カリフォルニアから始まり、ベルズビーチ、アブダビ、最後にベスト8によるタイトル争いがエルサルバドルで行われる2025年のLT。
開幕戦は世界一華やかなハンティントンビーチでの『Lexus US Open of Surfing』
3日連続で進行して現地時間7月28日にファイナルデーを戦うベスト8が決定した。
この日のハンティントンビーチは前日より更にサイズダウンの公式2ftからセットで3ft。
Round of 16が前日とは逆のメンズ、ウィメンズの順で進行。
後半の数ヒート以外はクリーンなフェイスを保ったが、波数が少なく、少しのミスも許されないコンディションだった。
ベスト8を逃した4名の日本人選手

PHOTO: © WSL/Pat Nolan
今年のLTに出場している全ての日本人選手がRound of 16に残ったが、このラウンドは全ての選手が強豪とのカードになり、メンズは井上鷹がカニエラ・スチュワート(HAW)を相手に4ポイント止まりで敗退。
ウィメンズは吉川広夏がソフィア・コーヘーン(HAW)、田岡なつみがアヴァロン・ガル(USA)と対戦してクロスゲームの末に姿を消した。
最終ヒートの井上楓は2023年、2024年と2連覇を達成してるケリス・カレオパア(HAW)に徐々に引き離され、ハンティントンビーチでの初チャレンジは9位でフィニッシュした。





テイラー・ジェンセンの圧倒的なパフォーマンス

この日の主役はディフェンディングチャンピオンのテイラー・ジェンセン(USA)とレイチェル・ティリー(USA)で、テイラーはここまでのハイエストとなる15.90をマークしてカリフォルニア出身のイベント・ワイルドカード、ジャック・ヴァン・ワゴナーに圧勝。
テイラーは今イベントで4年連続のQF進出となる。
「小さくてパワーもないハンティントン。ランダムにブレイクする波がインサイドまで繋がり、たまにダブルアップする感じだね。それで『もう賭けてみよう』って思ったんだ。32秒くらいのパドルでアウトまで戻れるし、とにかくアクション起こしてみようってね。たまたま1本がダブルアップしてくれて、2つ目のノーズライドセクションをくれたんだ。ここではあまりそういう波がないから、全てその波のおかげさ。終わったらオーシャンサイドの家に一度戻って、また明日同じことを繰り返すだけ。うまくいけばいいね」
昨年、ジョエル・チューダー、コリン・マクフィリップス、ラスティ・ケアウラナを上回り、義父のナット・ヤングに並ぶ4xを達成したテイラー。
史上初の5度目のワールドチャンピオンに向けてまた一歩前進した。
連覇を目指すレイチェル
特に癖のあるハンティントンビーチの波は向き不向きがあり、テイラー同様にレイチェルは得意としている。
すでに風の影響が入った難しいコンディション。前日に3xのホノルア・ブロムフィルド(HAW)を倒したイベントワイルドカード、リヴ・ストークス(CAN)を相手に序盤から5.83、7.17とコンビネーションに近いスコアまで追い込み、最後はダメ押しの6.73を重ねて圧勝した。
「リヴとはアマチュア時代から、たぶん11歳くらいの頃からずっと同じヒートで戦ってきた仲よ。だから今日みたいな状況でも、何度も一緒にヒートをやってきた経験がある。彼女もこの難しいコンディションをしっかり読み切る力があると分かっていたので、私はとにかく集中して、一つも気を抜けないという気持ちで臨んだ。このラウンドの中では高いスコアも出せたし、良いパフォーマンスができたと思う。私にとっては、ラウンド1で“家の土台”を作るようなもの。良いスコアも出せたけど、自分の中ではミスもあったと感じていたので、それを修正してヒート全体を良くするように意識した。これからもその積み重ねを続けていきたい」


ワールドチャンピオンを倒したオージー

メンズサイドのベスト8。
国別ではオーストラリア2名、アメリカ2名、ハワイ2名、南アフリカ、フィリピンが1名ずつ。
オープニンヒートでは、オージーのカイ・エリース-フリントが2023年のワールドチャンピオン、カイ・サラス(HAW)と対戦して8.00とシングルスコアではテイラー・ジェンセンに並ぶパフォーマンスを披露して注目を集めていた。
「今朝目が覚めた時、すごく落ち着いていたんだ。ここ数日は睡眠の質も悪くて、あまり良い感覚じゃなかったけど、ヒート前に少しフリーサーフをして、それでなんとなくリズムを掴めた気がした。ヒートの序盤は少しエネルギッシュにいこうと思っていて、でもその波では少し抑えて、ボードに任せるようにした。最後のセクションでうまく当て込めたんだ」

その他、スティーブン・ソーヤー(ZAF)、ジョン・マイケル・ヴァン・ホーエンシュタイン(HAW)、コール・ロビンス(USA)、デクラン・ワイトン(AUS)、ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)、カニエラ・スチュワート(HAW)がベスト8入り。
フィリピンのJrは昨年の同イベントで2位になっており、今年はLT初優勝を目指している。

PHOTO: © WSL/Kenny Morris

ネクストコールは現地時間7月29日6時50分(日本時間同日22時50分)で、15分後にスタート予定。
ファイナルデーをお見逃しなく!
Lexus US Open of Surfing Men’s Longboard Round of 16 Results:
HEAT 1: Kai Ellice-Flint (AUS) 14.00 DEF. Kai Sallas (HAW) 11.93
HEAT 2: Steven Sawyer (RSA) 13.66 DEF. Kevin Skvarna (USA) 10.00
HEAT 3: John Michael Van Hohenstein (HAW) 13.46 DEF. Oliver Packham (RSA) 9.50
HEAT 4: Cole Robbins (USA) 13.83 DEF. Ben Skinner (GBR) 6.03
HEAT 5: Taylor Jensen (USA) 15.90 DEF. Jack Van Wagoner (USA) 8.37
HEAT 6: Declan Wyton (AUS) 13.87 DEF. Chase Lieder (USA) 12.70
HEAT 7: Rogelio Jr Esquievel (PHL) 14.60 DEF. Max Weston (AUS) 11.83
HEAT 8: Kaniela Stewart (HAW) 11.33 DEF. Taka Inoue (JPN) 8.43
Lexus US Open of Surfing Men’s Longboard Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Kai Ellice-Flint (AUS) vs. Steven Sawyer (RSA)
HEAT 2: John Michael Van Hohenstein (HAW) vs. Cole Robbins (USA)
HEAT 3: Taylor Jensen (USA) vs. Declan Wyton (AUS)
HEAT 4: Rogelio Jr Esquievel (PHL) vs. Kaniela Stewart (HAW)
Lexus US Open of Surfing Women’s Longboard Round of 16 Results:
HEAT 1: Soleil Errico (USA) 13.00 DEF. Chloe Coleman (USA) 12.93
HEAT 2: Natalia Wunderlich (HAW) 10.50 DEF. Tully White (AUS) 5.07
HEAT 3: Chloe Calmon (BRA) 13.16 DEF. Alice Lemoigne (FRA) 9.20
HEAT 4: Sophia Culhane (HAW) 13.14 DEF. Hiroka Yoshikawa (JPN) 12.07
HEAT 5: Rachael Tilly (USA) 13.90 DEF. Liv Stokes (CAN) 8.94
HEAT 6: Malia Ilagan (USA) 9.80 DEF. Ginger Caimi (ITA) 9.53
HEAT 7: Avalon Gall (USA) 11.10 DEF. Natsumi Taoka (JPN) 9.00
HEAT 8: Kelis Kaleopaa (HAW) 11.56 DEF. Kaede Inoue (JPN) 9.86
Lexus US Open of Surfing Women’s Longboard Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Soleil Errico (USA) vs. Natalia Wunderlich (HAW)
HEAT 2: Chloe Calmon (BRA) vs. Sophia Culhane (HAW)
HEAT 3: Rachael Tilly (USA) vs. Malia Ilagan (USA)
HEAT 4: Avalon Gall (USA) vs. Kelis Kaleopaa (HAW)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)