PHOTO: © WSL/Alan van Gysen

「波数が少ないときのセオリー」 – F+

F+(エフプラス)

ジョーディ、負けちゃったね。まぁ、コンテストあるあるなんだけど、ああいういい波の波数が少ないときに待っちゃうって、長い観戦経験則から言わせてもらえばダメかなぁ、と思う。スタートの6点台はいいけど、マルコ・ミニョーに7点返されたら即座に2本目の6点は返しておく、という序盤の攻防は、心理作戦的な面でも必須だったかなと思う。ひっくり返されたら大きなリードは取れなくてもすぐにひっくり返しておく、というのは波数の少ないときのセオリーだと思う。エクセレントが出せる波がバンバン来るコンディションなら待ってもいいけど、来ないときは1位を1秒で長くキープする感じの戦い方が安全だ。

(ジョーディ・スミス) PHOTO: © WSL/Kody McGregor

持ちスコア1本で待つというのは非常に危険だ。長い時間待てば待つほどあれじゃない、これじゃないになるし、身体は冷えるし、残り時間が少なくなれば次の波がワンチャンスとなって、ますます選びすぎてしまうし、プライオリティを手離すのも怖くなる。その間に今回のように、自分が見送った波で相手が攻めたら、うまく行っちゃってスコア固められちゃうって、何度見たことか。特にああいう飛べるコンディションだと、それなりのポイント出ちゃうからな。ミニョーの勝因はまさに飛びだったし、アンダープライオリティでやれるだけのことをやったら上手く行っちゃったという、ホント、コンテストあるあるだった。
ジョーディの狙っていた波はこなかったけど、だからこそ、来ない波は待たないのが正しいというか、とりあえず6点2本持って、相手にニード6点のハードルを与えてから待つのが正解だったと思う。そのハードルがあると無いとでは相手の波選びや攻めるときのプレッシャーが変わってくるから。

(ヤゴ・ドラ) PHOTO: © WSL/Kody McGregor

これでイエローはヤゴ・ドラに。ヤゴのクオーターの結果次第ではあるけど、カノアが優勝すればカノアにもイエローの目がある。
終盤のファイナルファイブ争いはけっこう熾烈で、イーサン・ユーイングとグリフィン・コラピントがどっちもマストでクオーターを勝ちたいところ。イーサンがセミ、グリフィンがファイナルとなるとふたりインのイタロアウトだと思う。グリフィンはカノア、イーサンはコナーがクオーターの相手だ。それにしてもイタロ、シーズン後半の不調ぶりはどうしちゃったのかね。特に何が悪いという感じでもなく、ただ弱いというかもろい感じ。

PHOTO: © WSL/Kody McGregor

ここから数日次のスウェル待ちなんだけど、次はどんな波が入ってくるのかな。できればもっとしっかりした、Jベイらしい、コンスタントにどんどん来るコンディションでのファイナルデーだといいなと思う。アンダープライオリティでのポイントがヒートのベストライドになるようなコンディションって、誰にとってもフラストレーションだと思うし、残り1試合タヒチを残すだけのこのタイミングでの4位から6位の争いって、あまりトリッキーなコンディションで決めてほしくはないかな。
女子のほうはトップ5強しで、中でも独走のモーリー・ピックラムは一足先にファイナルファイブ進出が確定した。

F+編集長つのだゆき

blank

「国内外サーフィン界の最新トレンド・ニュースを読み解く」をコンセプトに、最新サーフィンニュースをお届けします。

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。