(初日の主役になった真っ赤な西慶司郎)Photo: ISA/Pablo Jimenez

真っ赤な西慶司郎が初日の主役に!『2025 ISA World Surfing Games』

現地時間9月6日、エルサルバドルを舞台とした『2025 ISA World Surfing Games』がスタート!

初日はライト・レフト共にあるラ・ボカナでメンズR1の48ヒート中、24ヒート。ライトのポイントブレイク、エル・スンザルでウィメンズR1の32ヒート中、24ヒートが進行した。
公式4-6ftレンジから8ftのセットが入るビッグデーとなった。

真っ赤な西慶司郎

Photo: ISA/Pablo Jimenez

初日は日本代表、波乗りジャパンの6名の内、4名に出番があった。

まず、西慶司郎はH10でバルバトス、バハマ、アンゴラ代表を相手に最大のセットを掴み、深いボトムターンからのパワフルなターン、クローズセクションも決めて2ターンで8.67をスコア。
トータルでも15.84とリーダーボードのトップを独占して圧勝した。

初日にメンズで8ポイント台を出したのは彼だけで、トレードマークのレッドヘアにサーフボードも赤。
コンテストジャージも赤と真っ赤な西慶司郎が主役になった1日だった。

「最高に楽しい波でした。ヒート前にコーチの田中樹さんと話していて、主にレフトを狙おうと決めていました。良い波に乗れて良かったです。自分のサーフィンをしようと心掛け、ヒートに勝てて嬉しいです」

Photo: ISA/Sean Evans
Photo: ISA/Sean Evans

ウィメンズはH15の都筑有夢路がウィメンズでは3番目のスコアとなる7.43を出してトータル11.53でトップ通過。
イタリア代表と共にR2進出を決めた。

中塩佳那、都築虹帆はH19で同カードとなり、中塩佳那が7.33を含むトータル9.50でトップ通過。
バックアップスコアを伸ばせず、都築虹帆は3ポイント止まりと難しいヒートだったが、ワンツーフィニッシュで切り抜けた。

メンズ二人のヒートは翌日に持ち越し。
稲葉玲王はH38、大原洋人はH42。

(中塩佳那) Photo: ISA/Jersson Barboza
(都築虹帆)
Photo: ISA/Jersson Barboza
(都筑有夢路)
Photo: ISA/Pablo Franco
Photo: ISA/Pablo Franco
Photo: ISA/Pablo Franco
Photo: ISA/Pablo Franco

オリンピアンが活躍

(サリー・フィッツギボンズ) Photo: ISA/Jersson Barboza

61カ国・地域から過去最多となる297名の選手の中には東京五輪、パリ五輪に出場した22人のオリンピアンが含まれている。

ウィメンズのR1H12ではオーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、中国のスーチー・ヤン、エクアドルのドミニク・バロナと3人のオリンピアンが同ヒートに重なり、タイ唯一の代表、イザベル・ヒッグスが3人に立ち向かった。

サリーはWSGで4度も金メダルを獲得したISAの女王で、ドミニクはWSGに16度も出場して2度の銀メダルを獲得した。
16歳のスーチーは当時14歳の最年少でパリ五輪に出場して大きな話題となった選手である。

(スーチー・ヤン) Photo: ISA/Jersson Barboza

このヒートは共に34歳で東京五輪に出場したベテランのサリーとドミニクが勝ち上がり、スーチーとイザベルが敗者復活戦行きに…。

その他、都筑有夢路、ペルーのアロンソ・コレア、ソル・アギーレ。ポルトガルのヨランダ・ホプキンス、チリのマヌエル・セルマン、スペインのハニレ・ゴンサレス・エチャバリ、ナディア・エロスタルベ。アルゼンチンのレアンドロ・ウスナ、ニカラグアのカンデラリア・レサノ、ドイツのカミラ・ケンプ、イスラエルのアナット・レリオールがR2進出を決めている。

中でもスペインのハニレは8.00とウィメンズで唯一の8ポイント台を出し、ポルトガルのヨランダはトータル14.34とハイエストヒートスコアを出していた。
ヨランダは2021年にエルサルバドルで開催されたWSGで銀メダルを獲得したことが、2度目のオリンピック出場に繋がっていた。

「今年は凄く調子が良いわ。このWSGで優勝したい。これまで何度か惜しいところまで行っているので、本当にそう願っている。サーフィンを始めた頃の夢は、WSLでワールドチャンピオンになることだった。でも、このオリンピックという可能性が2021年にここエルサルバドルで出場権を獲得した時に、思いがけずやってきて私の人生は完全に変わったの。それまで何の支援もなかったけど、オリンピックはとても大きなことなので、サーフィンに多くの注目が集まったのだと思う。そして、主要なスポンサーを獲得。今はとても恵まれていて、最初のオリンピックのおかげでこの数年間、好きなことを続けることができているの。オリンピックに出場したことで、私のキャリアは安定し、次のレベルへと進むことができた。これは本当に本当に重要なことだったと思う」

(ヨランダ・ホプキンス) Photo: ISA/Jersson Barboza

ディフェンディングチャンピオンのブラジルが苦戦

(ドゥグラス・シルヴァ) Photo: ISA/Pablo Jimenez

パリ五輪出場に関係した前回のWSGではガブリエル・メディナ、フィリッペ ・トレド、ヤゴ・ドラ、タティアナ・ウェストン・ウェブ、ルアーナ・シルヴァと最強の布陣で見事に団体金メダルを獲得したブラジル代表。

オリンピックに直接関係ない今回は新しいメンバーを揃えているが、R1ではドゥグラス・シルヴァだけがトップ通過。
ソフィア・メディナ、ルーカス・シルベイラ、ローラ・ラウップは2位通過で、ジュリアナ・ドス・サントスは敗者復活戦行きとなった。
元CT選手のマイケル・ロドリゲスのヒートは翌日に持ち越された。

エネルギッシュなベテラン

(レアンドロ・ウスナ) Photo: ISA/Sean Evans

ウィメンズのサリー、ドミニク然り、ベテラン勢の活躍が目立つWSG。

メンズサイドでは2014年と2016年のWSGで金メダルを獲得した37歳のレアンドロ・ウスナが16回目のWSG出場を勝利で飾った。
オリンピアンでもある彼は世界で自国を代表することを楽しんでおり、若い選手よりもエネルギッシュである。

「サーフィンが大好きなんだ。サーフィンが大好きだし、大会は短い期間で自分のベストを引き出してくれる。だから、すべてを賭けて臨まないといけない。アクティブでなければならないし、若手たちに何ができるか見せなきゃいけない。ここに15年もいるんだ。アルゼンチンを代表することが大好きで、電話1本でいつでも参加するよ」

コンテスト2日目の9月7日は朝7時(日本の同日22時)に再開予定。
ラ・ボカナでメンズR1、エル・スンザルでウィメンズR1の残りヒートが行われる。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

Photo: ISA/Pablo Franco

(黒本人志)

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