(イーサン・ユーイング) Photo by snowy

「スプレーマニアPart2」 – F+

F+(エフプラス)

スプレーをマニアックに追うとそのサーフィンの本質がわかる、と前回のPart1でお話ししたけど、じゃ、具体的にはどこをどう見るの? がPart2。

まずはその大きさ。スプレーが大きければ大きいほどサーフボードがたくさんの水を押し出しているといことになるのだけど、大きいからいいってものでもない。スプレーがたくさん飛んでる方がいい、という判断は、とても分かりやすいし、最初はそこで判断ということになるのだろうけど、実は大きなスプレーにはもうひとつ奥があって、どういう風に飛んでいるかのほうにその動きの本質が見える。
そしてスプレーの大きさというのはそこまでのスピードをどう急激に止めたかにも影響されるので、スピードと急ブレーキもスプレーの大きさの要素となる。

例えば大きくても裏が透けて見えるような薄いものであれば、それは、波の部分の水量の少ないところ、つまりトップに近い部分の抵抗の少ないところでクリッと素早く蹴り回した結果だ。
逆に真っ白で裏が見えないような分厚いスプレーは、同じリップでもちょっと下のほうの水量が多い波の部分でテールを押し込み(ここ大事、あくまで蹴らない)、ビーチに向かう波のパワーとボードの浮力VS脚力の戦いで、負ければ弾き飛ばされ、勝てれば分厚く大きなスプレーが飛ぶ。急ブレーキを波のどの部分でかけるかによってもスプレーは変わり、前からブレイクしてくる波に合わてタイミングを取ることでロールイン、レイバックなど、技が分化していく。

(イーサン・ユーイング) Photo by snowy

その時の板、つまりレールの入っている角度だってスプレーに現れる。
波に対して水平方向に飛んでいるスプレーは、水平方向の回転をしたボードから出てくるもので、いわゆるフラットな状態で回した結果のスプレー
逆に垂直方向に飛んでいるスプレーは波に対してレールを(板を)立てて、テール部分を波に押し込んだ反発で回転しているものといえる。波とテール、レールがどのタイミングでどう対峙しているかがスプレーでわかる。

(イーサン・ユーイング) Photo by snowy

そしてスプレーのアウトラインは、そのマニューバーの中でサーフボードがどういう動きをしたかを物語る。
角がなく、きれいなカーブであれば、徐々にレールが入ってボードに抵抗が与えられて回転していった証拠だし、どこかにカドがあるような形であれば、そのカドの時点でフィンやテールが抜けて急に方向転換したことを物語る。それはイコールスナップとかテールスピンとか、レールを入れ続けて回るカービングとは違う要素の力が加わった結果だ。俗にいう蹴りまわすという動作をするとよくこのカドは出てくる。しかし、蹴ってしまうとボードは一瞬コントロールを失うので、それを立て直すのにニュートラル、フラットな瞬間がでてくる。そこからレールの入れ直し。そこでの失速はすべてを台無しにすると私は思っている。やはり何をどう考えてもサーフィンはレールトゥレールに尽きる。レール切り替えのタイムラグ、スピードロスは無いほうがいい。

こういうことを踏まえてサーフィンの写真を見ると、また違った世界が見えてくるのではないかと思う。

スプレーマニア最終編に続く

F+編集長つのだゆき

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