2026年の初めはフィリピンでWJC、LTと2戦連続でWSLのビッグイベントが開催。
舞台はルソン島のラ・ウニオン。ライトのポイントブレイク「アービズトンドビーチ」で、WJC開催時に一旦サイズダウンしたウネリがLT『La Union International Pro』の開幕に合わせて強まり、ロングボード向けのコンディションに恵まれていた。
現地時間1月23日に迎えたファイナルデーは公式3-4ftレンジ。
風の影響が入りながらも長いライトの波は健在で、いくつかのハイスコアも生まれていた。
田岡なつみが2026年LT出場枠を獲得

PHOTO: © WSL/Cait Miers
『La Union International Pro』はアジアリージョナルの枠だけではなく、全てのリージョナルの2026年LTの2枠を決める異例のイベントになったため、世界中からロガーが集まった。
日本からもリクオリファイを逃した田岡なつみ、井上鷹を初め、多くのロガーが参加。
メンズサイドはQF進出の井上鷹が最高位でファイナリストはいなかったが、ウィメンズサイドは田岡なつみがファイナルに残った。
残り7分で長いノーズライドとカービングで7.17とヒートのハイスコアを出し、更に5.07を出して2位となり、2026年LT出場枠を獲得した。
「ツアーに戻れてとても幸せです。ラ・ウニオンで競うことをいつも楽しんでいます。地元の人々はとても親切です。皆が私に良いエネルギー、良いバイブスを常に与えてくれます。ここに戻り、仕事を成し遂げることができて、とても嬉しいです」
『La Union International Pro』では2023年に優勝経験があり、昨年は吉川広夏とファイナルを争って2位になった相性の良いイベント。
吉川広夏はLT5位でリクオリファイを決めているため、今年も世界の舞台で彼女たちの勇姿を見ることができる。
なお、井上鷹、井上楓はリクオリファイを逃したが、過去の活躍が評価されてワイルドカード枠を獲得できる可能性もある。
16歳の新鋭が優勝

田岡なつみを抑えて優勝したのは、アメリカのキャッシュ・フーバー。
ファイナルでは序盤に他の選手がロースコア止まりの中で6.33を出して主導権を握り、中盤に6.50を重ねてトップを固めていた。
フランスのオフェリー・アーコーエンが2位になる場面もあったが、田岡なつみが後半に2位に浮上。
14歳のローカル、マラ・ロペスが4位に入った。
「信じられないほど幸せよ。これほど幸せだったとは思ったことはないほど。海から上がる時、嬉しくて涙が流れたわ。この優勝のために一生懸命にトレーニングを続けてきたの。イベント出場にはとてもストレスが多かったけど、ツアーに戻ることが出来て最高の気分よ。これ以上、クオリファイのために戦う必要がないのね。全てのスポンサーと、私をビーチに連れてきてくれた友人に感謝したい。特に私をはるばるここへ連れてきてくれた両親に本当に感謝している」


2025年LTルーキーでもある16歳の彼女はランキング16位でリクオリファイを逃していたが、今回の優勝で再び世界の舞台で戦うことになる。
「私たちを歓迎してくれたコミュニティの皆に本当に感謝しているわ。両親にも感謝しているし、とにかくクオリファイできて興奮している。今シーズンの目標だったの。嬉し泣きをしたのは初めて。本当に幸せよ。全ての素晴らしい女性と競う機会を得てとても感謝している」

接戦を制したベテラン

PHOTO: © WSL/Cait Miers
メンズサイドはLT選手でもあるローカルのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルが今イベントで無敗記録を更新し続けていたが、他リージョナルの選手が混ざった今シーズンは状況が変わり、ベテランのベン・スキナー(GBR)が接戦のファイナルを制した。
「言葉が出ないよ。今イベントに関わった全ての人に感謝したい。ラ・ウニオンは特別だった。ローカルコミュニティ、波、天候。心の底から感謝するよ」

ベンとJrの他、2025年LTルーキーのローカル、ジョマリー・エブエザ、ベテランのトニー・シルヴァニ(USA)と全てLT選手が揃ったファイナルのクライマックスは壮絶だった。
ヒートは6ポイント台を2本まとめていたベンが終始リード。
しかし、終盤にJrがトップを奪い、更にエブエザがJrからリードを奪った。全ての選手が終了間際にロングライドを決め、ビーチに上がってスコアを待った。
結果、8.17を出したベンが逆転優勝、Jrが2位に入った。
Jrは2025年LTランキングでリクオリファイを決めているため、ワイルドカード枠は優勝したベンと繰り上げで3位のジョマリーが獲得した。

PHOTO: © WSL/Cait Miers

PHOTO: © WSL/Cait Miers


PHOTO: © WSL/Cait Miers


2011年から15年間もツアーを回っているベンは41歳。
意外にも今回がWSLイベントで初優勝になった。
4人の父親でもあるベンだが、息子のルーカス・スキナーはショートボードのジュニアで世界トップレベル。
ISAで活躍し、先日のWJCでも優勝候補と言われていた選手なのだ。

PHOTO: © WSL/Cait Miers
更にルーカスは今回初めてLTにも出場して父親譲りのノーズライドを披露。
Round of 32進出を決めていた。
ベンはシェイパーとしても評価が高く、LT選手にもボードを提供している。
「フィリピンのロガーが世界のレベルを上げている。世界で最も好きなサーファーだよ。彼らに勝てたのは格別だった。そして、ツアーに戻れるよ!」
なお、2026年LTのスケジュールは未発表。
昨年は7月の「US Open」が開幕戦になっていた。


『La Union International Pro』結果

1位 ベン・スキナー(GBR)
2位 ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)
3位 ジョマリー・エブエザ(PHL)
4位 トニー・シルヴァニ(USA)

ウィメンズ
1位 キャッシュ・フーバー(USA)
2位 田岡なつみ(JPN)
3位 オフェリー・アーコーエン(FRA)
4位 マラ・ロペス(PHL)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)














