(U18ガールズでR3進出を決めた池田美来) Photo: ISA/Pablo Jimenez

波乗りジャパンは4名がR3進出!『ISA World Junior Surfing Championship』4日目

ペルーのプンタ・ロカスで開催中の『ISA World Junior Surfing Championship』は、現地時間12月9日に大会4日目を迎えた。

この日も公式4-6ftレンジとウネリは十分にあり、U16ボーイズ、U18ガールズのR2、そしてU16ガールズ、U18ボーイズのリパチャージが進行した。

大会3日目の時点で16カ国が無傷だったが、この日は一気に4カ国まで絞られた。

リーダーボードのトップには、開催国であるペルー、ブラジル、ポルトガル、アメリカの4カ国が同率で首位に立っている。

2011年の自国開催以来となる団体金メダルを狙うペルーは、U16ボーイズでポル・ウゲが今大会2度目のブザービーターを決め、4位から1位に上がりラウンドアップ。バスティアン・アレバロは堅実なヒート勝利を手にし、U18ガールズのウルピ・トレス、カミラ・サンダイもR3進出を果たした。

今年はリパチャージが一度しかないため、メインラウンドはいつになく緊張感に包まれている。

波乗りジャパンは4名がR3進出

Photo: ISA/Pablo Franco

この日出番があった日本代表「波乗りジャパン」は、U18ガールズとU16ボーイズのR2を戦った計6名。

U18ガールズは松野杏莉を皮切りに、池田美来、高橋結奈と全てトップ通過。 U16ボーイズは松野太郎がトップ通過を果たした一方、髙井汰朗、佐藤賴斗は敗退となった。

その他、U18ボーイズの小野里弦、足立海世、岡野漣、U16ガールズの馬場心、草深心虹、石井有紗の6名は、明日以降にR2を戦う予定だ。

大会4日目を終えた時点で国別順位は11位に下がっているが、まだチャンスは十分にある。

(松野杏莉) Photo: ISA/Jersson Barboza
(高橋結奈) Photo: ISA/Jersson Barboza
(松野太郎) Photo: ISA/Sean Evans
(髙井汰朗) Photo: ISA/Sean Evans
(佐藤賴斗) Photo: ISA/Sean Evans

ハイエストスコアを出したアルゼンチン代表

(ティアゴ・パッセリ) Photo: ISA/Jersson Barboza

U16ボーイズのR2では、2024年WJSCで銅メダルを獲得したアルゼンチンのティアゴ・パッセリがプンタ・ロカスで際どいアプローチを成功させ、9.33のハイエストスコアを含むトータル16.16と同クラスのハイエストヒートスコアも獲得した。

彼の父もまたISAの常連であり、ティアゴ自身も4回目のWJSC出場となる。

「チームメイト全員、家族、姉、父と一緒にここにいられて最高の気分だよ。素晴らしいことだね。遂にプンタ・ロカスでサーフィンをすることができた。今日は僕だけではなく、チーム全員にとって素晴らしい日だった。競技のリズムに乗り始めている。これまで何度もペルーに来ていて、いつもここプンタ・ロカスでサーフィンをしてきた。しかし、イベント前は難しい波であるエル・ボスケでのサーフィンに集中したんだ。勝てて嬉しい。チーム全体が発しているエネルギー、それは素晴らしい。最高の気分さ」

アルゼンチンはファクンド・ルッジェーロが午前のハイエストである8.17を出して目立っていた。
タヒエル・ソサもR3に進出したが、U18ガールズではアイラ・ダイアン、アルベルティーナ・トッレが敗退している。

U18ボーイズ、U16ガールズは全ての選手がR2を待っており、国別では日本と同率の11位。

エル・ボスケでグーフィーフッターが活躍

(オセア・グリーン) Photo: ISA/Jersson Barboza

ティアゴのコメント通り、レフトのエル・ボスケは癖があり、フロントサイドとなるグーフィーフッターに有利な展開になっている。

特にU18ガールズのハイスコアの大半はグーフィーフッターが出しており、カナダのオセア・グリーンはアグレッシブなフロントサイドのターンで7.60を含むトータル11.77をまとめて勝利した。

「レフトでやることが夢だったわ。多くの大会の波はライトにある気がする、だからレフトでの大会は今までで最高に感じる。本当に良い気分よ。特にコンテストであんな良い波に乗れるなんて。フリーサーフィンの時は良い動きができるけど、コンテストでは緊張やプレッシャーで上手くいかない時がある。でも、あの波は良かったわ。私はチームイベントが大好き。みんながとても協力的だからね。ビーチでは誰のヒートに対しても応援している。最高の気分よ」

2024年の金メダリストがまさかの棄権

(ラネア・モンス)
Photo: ISA/Sean Evans

U16ガールズのディフェンディングチャンピオン、オーストラリアのジギー・マッケンジー、同クラスの銅メダリスト、南アフリカのルイーズ・ル・プロンは今年U18ガールズに出場しているが、ジギーはMCL(内側側副靭帯)損傷のため、棄権となった。
ルイーズは松野杏莉と同ヒートになり、3位敗退。しかし、U16ガールズにも出場しているため、まだメダル獲得のチャンスは残っている。

一方、2023年のU16ガールズの銀メダリスト、アメリカのラネア・モンス、2024年のフランスのU16ガールズの銀メダリスト、クレマンス・ショルシュはU18ガールズに上がっても好調。
両者共に7ポイント台を出してR3進出を決めている。

「これはビッグイベントよ。だから、最初のヒートはナーバスになった。最初に出場した年はファイナルに進出して銀メダルを獲得した。それが大きな自信になっていることは間違いないわ。メダル獲得は簡単なことではないからね。ヒート数が多く、強豪がひしめく中でそれらを勝ち抜き、着実に上位へと這い上がっていける実力が自分にあると分かっていることは、間違いなく自信を与えてくれる。そしてもちろん、またこの場所に戻って来られて最高に嬉しいわ」

ブザービーターで沸いたU16ボーイズ

(オーシャン・ランカスター) Photo: ISA/Sean Evans

U16ボーイズのH20はこの日最も激しいヒートになった。

ヒートを通過したのはオーストラリアのオーシャン・ランカスターとインドネシアのアディティア・ソミヤ。

オーシャンはヒートの半分以上で波を待ち、1本目で8.50をスコア。残り30秒でワイプアウトした後、ニード0.37で3.37を出してトップに上がった。
アディティアは3位から残り5秒でテイクオフした波で4.70を出して2位に浮上。
奇跡とも言えるブザービーターに会場は大いに沸いていた。

「あのヒートは言葉がないね。アウトではとても興奮していた。全てのヒートを見ていて、良い波が沢山あった。僕はアウトに出て沢山波に乗ってベストを尽くすつもりだったけど、ヒートの最初の半分は座っているだけだった。その後に良い波に乗り、まだ8分もあった。バックアップを得ることができるはずだと感じ、右に左にパドルしたけど、波は来なかったんだ。後半に乗った波も最初のターンで足が滑ってしまった。『なんてことだ、これで終わりか?もう消えるのか?』という感じだった。それからなんとかもう1本乗って1ターンで仕事を完了させたのさ。全く大変だったよ」

ヒート直後は疲労困憊の様子だったオーシャンだが、昨年ファイナル射程圏内で敗れた雪辱を果たす機会を再び掴み取り、安堵の表情を見せた。

大会5日目のスケジュールは以下。
現地時間12月10日6時45分コールの7時(日本時間の同日21時)にスタート予定。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(黒本人志)

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