(快進撃を続ける都築虹帆) Photo: ISA/Pablo Jimenez

都築虹帆が快進撃!『2025 ISA World Surfing Games』6日目

現地時間9月11日、エルサルバドルで開催中の『2025 ISA World Surfing Games』は6日目を迎え、メインラウンドはメンズがR5、ウィメンズがR4まで進行していよいよグランドファイナルが間近に迫ってきた。

この日は前日と同じく公式3-4ftレンジのサイズながらウネリの向きが変わり、ラ・ボカナはライトがメイン、エル・スンザルは長いライトが健在。
いくつかのハイスコアも生まれていた。

(エル・スンザル) Photo: ISA/Pablo Franco
(ジャッジルーム) Photo: ISA/Pablo Franco

波乗りジャパンは都築虹帆のみ快進撃を続ける

(都築虹帆) Photo: ISA/Pablo Jimenez

前日に都筑有夢路がリパチャージR3で敗退していた波乗りジャパン。

この日、残念ながらリパチャージを戦った全ての選手が敗退。

メンズリパチャージR3では西慶司郎、稲葉玲王が3位敗退となり、総合73位。
大原洋人が4位敗退となり、総合85位。
ウィメンズリパチャージR4では中塩佳那が3位敗退となり、総合33位でフィニッシュした。

(西慶司郎) Photo: ISA/Jersson Barboza
(西慶司郎) Photo: ISA/Jersson Barboza
(稲葉玲王) Photo: ISA/Jersson Barboza

国別のメダル獲得は絶望的になったが、唯一メインラウンドを進んでいる都築虹帆はこの日も快進撃を続けた。

メインラウンドR4はオーストラリアのミラ・ブラウン、フランシスカ・ヴェセルコ、スペインのアネット・ゴンサレス・エチャバリとのカード。

ラ・ボカナのレフトと相性が良い都築虹帆は序盤にバックハンドでバーディカルなトップターンからスタート、ポケットでのドライブターンからフィニッシュまで綺麗に決めて万歳しながら笑顔で波から降りたライディングに8.00がコールされた。
バックアップスコアは伸びなかったものの、トータル10.77でトップ通過を果たした。

Photo: ISA/Pablo Franco

「嬉しいけど、まだナーバスです」とまずはヒート終了直後の素直な感想を述べた都築虹帆。
前日に都筑有夢路が敗退してチームが厳しい状況に追い込まれていることを問われると「彼女は強いです。次のポルトガル(CS)での大会には調子を戻すでしょう」と答えた。
8.00のライディングはビデオを見ながら感想を聞かれ、「あの波はラッキーでした。ヒートで良かったのはあの一本だけでした。次の波を探したけど、その波は来ませんでした。最初の波で8.00を出せたのはラッキーでした。とても嬉しかったです」
と話していた。

波に乗り終えてからの笑顔は「8ポイントライドだけど、10ポイントスマイルだよね」と突っ込まれ、最後に日本語でファンにメッセージを送っていた。

R5ではオーストラリアのサリー・フィッツギボンズ、スペインのハニレ・ゴンサレス・エチャバリ、オーストラリアのエリー・ハリソンとのカード。
このラウンドを勝てば事実上のSFとなるR6。
その次がグランドファイナルになる。

ウィンメンズサイドのR5に残った8名の内、都築虹帆と別ヒートの4名はポルトガルのヨランダ・ホプキンス、ペルーのアレナ・ロドリゲスとダニエラ・ローサス、オーストラリアのミラ・ブラウン。

オーストラリアは3名全てがメインラウンドを進み、ペルーは2名が残っている。

(都築虹帆) Photo: ISA/Pablo Jimenez

都築虹帆は2019年のISAワールドジュニアに出場経験があるが、WSGは初出場。
とにかく明るく、海に入るとパワフルな彼女は日に日に世界でも注目度が上がっており、ISAの公式ニュースには別インタビューも掲載されていた。

「本当に強い相手と対戦していたので緊張したけど、自分を押し上げる良い機会になりました。自分に集中し、勝つことができました。流れも作れたと思いますし、次のラウンドが楽しみです。最後にISAに出たのは2019年のジュニア時代で、その後COVID-19で約2年間大会が中止になり大変でした。でも振り返ると、その経験でさらに強くなれたと思います。戻って来られて本当に嬉しいです。成長を示せるよう頑張ります」

オーストラリアとペルーが同率トップ

(カウリ・ヴァースト) Photo: ISA/Pablo Franco

リパチャージで敗者が続出する中、前日の時点で9カ国が同率トップだったが、この日はリパチャージがメンズR4、ウィメンズR6まで進んだため、一気に動きがあった。

全6名が残っているのはオーストラリアとペルーのみで、オーストラリアはメインラウンドの残り14名の内5名、ペルーは3名を擁し、同率トップ。
3位にブラジル、4位にスペイン、5位にアメリカと続く。

(カウリ・ヴァースト) Photo: ISA/Sean Evans
Photo: ISA/Pablo Jimenez

また、フランスは他選手が敗退したために国別こそ10位ながらメンズのメインラウンドでは2名が勝ち上がっている。

一人はパリ五輪の金メダリスト、カウリ・ヴァースト。もう一人はジョルガン・クズィネ。
この日行われたR5ではジョルガンが先にラウンドアップを果たし、次ヒートのカウリがチームメイトが手に入れた勝利の流れを繋いだ形となった。

「ジョルガンの後のヒートで、勝った彼が握手してくれたんだ。でも、眉毛がタヒチ風になった気分で静かにヒートに集中したよ。落ち着いて楽しむことができた。そして、彼とヒートに勝つことができて本当に嬉しいね」

その他、R6進出を決めたのはブラジルのドゥグラス・シルヴァ、オーストラリアのモーガン・シビリック、デイン・ヘンリー。
ペルーのアロンソ・コレア。

エルサルバドルの英雄がリパチャージを勝ち上がる

(ブライアン・ペレス) Photo: ISA/Jersson Barboza

この日はリパチャージラウンドのメンズが2ラウンド、ウィメンズが3ラウンド進んでいた。

メインラウンドR3敗退でリパチャージ行きとなったエルサルバドルの英雄、ブライアン・ペレスはエル・スンザルのロングウォールでパワフルなターンを連発。
8.33と7.17でトータル15.50と大会6日目のハイエストヒートスコアを出して圧勝した。

ウィメンズではのオリンピアンでもあるコスタリカのレイラニ・マクゴナグルが3ラウンドを勝ち上がり、リパチャージR7行きを決めた一方、ポルトガルのテレサ・ボンヴァロ、ドイツのノア・クラップなどが敗退した。

コンテスト7日目の9月12日は朝7時(日本の同日22時)に再開予定。
エル・スンザルは使用されず、ラ・ボカナだけで進行する。
スケジュールは以下。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(オーストラリアのミラ・ブラウン) Photo: ISA/Pablo Franco

(黒本人志)

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