僅か。
『2025 ISA World Surfing Games』は現地時間9月12日に大会7日目を迎え、メインラウンドはウィメンズのみR5が進行。
リパチャージはメンズがR5からR8、ウィメンズはR7が進行した。
国別ランキングでは前日まで同率だったペルーを抜き、オーストラリアが単独トップに立った。
3位はアメリカ、4位にブラジル、5位がスペイン。
日本は9位に浮上している。
都築虹帆がハイスコアを出しながらもリパチャージ行きに…

Photo: ISA/Sean Evans
大会7日目はラ・ボカナだけで進行。
期間中最もウネリが弱まり、波数も少なかった。
日本代表、波乗りジャパンの最後の砦、都築虹帆はメインラウンドR5でオーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、スペインのハニレ・ゴンサレス・エチャバリ、オーストラリアのエリー・ハリソンと対戦。
風の影響も入ってしまい、ポテンシャルがある波が少なく、20分ヒートの残り10分を切っても都築虹帆はノーライド。他3名は1本しか乗れず、序盤は7.17のエリー、6.50のサリーがリードしていた。
都築虹帆はプライオリティを持って一人離れた場所で波を待ち、ラスト2分で得意のレフトにテイクオフ。大きく完璧なファーストターンからフィニッシュまで決めてこの日のハイエストスコアとなる8.17を出したが、他選手は2本以上すでに乗っており、トータルでは引き離されていた。
ニード5.17と逆転可能ではあったものの、都築虹帆は2本目に乗るチャンスがなく、4位でリパチャージR8行きとなった。
リパチャージR8ではペルーのダニエラ・ローサス、ブラジルのソフィア・メディナ、アメリカのエデン・ウォーラとのカード。
リパチャージはR10まであるので、3ヒート勝てばファイナルに進める。

ディフェンディングチャンピオンのサリーが6度目のファイナルまで残り1ヒート

Photo: ISA/Pablo Franco
都築虹帆のヒートでトップ通過を果たしたサリーはディフェンディングチャンピオンでもある。
WSG史上最多の4度の金メダルを獲得してワールドジュニアの金メダルも持っている彼女はISAの女王とも呼ばれている。
今年も安定したスコアメイクで勝ち上がり、次のR6を勝てば6度目のファイナル進出となる。
「ラインナップにいる時は、本当に落ち着いているように見せるのよ。アウトに出たら警戒しつつも慌てずに、20分間を上手に活用し、良い判断を下すことが大切。良いパフォーマンスを発揮し、攻め続け、ライディングを完遂する。戦略も完璧である必要がある。2人のオーストラリア人選手が勝ち進めたのは、嬉しかったわ。私たちはとても興奮している。そして、また次のチャンスがやってくるわ」
オーストラリアはメンズもモーガン・シビリック、デイン・ヘンリーの二人がメインラウンドを勝ち進んでおり、リパチャージはウィンメンズのミラ・ブラウンがR9進出を決めている。

唯一残ったアルゼンチンの一人

波数が少なかったこの日は都築虹帆と同じケースで良いパフォーマンスをしながらも敗退した選手が多かった。
リパチャージR7を戦ったオーストラリアのカラム・ロブソンは8.93と大会4番目のスコアを出しながらもバックアップが伸ばせずに3位で敗退。
メキシコのセバスチャン・ウィリアムズ、ポルトガルのフレデリコ・モライス、アメリカのルーク・グイナルドも同様だった。

Photo: ISA/Pablo Jimenez


一方、リパチャージR8ではスペインのルベン・ビクトリア、アルゼンチンのフランコ・ラジアナスがハイスコアを出して勝利。
アルゼンチンで残っている唯一の選手となったフランコは終了間際に8.60を出して逆転に成功した。
「最初は上手くいかなかった。岸から見ていたような波が見つけられなかったんだ。逆転には7ポイント台後半のスコアが必要だった。自分ならできると思ったよ。そして最後の波が来て、成功したのさ。本当に嬉しい。最高だよ」
スウェーデンのキアン・マーティンが自国の記録を更新

出場している61カ国の中には6人フルの選手を揃えられない国も多数ある。
スウェーデンはメンズ3人のみでウィメンズの出場はないが、キアン・マーティンが快進撃を続け、メインラウンドのR5に進出。
残念ながら敗退したものの、リパチャージR8でトップ通過を果たし、R9に進出を果たしている。
「このまま勝ち続けたい。まだ力を残しているような気がするので、もっと大きな結果を出せたら良いね。どのヒートもファイナルみたいだよ。ここにいるのは世界最高のサーファーたちだから、彼らと一緒にいられることが嬉しい。彼らが最高の力を引き出してくれるんだ」

インドネシアのバリ島で育ったキアンはWSLのアジアリージョナルに出場しており、いくつかの結果も残している。
2021年以来となるWSG出場で、前回大会で自国が記録した成績を塗り替えることに成功。
スウェーデン初のオリンピックサーファーになるという目標を固く心に抱いている。
ちなみにチームメイトのグレイソン・グラントはカリフォルニア生まれ、マイロ・シャニはイスラエル生まれと世界中からスウェーデン代表として集まった形だ。
「僕たちはスウェーデンを代表するいくつかの異なる国籍の選手で構成されている。だから、あらゆる場所から少しずつ集まっているんだ。初めて会った日から、僕たちはお互いに大きな愛とサポートを与え合ってきた。聞きたいことはすべて聞かせてもらっているし、僕が与えられることはすべて与えようと努めてきた。お互いを励まし合うという意味で、できる限りのことをね。それがチームのあるべき姿だと思うし、これ以上ない最高のチームを持てて、最高に幸せだよ」
コンテスト8日目の9月13日は朝7時(日本の同日22時)に再開予定。
ラスト2日、エル・スンザルは使用されず、ラ・ボカナだけで進行する。
スケジュールは以下。
ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/


(黒本人志)