現地時間1月18日、20歳以下の世界一を決めるWJCこと『World Junior Championships』が終了。
昨年初めて選ばれたフィリピンのルソン島、ラ・ウニオン「アービズトンドビーチ」が2年連続で会場となり、イベント前半は風の影響が入りながらも十分なウネリがあったが、イベント中盤は徐々にサイズダウン。
2日間のレイデイを経て迎えた最終日は、お昼頃まで待ってようやく乗れる波が割れた程度。
風の影響が入った1-2ftレンジの波はWJCでも稀に見る厳しいスモールコンディションだった。
ジュニアタイトルを完全制覇したデイン・ヘンリー

最終日はメンズ、ウィメンズ共にSFからスタート。
イスラエルのナダヴ・アタル以外は全てオーストラリアの選手がファイナリストに残った。
メンズサイドはナダヴとデイン・ヘンリーのファイナル。
SFでブザービーターに近い土壇場での逆転劇を演じてのファイナル進出を決めたデイン。ファイナルでは波の小ささを感じさせないスピードとエンドセクションでのエアーリバースでスコアを重ね、6.67と7.00をまとめてナダヴを抑えた。
「濃密な1週間だった。まるで約1ヶ月間滞在していたように感じるよ。コーチのアダム・ダフナーに大きな感謝をしたい。10年間トレーニングしてきた彼なしでこの舞台には立てていないだろう。彼と母のキリ・ヘンリーとこの瞬間を共有することは特別だった。彼女は地球上で最高の母。最高のチームと家族に囲まれていて、優勝できて本当に嬉しい。この大会では多くのオージーが勝っている。自分にとってチェックリストでもあったよ」


19歳のデインはジョエル・パーキンソン、イーサン・ユーイングなどに並び、WJCタイトルを獲得した5人目のオージーとなる。
また、彼は2024年のISAジュニアのU18ボーイズで優勝、2025年はISAのWSGで優勝とトム・カレン、ガブリエル・メディナ、ジョーディ・スミスに並ぶ2階級制覇も達成。
新たにWJCのタイトルが加わることになり、同時に2026年のCS出場権も得ている。
「長い間夢見ていた。昨年はブロンソン(メイディ)が勝つのを見ていて、インスピレーションを引き出していた。全てこの瞬間に繋がったけど、まだ始まりでもある。CS出場権を得て、残り二つのQSにプレッシャーがなくなった。ナダヴはレジェンドだよ。誰でも彼とファイナルを共有したくないだろうね。ラインナップでは彼とチャットするようにサーフィンした。それは他のどのファイナルとも違う特別なものだった。彼がダークホースから2位になるまでの活躍を見るのは最高だったよ。クレイジーだったね」



世界2位になったイスラエルのダークホース

サーフィンコンテストで稀に見るダークホース、海外では「真のアンダードッグストーリー」称されたイスラエルのナダヴ。
現在はコスタリカに移住している20歳の彼はWSLで初めて優勝したピスモビーチでのジュニアイベントでWJC出場を決め、昨年2位になったウィンター・ヴィンセントを含むCS選手などの強豪を倒してファイナル進出を決めていた。
「素晴らしい一週間だった。フィリピンは初めて来たんだ。イスラエルとコスタリカ以外で最も好きな国になったね。全てのローカルに感謝したい。本当に特別さ。全ての観衆、両親、全ての人が素晴らしいサポートをしてくれた。波をシェアしてくれたローカルにも感謝したい。サーフィンしたいのに、競技のために場所を譲ってくれてありがとう。全てのファイナリストを讃えたい。驚くべきサーファーたち。今週のサポートに乾杯」
オージーが再びタイトルを獲得

ウィメンズサイドはリージョナルチャンピオンのアイラ・ハッパッツと2023年のWJCチャンピオン、シエラ・カーの本命同士のファイナルとなり、アイラが接戦を制して優勝。
昨年はブラジルのルアーナ・シルヴァに奪われていたが、今年はオージーが奪回。
サリー・フィッツギボンズ、ローラ・エネバー、イザベラ・ニコルズ、メイシー・キャラハンなどと並ぶ輝かしいWJCの歴史に名を刻むことになった。
「正直、まだ信じられない、クレイジーよ。カウントダウンしていた時。残り5秒、波が入らずに涙が出たわ。信じられなかった。本当に嬉しい。シエラは最高の仲間の1人なので、彼女も興奮していた。彼女とファイナルを共有できたことがとても嬉しい。超小波だったけど、二人で何本かは乗れたので、最高だったわ」


Opening Roundで唯一の9ポイントを出したのを始め、イベントを通して際立った存在だったアイラ。
シエラとのファイナルでは、最初のエクスチェンジで7.17を出したが、着実にバックアップスコアを伸ばしたシエラが40分のファイナルの大半をリードしていた。
しかし、残り時間5分を切り、厳しいコンディションの中でアイラは5.50をスコアして逆転に成功した。
「二人共良いスコアでスタートを切ったけど、その後は本当に波が小さくなってしまった。期待してどんなセクションでも、プライオリティがなくても波に乗ったの。上手くいかずに少し動揺したけど、最後まで分からないと思った。その後、最後の波で最初に良いセクションがあり、私を奮い立たせた。実際にどんなターンをしたか覚えていないけど、スコアが出たの。信じられないわ」


ライム病からの復帰を果たしたシエラ・カー

丁度一年前、2025年1月に同じ場所で開催されたWJC後にライム病を発症。
一時は歩くのも困難になっていたシエラだったが、半年近く離れていた競技に戻り、 Stab High勝者のスカイ・スイット(HAW)、CS選手のリード・ヴァン・ワゴナー(USA)、CTルーキーのベラ・ケンワーシー(USA)、ファイナルデーはオリンピック選手のハニレ・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)を下し、ファイナル進出を決めていた。
「昨年のこの大会以来、1日に2ヒートを行う初めての競技。復帰戦でもあるわ。この場所にいられることに感謝している。アイラ以上に良いファイナルの相手はいなかった。凄い楽しかったわ。彼女の優勝に興奮している。みんなおめでとう」
なお、2019年に都筑有夢路が優勝したこともWJC。
昨年は中塩佳那が2位と活躍し、今年は渡邉壱孔、松岡亜音がQFまで進出して5位になった。
すでに彼らはジュニアの枠を超え、CT入りを目指すフェーズに入っている。
2026年は次のステップへの挑戦を応援したい。
『World Junior Championships』結果
1位 デイン・ヘンリー(AUS)
2位 ナダヴ・アタル(ISR)
3位 レニックス・スミス(AUS)、ウィンター・ヴィンセント(AUS)
5位 リクソン・ファルカオ(BRA)、ガブリエル・クラウスナー(BRA)、渡邉壱孔(JPN)、オリバー・ツィーツ(FRA)
ウィメンズ
1位 アイラ・ハッパッツ(AUS)
2位 シエラ・カー(AUS)
3位 ヴァイヒティマハナ・インソ(HAW)、ハニレ・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)
5位 カルラ・モレラ・デ・ラ・バリ(ESP)、松岡亜音(JPN)、ベラ・ケンワーシー(USA)、カタリナ・サリキエイ(PER)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)














