(圧巻のパフォーマンスでQF行きを決めたエドゥアルド・デルペーロ) PHOTO: © WSL/Max Physick

ファイナルデーを戦う全ての選手が揃った!LT第3戦『Surf Abu Dhabi Longboard Classic』2日目

2024年にアラブ首長国連邦、略称UAEの首都アブダビにオープンした「Surf Abu Dhabi」で開催中のLT第3戦『Surf Abu Dhabi Longboard Classic』は現地時間10月25日に大会2日目を迎えた。

この日は初日のウィメンズと同じフォーマットでメンズサイドが進行。
明日のファイナルデーを戦うベスト8が決定した。

ファイナルデーは現地時間10月26日朝8時(日本時間同日13時)からスタートする予定。
日本の田岡なつみもベスト8に残っているので、お見逃しなく!

エドゥアルド&テイラーが圧巻のパフォーマンス

(エドゥアルド・デルペーロ)
PHOTO: © WSL/Max Physick

この日最も白熱したヒートはOpening RoundのH1。
つまり、朝一番のオープニングヒートだった。

4xのテイラー・ジェンセン(USA)が1本目のライトで8.67を出して驚かせたが、エドゥアルド・デルペーロ(FRA)がそれを上回る9.43をスコア。
更にエドゥアルドはレフトでも8.00、2本目には9.00と9ポイント台を2本揃えてトータル18.43をマークした。
テイラーも2本目のレフトで8.17を返してトータル16.84と他のヒートであればトップ通過も可能なスコアだったが、このヒートはエドゥアルドが圧勝。
ライト、レフト共にバレルとノーズライド、レールワークのコンビネーションを披露した彼のサーフィンは圧巻だった。

(テイラー・ジェンセン)
PHOTO: © WSL/Manel Geada
PHOTO: © WSL/Max Physick

「この波を乗りこなしたかっただけさ。練習の日からずっとトライしていた波だったので、それが上手くいって嬉しいよ。どうジャッジされるか気になっていたけど、結果には凄く満足している。一番大事だったのは、全ての波でしっかりチューブに入ること。ここはウェーブプールなので、大会やこの手のコンディションでバレルになる波は貴重。だから毎回2回はバレルをメイクするように意識して挑戦したんだ」

今シーズンは開幕戦こそ振るわなかったが、父親になったばかりの第2戦のベルズではSF進出。
今回QF進出を決めたことで、チャンピオンシップ進出の条件である8位以内に入る可能性も十分にある。

なお、Opening Roundを落としたテイラーはR2で挽回。
16.84のヒートスコアでトップ通過を果たし、同じくR2を勝ち上がったトニー・シルヴァニ(USA)とQFで対戦する。

(R2を勝ち上がったトニー・シルヴァニ) PHOTO: © WSL/Max Physick

変則フォーマットに番狂わせが続出

(ケヴィン・スカヴァーナ)
PHOTO: © WSL/Max Physick

今イベントはウェーブプールという特別な会場に合わせた変則フォーマットを使用。

Opening Roundはライト、レフト共に各2本。
R2はライト、レフト共に各1本。

多少の違いはあるものの、全てが500mの完璧な波と自然の海とは異なり、平等なチャンスが与えられる。
しかし、そのチャンスを逃すと後がなく、ある意味難しいフォーマットでもある。

(QF進出を逃したカレントリーダーのカイ)
PHOTO: © WSL/Manel Geada

この変則フォーマットにより、カレントリーダーのカイ・エリース-フリント(AUS)、ランキング2位のマックス・ウェストン(AUS)、5位の ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)、7位のコール・ロビンス(USA)、8位のカニエラ・スチュワート(HAW)とチャンピオンシップ進出の条件である8位以内の選手が次々と敗退。

更に2023年のワールドチャンピオンであり、昨年の今イベントで3位だったカイ・サラス(HAW)さえも姿を消してしまった。

そんな中、ベルズで2位に入り、現在ランキング4位のケヴィン・スカヴァーナ(USA)はカイ、ベン・スキナー(GBR)、サム・クリスチャンソン(RSA)を抑え、トップ通過。
2本目のライトではスイッチフットのチューブライドで9.07をスコアして注目を集めていた。

「今はロングボードツアーの参戦を楽しんでいるだけ。友人たちと過ごし、全力でサーフし、ボードの調整に集中できて本当に最高さ。もちろん結果を出せたのも大きいね。ベルズでの準優勝は嬉しかったし、世界のトップ選手とソリッドな波でバックハンドの調子を確かめられたことで、自分のサーフィンをしっかり表現できた。その勢いのままここに来て、波にもボードにも手応えを感じている。最高に嬉しいよ」

(ケヴィン・スカヴァーナ) PHOTO: © WSL/Max Physick

その他、2024年に最終枠でチャンピオンシップ進出を決めた20歳のチェイス・リーダー(USA)、デクラン・ワイトン(AUS)が強豪を抑えてラウンドアップ。デクランはライトの波で9.10、2本目で9.27とスコアを伸ばし、エドゥアルドの次に高いトータルスコア17.44で今季3大会連続となるQF進出。チャンピオンシップ行きを固めている。

(20歳のチェイス・リーダー) PHOTO: © WSL/Max Physick
(デクラン・ワイトン) PHOTO: © WSL/Max Physick

ファイナルデーに進んだ二人の南アフリカ人

(スティーブン・ソーヤー)
PHOTO: © WSL/Manel Geada

H2ではディフェンディングチャンピオンのスティーブン・ソーヤー(ZAF)が勝利。

1本目のライトでワイプアウトしたが、レフトでは7.67と挽回。2本目のライトでも8.03とスコアを揃えていた。
J-Bayで鍛えたバックハンドのバレルのスキルがハイスコアの鍵となった。

ヒート前は、勝てるかどうかなんて全然考えてなかったよ。とにかくリラックスして、落ち着いていられるよう祈っていた。1本目で落ちてしまったのは残念だけど、去年も同じことをやったので、ある意味予想通り(笑)。“チューブ行こう、OK、泳いでこよう”って感じで。無事に通過できて本当に嬉しいね。まだまだ改善できる余地があると感じられるのも良い。完璧すぎて『これ以上何をすれば?』と思うよりも、余裕を残して積み上げていく方が気持ち良いんだ」

PHOTO: © WSL/Max Physick
PHOTO: © WSL/Max Physick
(オリバー・パッカム) PHOTO: © WSL/Max Physick
(R2で6位になった井上鷹) PHOTO: © WSL/Manel Geada
PHOTO: © WSL/Max Physick

次のヒートでは同じ南アフリカのルーキー、オリバー・パッカムが8.50を含むトータル15.90でトップ通過。
このヒートはカイ、井上鷹との僅差の戦いだったが、1本目でスコアしたツアーで自己最高点となる8.50が勝利の決め手となった。

「最高の波に乗れて本当に嬉しい。ずっと自分の理想のサーフィンをイメージしてきたんだ。練習中の波でタイミングを掴み、昨夜は寝る前にトレーニング映像を見返して、どのように波に乗りたいかを頭の中で描いていた。今朝も凄い調子が良くて、波とのリズムがどんどん合っていくのを感じた。とにかく最高の気分さ」

ダーバン出身で現在はケープタウンを拠点とする27歳ののオリバーは開幕から2戦続けて9位とルーキーの洗礼を受けていた。
初のQFでは早くも強豪デルペーロとの対戦が待ち受けている。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

Surf Abu Dhabi Longboard Classic Men’s Quarterfinals Matchups:
HEAT 1: Edouard Delpero (FRA) vs. Oliver Packham (RSA)
HEAT 2: Taylor Jensen (USA) vs. Tony Silvagni (USA)
HEAT 3: Kevin Skvarna (USA) vs. Chase Lieder (USA)
HEAT 4: Declan Wyton (AUS) vs. Steven Sawyer (RSA)

Surf Abu Dhabi Longboard Classic Men’s Round 2 Results: 
1 – Taylor Jensen (USA) 8.60
2 – Tony Silvagni (USA) 8.33
—————-
3 – Cole Robbins (USA) 7.67
4 – Rogelio Jr Esquievel (PHL) 7.17
5 – Antonio Dantas (POR) 5.70
6 – Taka Inoue (JPN) 5.33

Surf Abu Dhabi Longboard Classic Men’s Opening Round Results:
HEAT 1: Edouard Delpero (FRA) 18.43 DEF. vs. Taylor Jensen (USA) 16.84, Jomarie Ebueza (PHL) 9.00, Jefson Silva (BRA) 8.33
HEAT 2: Steven Sawyer (RSA) 15.70 DEF. John Michael Van Hohenstein (HAW) 12.77, Ignacio Pignataro (URY) 11.10, Max Weston (AUS) 9.24
HEAT 3: Oliver Packham (RSA) 15.90 DEF. Taka Inoue (JPN) 13.57, Kai Ellice-Flint (AUS) 12.30, Kai McPhillips (USA) 8.57
HEAT 4: Kevin Skvarna (USA) 16.80 DEF. Sam Christianson (RSA) 13.00, Kai Sallas (HAW) 9.23, Ben Skinner (GBR) 10.93
HEAT 5: Chase Lieder (USA) 15.60 DEF. Antonio Dantas (POR) 14.73, Rogelio Jr Esquievel (PHL) 13.60, Kaniela Stewart (HAW) 12.83
HEAT 6: Declan Wyton (AUS) 17.44 DEF. Cole Robbins (USA) 15.00, Clinton Guest (AUS) 11.64, Tony Silvagni (USA) 14.13

Surf Abu Dhabi Longboard Classic Women’s Quarterfinals Matchups:
HEAT 1: Rachael Tilly (USA) vs. Tully White (AUS)
HEAT 2: Avalon Gall (USA) vs. Alice Lemoigne (FRA)
HEAT 3: Chloe Calmon (BRA) vs. Natsumi Taoka (JPN)
HEAT 4: Kelis Kaleopaa (HAW) vs. Honolua Blomfield (HAW)

(黒本人志)

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