現地時間6月10日、ウェイティングピリオド初日のレイデイから一夜明け、公式4-6ftレンジの南南西ウネリが入ったカリフォルニアのローワー・トラッセルズでCT第8戦『Lexus Trestles Pro』がスタート!
初日はOpening Roundの後、メンズのElimination Roundの8ヒート中、5ヒートが進行していた。
マーガレットリバー後のミッドシーズンカットが終わり、シーズン後半はメンズ24名、ウィメンズ12名に絞られ、フォーマットも少し変更。
Opening Roundの3人ヒートは前半戦のトップ2勝ち上がりではなく、トップ1のみラウンドアップで他2名はElimination Round行きとなる。
人数が減ったことでメンズはRound of 32がなくなり、次はRound of 16。
ウィメンズはRound of 16がなくなり、次がQFになる。
シーズン前半が4〜5日かかった日程が最短で3日で終わることになる。
五十嵐カノアが今季初の敗者復活戦を切り抜ける

PHOTO:© WSL/Pat Nolan
まず最初に日本の五十嵐カノアの結果をお伝えすると、Opening RoundはH1で和井田理央(IND)、コール・ハウシュマンド(USA)と対戦。
ヒート序盤は1本目にスピードをつけてのパワーハック、二つのビッグターンからフィニッシュまでメイクして7.50をスコア。ファーストエクスチェンジでトップスコアを出したが、後半にローカルのコールが爆発。
7.00に6.80を重ね、僅差でトップ通過を果たし、カノアは2位でElimination Roundへ。

今シーズン初のElimination Round行きとなったカノアは、ワイルドカードのディミトリ・ポウロス(USA)と対戦。
このヒートは取りこぼしなく、クリアしてRoud of 16進出を決めた。
「ローワーズのような場所では、アクションが多く入れられる波ほど、気持ちが良い。個人的には今みたいなローワーズが凄い好き。大きすぎず小さすぎず、ちょうど良い中くらいのリップサイズって感じ。今朝は波が上がって、今も凄く良い感じ。ローワーズには2つの顔があって、今はちょっと風が入ってきてる感じだね」
現在ランキング4位のカノア。後半戦はワールドタイトルを争うファイナル5入りを目指すことになる。その中で今回のトラッセルズ戦の重要性については、「結局、どのイベントでも優勝の1万ポイントを目指して戦っているんだ。パイプラインの開幕戦でも、WSLファイナル前の最後のイベントであるタヒチでもね。だから、どの試合も同じように取り組もうとしてる。でも、あなたが言ったように、シーズン後半になると、やっぱり何か特別な感じがあるよね。でも、自分にとっては、地元で戦えるってことが一番大きいんだ。友達の前でいいパフォーマンスを見せたいと思ってるからね。だから正直、ランキングのプレッシャーよりも、その“地元で魅せたい”っていう気持ちの方がプレッシャーに感じるね」とコメント。


「友達や家族が見てると、逆にプレッシャーだったりする?」との問いには、「今まさに、沢山の友達がライブを見てくれてるよ。平日だから現地まで来るのは難しいけど、それでもこうしてカリフォルニアで沢山のファンの前でサーフィンできるって本当に嬉しいし、世界中の友達が応援してくれてるのも感じるんだ」と応え、最後には日本語で「日本のみなさんいつも応援ありがとうございます。本当に今日も大切なヒートをパスしてこれから本当の勝負って感じです。多分、明日も良い波だと思うので、このまま良いリズムを続けたいと思います」でメッセージを送っていた。
なお、コナー・オレアリーはOpening Roundでヤゴ・ドラ、アレホ・ムニーツと二人のブラジリアンと対戦して2位でElimination Roundへ。
Elimination RoundはH6でメキシコのアラン・クリーンランドと対戦する。
イタロが勝ち、ケリーが負ける

PHOTO: © WSL/Emma Sharon
メンズOpening Roundで最もスコアを伸ばしたのは、オーストラリアレッグでの不調で2位に転落したブラジルのイタロ・フェレイラ。
トラッセルズで6度の最多優勝記録を持つワイルドカードのケリー・スレーター(USA)、ルーキーのマルコ・ミニョ(FRA)を相手に1本目から7.00を出して主導権を握り、カービングにエアーとやりたい放題。スーパーマンエアーまで披露する余裕で8.00のハイエストスコアを出し、トータル15.17で圧勝した。
「グーフィーフッターにとっては、両方向に乗れるから凄く良いね。みんなライトを狙ってるけど、僕はレフトもライトもどっちでも選べる。だから自分のサーフィンをミックスできる。それが本当に楽しいポイントさ。特にヒートでは他に2人しかいないから、フリーサーフで100人いる中で波を探すよりずっと良い。あとは流れを保つだけ。トラッスルズでの過去2戦は2位が続いて悔しかったので、今年は違う結果にしたいよ」




ケリーはElimination Roundでバロン・マミヤ(HAW)と対戦するが、終了間際に逆転されて敗退。
バロンは最後の波で右膝を捻ったようで、終了前に海から上がってサポートを受けていた。
カリフォルニア勢の強さが際立つ

PHOTO: © WSL/Emma Sharon
カノアを倒したコールを始め、15.40のハイエストヒートスコアを出したグリフィン・コラピント。
ウィメンズでは15.53のハイエストヒートスコアを出したレイキー・ピーターソンとカリフォルニア勢の強さが際立った1日だった。
イーサン・ユーイング、ジョエル・ヴォーンと二人のオージーを倒したグリフィンは、「1ヶ月半ほどオーストラリアを転戦してたので、こうして家に戻ってきて友達や家族に会えるのは最高の気分だよ。そして、ホームでコンテストがあるなんて、まさに“完璧な嵐”って感じだね。凄く楽しいし、エネルギーの流れも変わってくる。オーストラリアだと当然、みんながオージーを応援してるけど、ここでは完全にホーム感があって、ビーチの全員が自分を応援してくれてる。めっちゃ力になる。でも、同時にちょっとナーバスにもなった。みんなの前で良い演技を見せたいって気持ちが強くてね。でも、ローワーズは世界でも大好きな波の一つだから、少し緊張はしても、やっぱり楽しんでる」とコメント。


PHOTO: © WSL/Emma Sharon
レイキーはイザベラ・ニコルス、タイラー・ライトと二人のオージーを相手に序盤にフロントサイドのパワフルな2ターンのコンボで7.50を出すとバックサイドで8.03を重ね、余裕のラウンドアップを決めた。
「私はサンタバーバラ出身だけど、ローワーズは子どもの頃から沢山サーフィンしてきた。CTでも何度かサーフィンしている。今は少し年を重ねて、より特別に感じているわ。本当にただここにいて、ホームでサーフィンを楽しめてるだけで嬉しい。何年にも渡って、コンペティティブ・サーフィンの大きな瞬間が沢山生まれてきた場所よね。特にファイナル5が導入されてからは、その進化が顕著。今回の大会では誰かがエアを決めるかも。この波は多様性に富んでいて、どんな進化も受け入れてくれる。だからこそ、私たちサーファーにとっては最高の“キャンバス”なの」
その他、イエロージャージを着るガブリエラ・ブライアン(HAW)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、モリー・ピックラム(AUS)がストレートでQFへ。
メンズサイドは、イエロージャージを着るジョーディ・スミス(RSA)、ジェイク・マーシャル(USA)、フィリッペ・トレド(BRA)、ジャック・ロビンソン(AUS)がRound of 16進出を決めている。
ネクストコールは現地時間6月11日の朝7時45分(日本時間の同日23時45分)になる。
Lexus Trestles Pro Men’s Opening Round Results:
HEAT 1: Cole Houshmand (USA) 13.80 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 13.20, Rio Waida (INA) 10.24
HEAT 2: Yago Dora (BRA) 11.54 DEF. Connor O’Leary (JPN) 10.93, Alejo Muniz (BRA) 9.63
HEAT 3: Italo Ferreira (BRA) 15.17 DEF. Marco Mignot (FRA) 8.77, Kelly Slater (USA) 7.53
HEAT 4: Jordy Smith (RSA) 11.86 DEF. Crosby Colapinto (USA) 11.84, Dimitri Poulos (USA) 9.53
HEAT 5: Jake Marshall (USA) 13.24 DEF. Barron Mamiya (HAW) 12.90, Seth Moniz (HAW) 8.20
HEAT 6: Griffin Colapinto (USA) 15.40 DEF. Joel Vaughan (AUS) 11.04, Ethan Ewing (AUS) 10.10
HEAT 7: Filipe Toledo (BRA) 12.40 DEF. Miguel Pupo (BRA) 11.77, Joao Chianca (BRA) 11.13
HEAT 8: Jack Robinson (AUS) 11.74 DEF. Alan Cleland (MEX) 10.33, Leonardo Fioravanti (ITA) 6.87
Lexus Trestles Pro Men’s Elimination Round Results (Heats 1-5):
HEAT 1: Kanoa Igarashi (JPN) 13.73 DEF. Dimitri Poulos (USA) 10.50
HEAT 2: Joel Vaughan (AUS) 12.13 DEF. Miguel Pupo (BRA) 6.27
HEAT 3: Barron Mamiya (HAW) 11.97 DEF. Kelly Slater (USA) 10.40
HEAT 4: Joao Chianca (BRA) 12.93 DEF. Rio Waida (INA) 11.70
HEAT 5: Ethan Ewing (AUS) 14.93 DEF. Alejo Muniz (BRA) 14.37
Lexus Trestles Pro Men’s Elimination Round Matchups (Heats 6-8):
HEAT 6: Connor O’Leary (JPN) vs. Alan Cleland (MEX)
HEAT 7: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 8: Marco Mignot (FRA) vs. Crosby Colapinto (USA)
Lexus Trestles Pro Women’s Opening Round Results:
HEAT 1: Lakey Peterson (USA) 15.53 DEF. Isabella Nichols (AUS) 10.70, Tyler Wright (AUS) 10.50
HEAT 2: Gabriela Bryan (HAW) 15.17 DEF. Kirra Pinkerton (USA) 12.77, Luana Silva (BRA) 9.27
HEAT 3: Bettylou Sakura Johnson (HAW) 14.47 DEF. Sawyer Lindblad (USA) 13.80, Caitlin Simmers (USA) 10.50
HEAT 4: Molly Picklum (AUS) 12.67 DEF. Erin Brooks (CAN) 12.26, Caroline Marks (USA) 11.80
Lexus Trestles Pro Elimination Round Matchups:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) vs. Kirra Pinkerton (USA)
HEAT 2: Tyler Wright (AUS) vs. Erin Brooks (CAN)
HEAT 3: Isabella Nichols (AUS) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 4: Caroline Marks (USA) vs. Luana Silva (BRA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)