現地時間8月2日、全7戦で争われる2025/2026のCS第3戦『Lexus US Open of Surfing』が前日より更にサイズアップした公式3-5ftレンジのハンティントンビーチで進行。
ウィメンズのRound of 32の残りヒートの後、メンズRound of 32、ウィメンズRound of 16、メンズRound of 16の順で全て4人ヒートで行われ、ファイナルデーを戦うベスト8が決定。
2015年のチャンピオン、大原洋人と2017年、2018年にかけて2連覇を達成した五十嵐カノアがQF進出を決めた。
QF以降はマンオンマンになる。
大原洋人&五十嵐カノアがQF進出!

まず、メンズRound of 32では五十嵐カノアがハンティントン名物のピア潜りまで披露して、このラウンドのハイエストヒートスコアとなる15.73で圧勝。
同ヒートのイアン・ゴーベイア(BRA)が唯一の9ポイントを出すなどエキサイティングなヒートになった。
大原洋人と加藤翔平は同ヒートに重なり、大原洋人がトップ通過を果たした一方、CS1年目の加藤翔平は4位で敗退。
このヒートはCT選手のアラン・クリーランド(MEX)、南アフリカ戦を制したルーク・トンプソン(RSA)が入り、特に終盤はルークがエアーリバースをメイクして巻き返すなど目まぐるしい展開だった。
西慶司郎、アジアリージョナルトップでCS入りしたブロンソン・メイディ(IDN)はこのラウンドで敗退。
朝の内にRound of 32の残りヒートを戦った17歳、CS1年目の池田美来も敗退。
17位でフィニッシュとなった。


風の影響が強まる傾向の中で進行したメンズRound of 16。
カノアはディミトリ・プーロス(USA)、オスカー・ベリー(AUS)、ザビエル・ハクスタブル(AUS)を相手に7.33を含むトータル13.60で勝利。
幼い頃からサーフィンしているハンティントンビーチのセクションを知り尽くしているカノアらしい勝ち方だった。
「ここで競技するのが大好きなんだ。ピアに掲げられた自分のバナーに『Kanoa HB Til We Die(ハンティントンビーチで一生カノアを応援するよ)』って書いてあって、その気持ちそのものです。ここで育ち、学校も通った。学校の先生や校長たちが、サーフィンを続けるための土台を与えてくれたんだ。この波は特別で、難しい波。プライオリティを持って自分のベストウェイブ2本を掴めて、運良く結果につながったよ」
カノアはQFでブラジリアンで2023年前半までCTにいたブラジリアンのマイケル・ロドリゲスと対戦する。



昨年の南アフリカ戦以来のQF進出をかけて戦った大原洋人はケイド・マトソン(USA)、マイキー・マクドナ(AUS)、カルロス・ムニョス(CRI)を相手に後半まで1本しか乗れず、4位に追い込まれていたが、じっくりと選んだ波で6.27を出して勢いに乗ると、すぐに6.87を重ねてトータル13.14でトップ通過を果たした。
「ヒートのスタートは厳しかったです。11、12分まで波に乗ることができなかったです。波に乗って5、6ポイント出せれば完璧だという心構えでした。残り6、7分で波に乗ることができて、次の波にも乗ってスコアを出して通過することができました。最初の波でミスをしても、そんなにナーバスではなかったです。今日の午後は凄い難しい波だったけど、2本波に乗れて嬉しいです」
日本語では「ここで10年ぶり。久しぶりに表彰台に上がりたいと思っているので、沢山の応援お願いします」とメッセージを残していた。
QFでは、アメリカのタロウ・ワタナベと対戦する。

PHOTO: © WSL/Pat Nolan
壁を破ったマテウス・ハーディ

メンズサイドのベスト8は日本人が2名、アメリカ人が4名、ブラジリアンが2名。
最もコンスタントにスコアを出していたのは、ブラジリアンのマテウス・ハーディで、エアーとターンの両方で際立ち、Round of 32では7ポイント台を2本。Round of 16では7ポイント台を2本に8.33を出してトータル15.66とこのラウンドのハイエストを揃えていた。
「本当に興奮している。いつもラウンド16で止まっていた壁をようやく破れたよ。リラックスしてサーフィンしようと思っていたら、遂にファイナルデー。つまりQFに進めて最高に嬉しい。ヒート後、ジャッジが何を求めているのか見たかった。大きなセットを掴んで大きなターンを決めたかった。スコアを聞いて、彼らがそれを求めていると分かったね。最後までそれを貫くよ」
2度目の優勝に近づいたソーヤ・リンドブラッド

ウィメンズサイドでは、サンクレメンテクルーの一員で、2023年のチャンピオンでもあるソーヤ・リンドブラッドがRound of 16で8.00を出してトータル15.23でブリッサ・ヘネシー(CRI)と共にQF進出。
一方、キラ・ピンカートン(USA)、エリー・ハリソン(AUS)と二人の強豪アップカマーがこのラウンドで姿を消した。
「あのヒートはかなり豪華なメンバーだった。みんな友達なので、一緒にサーフィンできて本当に楽しかったわ。キラとは10歳の頃から対戦しているので、ヒートで一緒になるのは特別。彼女もブリッサもエリーも素晴らしいサーファーよ。プレッシャーはほとんどない。実はこの大会で弟がコーチをしてくれているので、家族みんなで楽しんでいるの」
ミッドシーズンカットで2025年CTは脱落したものの、2026年はウィメンズ枠の増加によってクオリファイが確定しているソーヤ。
ブリッサもその中の一人で、他の選手よりもリラックスした表情でイベントを戦っている印象。
QFではソフィー・マカロック(AUS)とのカード。
ブリッサは同じくウィメンズ枠の増加によってクオリファイが確定しているヴァヒネ・フィエロ(FRA)と対戦する。
2連覇を目指すナディア・エロスタルベ

ウィメンズサイドのハイエストを揃えたのは、南アフリカ戦で優勝したスペインのナディア・エロスタルベ。
8.00を含むトータル15.50を出してランキング3位のヨランダ・ホプキンス(POR)と共にラウンドアップ。
この二人はパリ五輪出場のオリンピアンでもあり、今年はCTクオリファイに向けて幸先良いシーズンスタートを切っている。
「バリートの後は感情が高ぶって本当に幸せだった。数週間は自宅で過ごしたけど、家にいると集中できないと思い、早めにハンティントンに来たの。トレーニングを積んで、やるべきことを続けたわ。このヒートでは良い結果が出た。前のヒートは自分の望むパフォーマンスができなかったけど、ファイナルデーへ進めて嬉しい」

ネクストコールは現地時間8月3日7時5分(日本時間同日23時5分)で、30分後に再開予定。
ファイナルデーをお見逃しなく!
Lexus US Open of Surfing Women’s Round of 32 Results:
HEAT 1: Sally Fitzgibbons (AUS) 13.50 DEF. Ellie Harrison (AUS) 13.23, Daniella Rosas (PER) 10.36, Sarah Baum (RSA) 9.73
HEAT 2: Leilani McGonagle (CRC) 14.26 DEF. Brisa Hennessy (CRC) 10.70, Macy Callaghan (AUS) 10.50, Sierra Kerr (AUS) 10.10
HEAT 3: Kirra Pinkerton (USA) 14.64 DEF. Vahine Fierro (FRA) 13.64, Anon Matsuoka (JPN) 13.56, Eweleiula Wong (HAW) 6.83
HEAT 4: Sawyer Lindblad (USA) 12.17 DEF. Sophie McCulloch (AUS) 9.90, Arena Rodriguez (PER) 7.60, Amuro Tsuzuki (JPN) 5.83
HEAT 5: Yolanda Hopkins (POR) 13.57 DEF. Tya Zebrowski (FRA) 12.40, Vaihitimahana Inso (HAW) 11.03, India Robinson (AUS) 6.77
HEAT 6: Teresa Bonvalot (POR) 11.94 DEF. Sophia Medina (BRA) 10.50, Keala Tomoda-Bannert (HAW) 10.10, Eden Walla (USA) 8.66
HEAT 7: Alyssa Spencer (USA) 14.00 DEF. Talia Swindal (USA) 12.00, Mirai Ikeda (JPN) 11.63, Bella Kenworthy (USA) 11.16
HEAT 8: Annette Gonzalez Etxabarri (EUK) 11.63 DEF. Nadia Erostarbe (ESP) 11.23, Laura Raupp (BRA) 10.04, Tessa Thyssen (FRA) 8.60
Lexus US Open of Surfing Men’s Round of 32 Results:
HEAT 1: Morgan Cibilic (AUS) 13.60 DEF. Xavier Huxtable (AUS) 13.50, Kolohe Andino (USA) 11.94, Liam O’Brien (AUS) 9.26
HEAT 2: Mateus Herdy (BRA) 14.46 DEF. Dimitri Poulos (USA) 12.40, Eli Hanneman (HAW) 10.27, Nolan Rapoza (USA) 9.16
HEAT 3: Oscar Berry (AUS) 13.10 DEF. Michael Rodrigues (BRA) 12.54, Keijiro Nishi (JPN) 10.36, Bronson Meydi (INA) 6.86
HEAT 4: Kanoa Igarashi (JPN) 15.73 DEF. Ian Gouveia (BRA) 14.87, Adur Amatriain (EUK) 12.20, Jacob Willcox (AUS) 9.27
HEAT 5: Kade Matson (USA) 14.23 DEF. Taro Watanabe (USA) 14.20, Igor Moraes (BRA) 6.90, Winter Vincent (AUS) 6.00
HEAT 6: Hiroto Ohhara (JPN) 13.94 DEF. Luke Thompson (RSA) 13.10, Alan Cleland (MEX) 12.90, Shohei Kato (JPN) 8.77
HEAT 7: Samuel Pupo (BRA) 14.50 DEF. Mikey McDonagh (AUS) 11.27, Shion Crawford (HAW) 11.17, Franco Radziunas (ARG) 8.96
HEAT 8: Levi Slawson (USA) 14.66 DEF. Carlos Munoz (CRC) 13.27, Jadson Andre (BRA) 12.27, Edgard Groggia (BRA) 9.03
Lexus US Open of Surfing Women’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Vahine Fierro (FRA) 14.50 DEF. Sophie McCulloch (AUS) 11.23, Leilani McGonagle (CRC) 10.84, Sally Fitzgibbons (AUS) 10.73
HEAT 2: Sawyer Lindblad (USA) 15.23 DEF. Brisa Hennessy (CRC) 13.00, Kirra Pinkerton (USA) 12.53, Ellie Harrison (AUS) 9.43
HEAT 3: Nadia Erostarbe (ESP) 15.50 DEF. Yolanda Hopkins (POR) 12.60, Talia Swindal (USA) 9.27, Teresa Bonvalot (POR) 7.76
HEAT 4: Annette Gonzalez Etxabarri (EUK) 12.84 DEF. Tya Zebrowski (FRA) 12.26, Sophia Medina (BRA) 10.10, Alyssa Spencer (USA) 4.67
Lexus US Open of Surfing Men’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Mateus Herdy (BRA) 15.66 DEF. Michael Rodrigues (BRA) 12.60, Morgan Cibilic (AUS) 7.40, Ian Gouveia (BRA) 6.83
HEAT 2: Kanoa Igarashi (JPN) 13.60 DEF. Dimitri Poulos (USA) 12.66, Oscar Berry (AUS) 10.77, Xavier Huxtable (AUS) 10.60
HEAT 3: Hiroto Ohhara (JPN) 13.14 DEF. Kade Matson (USA) 12.73, Mikey McDonagh (AUS) 12.63, Carlos Munoz (CRC) 11.66
HEAT 4: Levi Slawson (USA) 15.03 DEF. Taro Watanabe (USA) 14.06, Samuel Pupo (BRA) 12.93, Luke Thompson (RSA) 11.93
Lexus US Open of Surfing Women’s Quarterfinals Matchups:
HEAT 1: Vahine Fierro (FRA) vs. Brisa Hennessy (CRC)
HEAT 2: Sophie McCulloch (AUS) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 3: Nadia Erostarbe (ESP) vs. Tya Zebrowski (FRA)
HEAT 4: Yolanda Hopkins (POR) vs. Annette Gonzalez Etxabarri (EUK)
Lexus US Open of Surfing Men’s Quarterfinals Matchups:
HEAT 1: Mateus Herdy (BRA) vs. Dimitri Poulos (USA)
HEAT 2: Michael Rodrigues (BRA) vs. Kanoa Igarashi (JPN)
HEAT 3: Hiroto Ohhara (JPN) vs. Taro Watanabe (USA)
HEAT 4: Kade Matson (USA) vs. Levi Slawson (USA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)