みなさんこんにちは。
一気に気温が寒くなり、サーフィンするのに気が引けてしまっている高橋みなとです。
先日太東で行われたS.league 25-26「S1 太東ロングボードクラシック」にて、インタビュアーとビーチリポートを担当しました。
ロングボードはこの試合が年内最後。
来年度のS1選手が決まる大事な試合となった裏側をリポートしていきます。

まずロングボードの大会会場、雰囲気がショートと全く違う。
皆がそれぞれゆったりと過ごし、ヒート前に集中はしていても、バチバチしている感じがしないのはロングボードの大会ならでは。
海の中もマークをしたり、激しい波取りなどもショートに比べるとほとんど見ない。

そんな中、一際目立っていたのは準優勝の小熊海ノ介。
SFヒート残り時間10分の時点で、同じ地元の先輩である鈴木剛をひたすらマークしていた。
「乗られたらやばいとわかっていたから。絶対に乗らせちゃいけないと思った」とコメント。
また、小熊はとにかくロックなスタイル。ヒート中でも崩れないモヒカンヘアー、表彰式には上半身裸にジャケットを羽織るなど、唯一無二のサーファーだ。
サーフィンがオリンピック競技になり、真面目でなくてはならない風潮がどことなくあるサーフィン業界。小熊はいい意味で自由に、自分のスタイルを貫いているサーファーだ。
それはヒート中にのみならず、選手紹介やインタビューでも個性を出してくる。
ライディングではカメラマンに「撮っていて面白い、思わず笑顔になってしまう」と思わせた。それができる “コンペティター” は数少ないと言える。
一見ふざけているように見えるかもしれないが、S2の優勝や今大会準優勝と、更にはロング選手には数少ない、ビッグウェーブにも挑戦しており、文句の言いようがない。彼の自由なスタイルにファンになる人は多いだろう。

私がピックアップするもう1人のサーファーは、第3位の菅谷裕美。
ロングボードはママさんサーファーが多くいる中、菅谷は常にランキングトップを走っている。
SNSで見ている彼女のライフスタイルは、お子さんとの時間も取りながら、アスリートとしての練習時間の確保、そして自身のアクセサリーブランドも持っている。そして1人の女性として、美容にも力を入れている印象だ。
私から見た菅谷はとにかくパワフルで美しく、時にしなやかで強いママ。
今シーズンを最後に、ランキングにこだわった全戦出場はやめ、来季からはスポット参戦することを発表。
どんな形であれ、たくさんの女性サーファーに勇気を与える存在であることは間違いない。
今後も彼女の活躍に期待したい。

S1残留がかかっていた秋本祥坪。
今年の国内の試合では珍しくあまり結果を出せなかった秋本。今大会では必ずラウンドアップしなければS2降格もありえる、大事な一戦。朝一発目のヒートから1位で勝ち上がり、やっと彼らしさが戻ってきた。
「海外の試合の方が調子良かったりした。チャレンジする気持ちで、海外のうまい選手たちとヒートすることを楽しめていたからだと思う。日本国内の試合も、勝たなきゃいけないというマインドではなく、自分らしくやろうと取り組んだのがよかった」
惜しくもQFで敗退となったが、見事S1にランクインを果たし、ベテランの力を見せつけた。
そしてメンズ優勝の浜瀬海。
今年度全ての大会で優勝、今大会の時点で今年度S.leagueチャンピオンも浜瀬で決定となった。
全戦優勝のグランドスラム達成まであと一歩。
これだけの勝利をおさめ、”優勝しなきゃ” というプレッシャーはないのかと聞くと、
「もちろんある。それが最初は嫌だった。絶対優勝するでしょと思われるし、しなきゃいけないと思っていた。でも最近は、その領域を超えた。超えるべくして挑戦したし、気持ちが勝手にそうなってくれたこともある」
これぞまさに王者の風格、その領域を超えた浜瀬海の勢いを止められるサーファーはいるのだろうか。グランドファイナルが益々楽しみだ。

ウィメンズ優勝は “ぴろたん” こと吉川広夏。
みなさんご存知の通り、今年度は特にグローバルな活躍が著しいぴろたん。久々の日本のコンテストとなり、ワールドクラスの演技が期待される中で、プレッシャーなどあるか?ぴろたんにも聞いてみた。
「そういうプレッシャーよりも、いつもよく入る太東でのコンテストってことに意識がいく。そして太東に来ればいつも会える、瀬筒雄太選手と大塚海音選手がS2で優勝したことで、私も更に刺激になった」
ファイナル直前のインタビューでは、「(浜瀬)海くんがエクセレントを連発しているので、私もファイナルでは出したいです」
そして1本目からしっかり有言実行をし、見事優勝。
いつも穏やかで、彼女が焦っている姿を一度も見たことがないが、海外の経験を経て、また更に美しく、そしてより一層強くなったぴろたん。彼女の隣でインタビューしている私の姿勢までキリッとするような、そんな佇まいだった。

ロングボードの聖地と言われているここ太東で、選手たちの素晴らしい演技を見れた、思い出に残る大会となった。
年内、S.leagueイベントは残りあと1戦。
S1ショート、鴨川戦です。みなさんお楽しみに!



SFで対決したこの2人(増山翔太、浜瀬海)は同じブラウンカラー。流行っているのだろうか。。笑 Photo: Minato Takahashi
(高橋みなと)
























