(ジョーディ・スミス) Photo by peter "joli" wilson

「ツアーの大ベテラン、ジョーディ・スミスの2026シーズン」 – F+

F+(エフプラス)

2026カレンダー解説、いいな。毎週何を書こうか考えなくて済むってこんなにストレスのないことなんだって初めて知ったというか、いかにいつも頭を悩ませてこのコラムの主題を考えているのかを思い知った感じ。
とはいえもう8月なので、あと何週かでこのストレスレスは終わってしまうわけだけど。

8月はジョーディ・スミス。夏らしいオーストラリア、バーレーヘッズでのショット。
2025年のジョーディは本当に出来が良かったと思う。こういった本当にきわどいところへの攻めというのは今までのジョーディにはなかったところだ。この場所ね、コンマ何秒かでつぶれちゃう場所だよね。
まぁ、普通の人はこんなところに当てたことは無いわけだけど、この場面にはよく出くわすと思う。ゲティングアウトの時。セット食らって、神様もうやめて~の瞬間、最後の腕の力を振り絞って気合のドルフィンがギリギリ間に合う場所。まぁ、たいていの場合、ドルフィンで抜けてホッと一息沖を見れば次が来てて、モチベーションダダ下がりなわけだけど。ビーチブレイクは一般サーファーには優しくない。

個人的には2025シーズンはジョーディにもっと頑張ってほしかったというか、ジョーディにタイトルを取らせたかった。おそらくラストチャンスだったかな、と思うので。18歳でCTデビューしてからすでに20年目を迎えようとしているジョーディは、誕生日がケリーと同じで、2月11日には38歳になる。なんかジョーディがもう38歳ってちょっとオドロキかな。まぁ、ケリーは同じ日に54歳になるわけだけど。

(2006年、サンセットで2位となりトリプルクラウンのルーキーオブザイヤーに輝く) Photo by snowy

CTデビューは2008年だが2006年にJベイでワイルドカードとして登場。16歳のビラボン南アフリカの秘蔵っ子としてセミまで勝ち上がり3位になり、大いに会場を沸かせた。背ばかり高くてヒョロっとした印象だったけど、パワフルなレールワークとエアーは印象的だった。いつか南アフリカにワールドタイトルをもたらす選手としてサーフシーンを引っ張ってきたが、まだその夢は果たせずにいる。

(CTデビューイヤーの2008年、Jベイ) Photo by snowy

今では190cm88kgとパワーアップ、ここ数年は徐々に今風のサーフィンを身に着け、昨年はキャリアの中で最も出来のいいサーフィンをしていたと思う。攻める場所も場所なら、そこでのワイプアウトの少なさ、ミスのなさ、ヒート全体を通しての安定感は注目すべきものがあったと思う。ランキング2位でファイナルズを戦い、3位のグリフィンにやられて最終ランクは3位。今までのキャリアで最もタイトルに近づいたシーズンだった。

38歳の2026シーズン、昨年と同じようにきわどいところでのきわどい攻めができて、よりコンスタントに勝てるような安定感が得られれば、チャンスはもう一度あるかもしれない。ただ、2026シーズンは最終戦のパイプが1.5倍ポイントというクセモノが待っている。ジョーディのパイプってあまり印象にないし、ガブやジョンジョンが復帰するということを考えると、どうかなぁ、と思う。
極端なこと言っちゃうと、パイプの1.5倍ポイントってものすごく結果が見えるというか、2026年の中盤あたりの上位陣の中のパイプのやれる人が行くんだよね、っていう読みになってしまう。まぁ、パイプの場合ワイルドカードもクセモノにつき要注意だし、コンディションが良ければ良いほど勝つ人が決まってしまうというか、読めてしまうわけで、意外とこれつまらないのかな、と思う。
なんにしろ、ジョーディには2026シーズンもうひと踏ん張りしてほしいなぁと、陰ながら応援している。

F+編集長つのだゆき

blank

「国内外サーフィン界の最新トレンド・ニュースを読み解く」をコンセプトに、最新サーフィンニュースをお届けします。

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。