世界一熱狂的なサーフィンファンが集まるブラジルでCT第9戦『VIVO Rio Pro』が6月21日〜29日に開催される。
会場は今年もサクアレマのイタウナビーチ。
マシンブレイクのローワー・トラッセルズから変わり、トリッキーなビーチブレイクで激化するファイナル5争いが行われる。
ファイナル5争い
フィジーでワールドタイトルを争う『WSL Finals』までブラジルを入れると残り3戦。
ブラジル、南アフリカ、タヒチと続く。
カレントリーダーでイエロージャージを着るのはジョーディ・スミス(RSA)とガブリエラ・ブライアン(HAW)で、いずれも2位との差は僅差。トップ争いは混戦模様だ。

メンズはローワー・トラッセルズでシーズン2勝目を決めてランキング2位に浮上したヤゴ・ドラ(BRA)に最も勢いがあり、2023年に優勝、2024年に2位と得意とする母国でのイベントで優勝候補の筆頭と言われている。
もちろん、3位の五十嵐カノア(JPN)、シーズン序盤の勢いがオーストラリアレッグから衰えているイタロ・フェレイラ(BRA)も有力候補。
特にイタロはディフェンディングチャンピオンで、母国のファンの期待も高い。
4位のバロン・マミヤ(HAW)はローワー・トラッセルズでヒート中に膝を捻り棄権していたが、ヒート表には掲載されている。
また、ランキング8位にいるフィリッペ・トレド(BRA)は2015年、2018年、2019年、2022年と4度もブラジル戦を制しており、今年も母国で存在感を発揮する可能性がある。

ウィメンズはローワー・トラッセルズでシーズン2勝目を決めてランキング4位に浮上したベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)が注目されているが、2位のケイトリン・シマーズ(USA)は2023年のルーキーイヤー、2024年と2連覇を達成。つまり、ブラジルで負けなしと相性が良く、最も怖い選手だろう。
逆に3位のモリー・ピックラム(AUS)はブラジルでQF止まりと比較的苦手としているイベントで、5位のイザベラ・ニコルス(AUS)に関しては2023年、2024年と2年連続でミッドシーズンカットで後半戦に進んでいないため、久々のブラジル戦で未知数と言える。
ウィメンズは後半戦10名と人数が少なく、現在下位の選手にもファイナル5入りのチャンスがある。
ワイルドカードを除くと唯一のブラジリアンとなるルアーナ・シルヴァ、ゴールデンルーキーのエリン・ブルックス(CAN)、ベテランのタイラー・ライト(AUS)、レイキー・ピーターソン(USA)、2023年のワールドチャンピオンでパリ五輪の金メダリストでもあるキャロライン・マークス(USA)と予想外の展開になりやすいブラジルでは誰が優勝してもおかしくない。
母国でのイベントに向けての決意

PHOTO: © WSL/Thiago Diz
開幕直前のプレスカンファレンスには、イタロ、ルアーナ、ワイルドカードのタティアナ・ウェストン・ウェブが登場。
今シーズン、序盤にイエロージャージを着ていたイタロだが、オーストラリアレッグから失速して遂に4位まで転落している。
ディフェンディングチャンピオンでもある今イベントで流れを変えたいところだろう。
「最初の何戦かイエロージャージを着るのも楽しかったけど、シーズン最後のイベントで着ていることこそが一番重要なんだ。今はその目標だけを見据えてる。フィジーまでに3戦あるから、終わりまではまだ長い道のり。自分に集中して、自信を持って海ではベストを尽くしたい」
イタロ・フェレイラ

21歳のルアーナは、2022年のルーキーイヤーにミッドシーズンカットでシーズン後半戦に進めず、フルシーズンでCTを回るのは初。
今年はベルズで2位に入り、カットも切り抜けてブラジル戦に辿り着いた。
「シーズンはまだ長いし、まだ終わってない。今のところトップ5からは少し離れているけど、目標は常にトップ5入り。ブラジルで良い結果を出すことが大事ね。地元の観客の前で勝つことが一番の目標。この大会が私にとってCT初のブラジル戦。期待も大きく、プレッシャーもあるけど、本当にワクワクしてるわ」
ルアーナ・シルヴァ

2025年は心身の健康を優先するという理由から第4戦以降のCTイベントを欠場しているタティアナ。
ブラジル戦での優勝経験はないが、昨年は3位に入るなどパワフルなバックハンドを武器に活躍していた。
「ブラジルの観客のエネルギーに包まれて、再びサクアレマでサーフィンできることは本当に心を動かされる瞬間よ。メンタルヘルスに取り組んだ時間を経て、今はサーフィンへの感謝と愛をさらに強く持って戻ってきた。この素晴らしい雰囲気をもう一度近くで感じるのが楽しみよ」
タティアナ・ウェストン・ウェブ

ブラジル戦のワイルドカード

タティアナの他、ワイルドカードは3名。
イベントワイルドカードは20歳のアップカマー、ガブリエル・クラウスナー(BRA)で、すでに「Quiksilver」がスポンサーに付いている逸材。
ブラジル期待の新星と言われている。
その他、CSランキングから2021年までCTを回っていたピーターソン・クリサント(BRA)とウィメンズはアレナ・ロドリゲス(PER)が選出されている。
CT第9戦『VIVO Rio Pro』のファーストコールは現地時間6月21日の7時(日本時間の同日19時)
VIVO RIO PRO PRESENTED BY CORONA CERO MEN’S OPENING ROUND MATCHUPS:
HEAT 1: Italo Ferreira (BRA) vs. Connor O’Leary (JPN) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 2: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Joel Vaughan (AUS) vs. Alejo Muniz (BRA)
HEAT 3: Yago Dora (BRA) vs. Crosby Colapinto (USA) vs. Peterson Crisanto (BRA)
HEAT 4: Jordy Smith (RSA) vs. Cole Houshmand (USA) vs. Gabriel Klaussner (BRA)
HEAT 5: Barron Mamiya (HAW) vs. Jake Marshall (USA) vs. Alan Cleland (MEX)
HEAT 6: Ethan Ewing (AUS) vs. Miguel Pupo (BRA) vs. Marco Mignot (FRA)
HEAT 7: Jack Robinson (AUS) vs. Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Rio Waida (INA)
HEAT 8: Filipe Toledo (BRA) vs. Griffin Colapinto (USA) vs. Joao Chianca (BRA)
VIVO RIO PRO PRESENTED BY CORONA CERO WOMEN’S OPENING ROUND MATCHUPS:
HEAT 1: Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Isabella Nichols (AUS) vs. Erin Brooks (CAN)
HEAT 2: Gabriela Bryan (HAW) vs. Lakey Peterson (USA) vs. Arena Rodriguez (PER)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Tyler Wright (AUS) vs. Tatiana Weston-Webb (BRA)
HEAT 4: Molly Picklum (AUS) vs. Caroline Marks (USA) vs. Luana Silva (BRA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)