WSLは前日のジョン・ジョン・フローレンスに続き、ガブリエル・メディナの2026年CTの復帰を発表。
ガブリエルは2025年1月に負った肩の怪我によりシーズンを棒に振ったが、健康状態と回復が確認されたため、正式にシーズンワイルドカードが付与された。
これでメンズはジョン・ジョン、ガブリエル、ウィメンズはカリッサ、ステファニーとツアーを離脱していた大物4名が戻ることになる。
ブラジリアン・ストームの象徴

奇しくも後にライバル関係となるジョン・ジョンと同じ年にCTデビューしたメディナは、革新的なエアリアル、正確無比なレールワーク、戦略的な駆け引きと闘志を武器に、モダンサーフィンを再定義してきた存在だ。
20歳にしてブラジリアン初のワールドチャンピオンに輝き、後にエイドリアーノ・デ・スーザ、イタロ・フェレイラ、フィリッペ・トレドと続くブラジリアン最強時代の扉を開いた中心人物でもある。
“ブラジリアンストーム”の象徴として、彼はサーフィンの世界地図を塗り替えたのだ。
CT通算18勝、3度のワールドタイトル(2014年、2018年、2021年)、10年以上に渡ってトップ5常連という実績を残している。
天国から地獄、そして再び這い上がった2025年
2021年に3度目のワールドタイトルを獲得した後、彼の人生は大きく揺れ動いた。
2022年CT開幕戦を前に心の健康問題を理由にCT開幕戦出場を辞退。
その背景には妻ヤスミンとの破局や家族との確執があったと一部メディアが報じていた。
2022年の後半戦前には復帰してG-Land、エルサルバドルと3位に入り、後半戦だけもファイナル5入りの可能性があったが、不運にも膝を負傷して再び離脱を余儀なくされた。
2023年に復帰するとマーガレットリバーで優勝、タヒチでも2位と復活を印象づけたが、ファイナル5には残れず、2024年は優勝なしのランキング7位。
それでもパリ五輪では念願のメダルを獲得した上にあの奇跡的ショットを残した。

2025年シーズン中にはすでに怪我から復帰し、特にブラジルのウェーブプールでのライディングが大きく注目を集めていた。
ジョン・ジョン、ガブリエルという二人の復帰は他選手にとって脅威である一方、CTファンにとっては待望のシーズンの到来でもある。
両者がピークに近い状態で再びしのぎを削る姿が見られるという期待。
そして、CT50周年となる2026年を特別な一年にするためにも、彼らの存在は欠かせない。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)
























