(ヒート終了後のカノアとモーガン) PHOTO: © WSL/Ed Sloane

五十嵐カノアがR3進出!『Rip Curl Pro Bells Beach』4日目

イベント序盤から波に恵まれていない今年のベルズ戦。

2日間のレイデイを経て、現地時間4月8日にCT開幕戦『Rip Curl Pro Bells Beach』が再開され、メンズR2の残りヒートとウィメンズR2の8ヒート中、5ヒートが進行した。

大会4日目となったこの日は公式3-4ftレンジ。干潮時のベルズ・ボウルズでスタートして潮が上げてからはウィンキーポップへ移動。
ターン中心のベルズ・ボウルズとは変わり、ウィンキーポップではアプローチが変化していた。

PHOTO: © WSL/Cait Miers

五十嵐カノアが2年連続でモーガンを倒す

PHOTO: © WSL/Ed Sloane

オープニングヒートでは、昨年のベルズ戦で2位になった日本の五十嵐カノアが返り咲き組のモーガン・シビリック(AUS)と対戦。
カノアとモーガンは昨年のベルズ戦のSFで対戦(モーガンはリプレイスメントで出場)しており、カノアが勝っていた。

スロースタートになったこのカード。
試合が動き出したのは中盤で、プライオリティを持っていたカノア、モーガンの順で最初のエクスチェンジ。共にインサイドまで綺麗に決め、カノアが5.50、モーガンが4.50をスコア。すぐに次の波に乗ったカノアが4.33のバックアップを重ねてリードしていた。

後半、プライオリティを持っていたモーガンがカノアが乗った波を奪い、カービングから難しいセクションを抜けてフィニッシュまでメイク。
6.67を返すが、カノアは次の波で6.73とモーガンを上回るスコアを出してトップを維持する。
チャンスはまだモーガンに残されていたものの、焦りからか、ミスをして終了間際のプライオリティがカノアに渡り、僅差の勝負をカノアが切り抜けた。

PHOTO: © WSL/Cait Miers
(モーガン・シビリック)
PHOTO: © WSL/Cait Miers

「本当にスローだった。ヒートの大半は波が来なくて、正直『これ、どうなるんだろう?』って感じだった。セットが来ても、それが果たして自分が乗るべき波なのか、それともプライオリティを保持してさらに待つべきなのかの判断が凄い難しかった。ああいう状況では、とにかく5ポイントのライディングを2本揃えて、トータル10ポイントに乗せることを目指すしかないんだ。7ヶ月間も試合から離れていたので、ナーバスになったよ。でも、あの独特の緊張感の中に身を置けるのは本当に新鮮だった。海の中でスコアやアナウンスを聞く感覚を思い出して、良い気分だった。7ヶ月間は長かったね」

今年もコーチを務めるスネークことジェイク・パターソンの指示については、「ジェイクはいつも通り厳しいよ。『おい、今のサーフィンは全然良くなかったぞ』って言われたんだ。自分でも分かっている。波のタイミングがうまく掴めなくて、リップのクリティカルなセクションに当てるのが少し遅れたり、逆に早すぎたりした。自分のベストなサーフィンとは程遠い内容だったけど、まずは勝つことが重要だよね。今回のヒートで、今の自分のサーフィンのどこを修正すべきか、良い予行演習になったと思う。次のラウンドではもっと良いパフォーマンスを見せられるはずだよ」とコメントしていた。

また、H15ではコナー・オレアリー(JPN)と和井田理央(IND)が対戦。
ブラジリアンにインスパイアされたと話すリオが革新的なエアーの連続でスコアを伸ばしてR3進出を決めた。

次のR3では、カノアはアレホ・ムニーツ。
リオはサミュエル・プーポと共にブラジリアンと対戦する。

(和井田理央)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane
(ヒート前に集中するコナー)
PHOTO: © WSL/Cait Miers
(ヒート前に集中するコナー)
PHOTO: © WSL/Cait Miers

ブラジリアン・ストームの再襲撃

(背番号1を背負って帰ってきたギャビー)
PHOTO: © WSL/Cait Miers

この日は背番号を1に変更してエイドリアーノ・デ・スーザをコーチに迎えて復帰したガブリエル・メディナを筆頭にイタロ・フェレイラ、フィリッペ・トレド、ヤゴ・ドラと4人のワールドチャンピオン、サミュエル・プーポ。ウィメンズではルアーナ・シルヴァと6名のブラジリアンが勝ち上がった。
大会3日目にはミゲル・プーポ、アレホ・ムニーツもラウンドアップを決めているため、8名がR3進出を決めている。

ブラジリアン・ストームの再襲撃とも言える勢いで、メンズ最終ヒートではサミュエルがディフェンディングチャンピオンでもあるロボことジャック・ロビンソン(AUS)の曰く付きのインターフェアまで誘う場面もあった。

PHOTO: © WSL/Ed Sloane
PHOTO: © WSL/Cait Miers

ブランクを感じさせない教科書通りのサーフィンでCT2年目のアラン・クリーランド(MEX)を完璧に抑えたガブリエルは、「競技の世界から離れていたのは、辛かった。厳しいヒートだったけど、勝てて嬉しい。勝ちは勝ちだからね。次のラウンドではもっと波を掴めると良いね。コンディションは完璧。肩も問題ない。ボードをテストしたり、沢山サーフィンしたりして、とにかくアクティブに動いてリズムを保つようにしてきたのさ。周りの連中もみんなキレてるから、戻ってこれて嬉しいよ。もっとヒートを勝ち進みたいね。今年は良い1年になると思うし、今は心も落ち着いてる。サーフィンを心から楽しみたいんだ」とインタビューに答えていた。

オフシーズンに長年のスポンサーだった「Rip Curl」から離れ、結局サーフボードで一番目立つノーズの枠は空いたまま開幕戦に登場したガブリエル。
意外にもベルズ戦で優勝経験はない。

なお、次のR3で対戦するイタロは昨年も対戦して敗退していたワイルドカードのザビエル・ハクスタブル(AUS)とのカードを僅差で勝ち上がった。
最後のザビエルのライディングは際どかったが、2018年以来のベルズ勝利に一歩近づいた。
ちなみにイタロのサーフボードは、カイ・レニーも愛用しているF1のRed Bullチームにインスパイアされた濃紺をベースにしたカラー。

(フィリッペ・トレド)
PHOTO: © WSL/Cait Miers
(F1のRed Bullチームカラーでボードを揃えたイタロ)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane
PHOTO: © WSL/Cait Miers
(ヒート前に集中するヤゴ)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane
(ヤゴとマテウス)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane
(イタロに肉薄したザビエル)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane
PHOTO: © WSL/Cait Miers

番狂わせとジャイアントキラー

(アリッサ・スペンサー)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane

ウィメンズサイドでは、R2のH1で返り咲き組のアリッサ・スペンサー(USA)がキャロライン・マークス(USA)とのグーフィーフッター対決を制する番狂わせが起きた。

ヒートでは中盤までに4.17と5.50を揃えたアリッサがリード。キャロラインは後半に5.33と5.87を出して追い上げるが、アリッサがスナップとクローズアウトセクションでのターンで6.67、7.33とスコアを伸ばしてトータル14.00で圧勝。
次のQFでは、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)と対戦する。

PHOTO: © WSL/Cait Miers

「しっかりとしたプランを持って海に入り、心をとても落ち着かせて、自分のやりたかったことを実行できたわ。正直、キャロラインとの対戦が決まった時は凄くワクワクしたの。彼女は素晴らしい競技者だし、私が長い間インスピレーションを受けてきた存在だから。そのヒートを本当に楽しみにしていたし、良い波をいくつか見つけて、トップ5に入るような選手たちとも渡り合えるんだって自分自身に証明できて嬉しかった。おかげで自信がついたと感じているわ。彼女とはずっと一緒に戦ってきたから、今こうして大きな舞台でヒートを共有できたことは、本当に特別なことよ」

(ルアーナ・シルヴァ)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane

サクラがアナット・レリオール(ISR)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)がフランシスカ・ヴェセルコ(POR)と2ヒート連続でシード選手がルーキーを抑えた後、ブラジリアンのルアーナがフロントサイドでえぐるようなターンを繰り出して7ポイント2本を揃え、タイラー・ライト(AUS)を倒した。

ルアーナはR1でステファニー・ギルモア(AUS)を下しており、2ヒート連続でワールドチャンピオンを倒すまさにジャイアントキラーになった。

「なんて言ったら良いのか、言葉が見つからないわ。ただ、ちょっと笑っちゃうくらい。本当にクレイジー。二人合わせて10個のワールドタイトルを持ってるなんて。そのことは考えないようにしているの。自分がコントロールできること、そして、自分の前にやってくる波をコントロールすることだけに集中している。多分、ここベルズで最も手強い二人と対戦したんだと思う。タイラーは連覇しているし、ステフは4回も勝っている。二人ともワールドチャンピオンで、私のヒーローなの。小さい頃からずっと憧れてきたアイドル。今年のベルズは、なんだか現実離れしているわ」

(ジャイアントキラーになったルアーナ)
PHOTO: © WSL/Ed Sloane

メンズを含めてのハイエストスコアを出したモリー

(モリー・ピックラム)
PHOTO: © WSL/Cait Miers

ルアーナが勝った後、この日の最終ヒートではワールドチャンピオンのモリー・ピックラム(AUS)が返り咲き組で2度もベルズを制覇しているサリー・フィッツギボンズ(AUS)を相手に爆発。
8.67と7.83、トータル16.50とメンズを合わせてのハイエストを揃えていた。

「かなり早めに現地入りして、仕事や楽しい行事を分散させるようにしたの。大会直前に負担が重くなりすぎないようにね。時間はたっぷりあったわ。準備はできているし、周りには素晴らしい人たちがいてくれる。ここでのエネルギーはすごく良い感じよ。入念な準備をすることと、それを実際に海の中で実行することは別物だけどね。私はただ集中し続けて、毎回のヒート、一瞬一瞬を大切に戦うことを心がけているわ。海に入る時は『とにかく2回ターンが入ればいいな』くらいの気持ちだったの。スコアが読み上げられて、7ポイント台や8ポイント台が聞こえてきた時は嬉しかったわ」

ネクストコールは現地時間4月9日の朝7時30分(日本時間同日6時30分)で20分後に再開予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

Rip Curl Pro Bells Beach Men’s Round Two Results
HEAT 1: Miguel Pupo (BRA) 14.17 DEF. Joel Vaughan (AUS) 12.07
HEAT 2: George Pittar (AUS) 14.57 DEF. Ethan Ewing (AUS) 12.34
HEAT 3: Jordy Smith (RSA) 14.80 DEF. Luke Thompson (RSA) 12.33
HEAT 4: Barron Mamiya (HAW) 11.16 DEF. Seth Moniz (HAW) 9.93
HEAT 5: Jake Marshall (USA) 10.83 DEF. Joao Chianca (BRA) 10.64
HEAT 6: Griffin Colapinto (USA) 15.26 DEF. Dane Henry (AUS) 15.00
HEAT 7: Alejo Muniz (BRA) 11.56 DEF. Cole Houshmand (USA) 7.63
HEAT 8: Kanoa Igarashi (JPN) 12.23 DEF. Morgan Cibilic (AUS) 11.17
HEAT 9: Yago Dora (BRA) 13.34 DEF. Mateus Herdy (BRA) 10.66
HEAT 10: Marco Mignot (FRA) 11.83 DEF. Crosby Colapinto (USA) 10.53
HEAT 11: Leonardo Fioravanti (ITA) 11.67 DEF. Kauli Vaast (FRA) 11.60
HEAT 12: Filipe Toledo (BRA) 14.00 DEF. Eli Hanneman (HAW) 10.10
HEAT 13: Italo Ferreira (BRA) 12.83 DEF. Xavier Huxtable (AUS) 12.73
HEAT 14: Gabriel Medina (BRA) 12.10 DEF. Alan Cleland (MEX) 3.67
HEAT 15: Rio Waida (INA) 13.96 DEF. Connor O’Leary (JPN) 11.97
HEAT 16: Samuel Pupo (BRA) 13.77 DEF. Jack Robinson (AUS) 5.67

Rip Curl Pro Bells Beach Men’s Round Three Matchups
HEAT 1: Miguel Pupo (BRA) vs. George Pittar (AUS)
HEAT 2: Jordy Smith (RSA) vs. Barron Mamiya (HAW)
HEAT 3: Jake Marshall (USA) vs. Griffin Colapinto (USA)
HEAT 4: Alejo Muniz (BRA) vs. Kanoa Igarashi (JPN)
HEAT 5: Yago Dora (BRA) vs. Marco Mignot (FRA)
HEAT 6: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Filipe Toledo (BRA)
HEAT 7: Italo Ferreira (BRA) vs. Gabriel Medina (BRA)
HEAT 8: Rio Waida (INA) vs. Samuel Pupo (BRA)

Rip Curl Pro Bells Beach Women’s Round Two Results
HEAT 1: Alyssa Spencer (USA) 14.00 DEF. Caroline Marks (USA) 11.20
HEAT 2: Bettylou Sakura Johnson (HAW) 10.93 DEF. Anat Lelior (ISR) 6.76
HEAT 3: Gabriela Bryan (HAW) 15.66 DEF. Francisca Veselko (POR) 6.00
HEAT 4: Luana Silva (BRA) 15.26 DEF. Tyler Wright (AUS) 13.76
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) 16.50 DEF. Sally Fitzgibbons (AUS) 7.34

Remaining Rip Curl Pro Bells Beach Women’s Round Two Matchups
HEAT 6: Erin Brooks (CAN) vs. Lakey Peterson (USA)
HEAT 7: Caitlin Simmers (USA) vs. Nadia Erostarbe (ESP)
HEAT 8: Isabella Nichols (AUS) vs. Carissa Moore (HAW)

(黒本人志)

この記事に 関連するタグ

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。