カリフォルニア、ベルズと巡ってきた2025年のLT(ロングボードツアー)はいよいよレギュラーシーズンの最終戦が間も無く行われる。
『Surf Abu Dhabi Longboard Classic』が10月24日〜26日に開催される。
レギュラーシーズンの3戦によるランキング上位8名が11月にエルサルバドルでタイトルマッチを戦うことになる。
会場の「Surf Abu Dhabi」はアラブ首長国連邦、略称UAEの首都アブダビにあり、
ケリー・スレーターのウェーブプール「サーフランチ」のテクノロジーを利用した初の商業施設。
昨年のLTがお披露目イベントになった。
選手はノーズライド、カービング、チューブのセクションがある完璧な500メーターのキャンパスで自分のサーフィンを表現することになる。
タイトルマッチのフォーマット変更
今年のタイトルマッチ、『Surf City El Salvador Longboard Championships』は新フォーマットが導入。
CTの「WSL Finals」と同じく、全てのマッチでランキング上位のサーファーがプライオリティを持ってスタート。
最後のNo.1シードとのタイトルマッチは3本勝負だが、No.1シードの選手は最初のヒートで勝利すればワールドタイトルを決めることができる。
「再び『Surf Abu Dhabi Longboard Classic』が行われることを光栄に思います。この素晴らしい会場でサーファーたちが自分たちのスタイルを存分に表現できるのは本当に特別なこと。今回は新しいウェーブ設定での開催となるので、その展開がどうなるか楽しみです。来月のロングボード世界選手権に向けて、最終8名を決定する大会にもなりますし、CTファイナルでのフォーマット変更を踏まえ、ロングボード部門でも選手たちと協議のうえで新しい形式を導入しました」
WSLロングボード&リージョナルツアー・ディレクター ウィル・ヘイデン=スミス


新世代が席巻している2025年のLT

メンズサイドはカリフォルニアでカイ・エリース-フリント、ベルズでマックス・ウェストンがLT初優勝。
ランキングでもベテランで4Xのテイラー・ジェンセンを抑え、二人がトップ2に立っている。
両者共にオーストラリアNSW州出身で、現在はカイがバイロンベイ、マックスがメルボルン在住。
年齢的には29歳、33歳とベテランの域に差しかかるが、LT界では新世代であり、フィリピンのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル、オーストラリアのデクラン・ワイトンと共に世代交代の主役として台頭している。
一方、ハワイのカイ・サラス、カニエラ・スチュワート、アメリカのケヴィン・スカヴァーナ、コール・ロビンソンなどの実力者もエルサルバドル行きの有力候補であり、今イベントではディフェンディングチャンピオン、南アフリカのスティーブン・ソーヤーが復帰予定。
CTと違ってイベント数が少なく、タイトルマッチ進出はアブダビでの結果が重要になる。

ウィメンズはトップ不在で開催

ウィメンズサイドは3xでカレントリーダーのソレイユ・エリコがエルサルバドルでの4度目のタイトル挑戦に集中するという理由で今イベントを欠場。
これにより、ランキング2位のアヴァロン・ガルがファイナル進出を条件にソレイユからトップを奪う可能性が出てきた。
アヴァロンは開幕戦で優勝してベルズで3位に入っており、初のワールドタイトル獲得に向けて有利なトップシードを手に入れたい。
その他、ベルズで2位になり、ランキング3位の吉川広夏も含め、ランキングは拮抗している。
メンズ同様にアブダビでの結果で大きな変動も十分に考えられる。
なお、ディフェンディングチャンピオン、フランスのアリス・レモーンは今シーズン不調でランキング17位と低迷しているが、アブダビでの結果次第では上位に戻る可能性もある。


PHOTO: © WSL/Ed Sloane

PHOTO: © WSL/Pat Nolan
アブダビ文化観光局がイベントパートナーとして参加

『Surf Abu Dhabi Longboard Classic』にアブダビ文化観光局がイベントパートナーとして参画することが決定。
パートナーシップの一環として、大会の魅力とアブダビならではの文化体験を紹介する特別コンテンツを共同制作する。
2xのレイチェル・ティリーをフィーチャーした特集も組まれる予定。
また、アブダビ文化観光局は現地とオンラインの双方で強く存在感を発揮。
会場内のブランド掲出や選手ジャージへのロゴ表示に加え、WSL公式チャネルやトップロングボーダーたちのSNS上でのタグ付けやコラボレーションも展開される予定だ。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)