(コナー・オレアリー) Photo by peter "joli" wilson

「Jベイでのバックハンドサーフィンのスタンダードを見出したコナー・オレアリー 」 – F+

F+(エフプラス)

さてカレンダー写真解説もあとふたり。ラス前はコナー・オレアリー。昨シーズンJベイでCT初優勝をあげた。そんなこともあって、コナーの写真はJベイのにしようと思っていた。普通に選ぶとコナーはやはりバックハンドのえぐりリップ、ということになるわけで、テール抜けてるのに分厚いスプレーが出ている定番ショットになってしまうので、そこは避けようかな、と思っていた時にこれを見つけた。定番ショットの前、今のカメラなら10ショット以上前になるのかもしれない。目にもとまらぬシャッタースピードでの一瞬。
まぁとにかく一番最初に感じたのはそのスピードだ。この長さの落ちてくるリップをワンターンで駆け抜けるには、どれだけのスピードが必要なんだろう、というのが初めに考えたことだ。ワンターンで10メートル移動、みたいな。そのスピードのベクトルを、右レールを押し込んで一気に上向きに変えることでこの急ブレーキのスプレー。この先の動きはたやすく想像できる。板押し込めるだけ押し込んでおけ、だ。
オッキーの時代ならこのセクションを抜けるのに必死の2、3トリムは必要だっただろうし、ルーク・イーガンならフローターか。とにかく、この早いセクションがJベイではバックハンダーの足かせになっていたと思う。今はこういう最速のワンターンかエアーなんだろうか。
カレンダーの写真の選択としてはちょっと変わったチョイスかなとは思うけど、この先に続くリップライン、この先のアクション、ライン取り、いろんなことが想像できる、広がりのあるショットだと思う。じっと見ながら妄想が尽きない、玄人好みの一枚だ。

Jベイでのバックハンドといえばオッキーだけど、近年ではガブとイタロのファイナル、そして昨年のヤゴ・ドラとコナーのファイナルと、あのJベイのハイスピードセクションを操れるグーフィーフッターが出てきたことで、意外やバックハンドサーフィンのほうがJベイのアクションには映えるのかも、みたいな感もある。
Jベイの波というのはセクションによってファットだったり早かったり、長い波の各セクションでまるで違った表情を見せるので、どこに当てるのかをピンポイントで選んでいかないとうまくメイクできない。それ以前に、最初はどうでもいいようなセクションのところからテイクオフして、あとからどんどん張ってくるような波を正確に見極めて選ばなくてはならない。その波で、当てるのか、バレルなのか、はたまたエアーなのかと選択肢は多様だけど、ひとつ間違えるとタイミングがずれて即終了なのだ。

そういう意味でコナーのセミファイナルでの10点満点は、何ひとつ無駄がなく、何ひとつミスがなく、Jベイのあの日のいい波をパーフェクトに乗りつくした1本だった。リップあり、バレルあり、インサイドのフィニッシュまでしっかり決め、Jベイの魅力を余すところなく見せてくれた。ああいうクリティカルな攻撃的で重たいサーフィンをするコナーと比較すると、フィリッペもヤゴも軽く見えてしまった感があって、こりゃどうにもならんな、という感じだった。
体格の大きな選手はその身体の取扱いにてこずるわけだけど、コナーはそれをオウエン・ライトから多く学んだという。うん、言われてみれば進化型オウエン・ライトかも(笑)。長すぎる手足の取り回しとか体重移動とかタイミングとか、ものすごい微妙な部分は同じ大きな身体を扱ってきた同士にしかわからない部分もあるだろう。
CT初優勝で自信もついただろうし、選手会長として選手たちからも一目置かれ、ツアーの一員としてしっかりその立ち位置を確立している。あとは成績のアップダウンをいかに無くすかだと思う。あの、え、どうしちゃったの? みたいな、ママ友軍団からのブーイングが出ないように、頑張ってね。

(15歳の頃のコナー・オレアリー) Photo by snowy
Photo by snowy

写真は2009年、コナー15歳のときのもの。ベルズで行われたグロムサーチでのショットだ。華奢な体格、トラックの細さ、当てている場所、スピード、タイミング……すべてが今とまるで違っている。ここから32歳までの17年でこれだけ変わらないとCTにはいられない。いつも思うけど、選手は頑張っているだけではダメで、どんどん進化していかないと同じ場所にすらいられないのだ。世界の進化は早い。今CTの下にいるなら、CTの進化よりもっと早い進化を遂げないとクオリファイはかなわないわけで、もうちょっとなんだけどなぁ、というグループにはたくさんの選手が群がっているので、その争いは熾烈だ。ひとつでも多く自分の欠点を見つけ、ひとつでも多く矯正する。ランキングの上下はあとからついてくるもので、昨年よりいい成績だったから、で満足しているのは間違いだ。まぁ、職業としてはランキング大事だけど(笑)。

F+編集長つのだゆき

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