Image: 7NEWS Australia(YouTube)

マーガレットリバー沖でサメと挌闘した61歳の男性が奇跡の生還

西オーストラリア・マーガレットリバー沖で、ウィングフォイル中の男性がサメに襲われながらも、冷静な判断と友人の勇敢な行動により、生還した。

被害に遭ったのは地元のアンディ・マクドナルドさん、61歳。
その瞬間は偶然にもSwellnetのライブカメラに捉えられており、地元では「奇跡の生還」と話題になっている。

恐怖体験を振り返る

7NEWSの取材によると、マクドナルドさんは岸から約800メートル離れた沖で突然、背後から激しい衝撃を受けたそうだ。

「突然、後ろから“ドン”と何かが突き上げてきた。本当に凄い衝撃だった。体が宙に舞って、水面に叩きつけられた。やられた瞬間にこれはサメだと直感したよ。心臓が止まるかと思ったね。気付いたら、サメがボードを噛んでいたのが分かった。サメはそのままボードとセールを引きずりながら、自分を水中へ引き込んでいったんだ」と恐怖体験を振り返った。

彼は咄嗟に拳を握り、全力でサメを殴りながら抵抗。何とか半分沈んだセイルの上によじ登り、身を潜めて嵐のような時間をやり過ごしたという。

「必死にボードに戻ろうとした。水面に浮かび上がるとセールが浮いていたんだ。空気で膨らませるチューブが付いているタイプで、その上に飛び乗り、うつ伏せのまま必死にしがみついた」

幸運にも、近くにいた仲間が異変に気づき、すぐに駆けつけて救出。
不幸中の幸いで、ボードにはサメの噛み跡がついたが、体は無事だった。

「正直、もう終わりだと思ったよ。もし、足の位置が少しでもずれていたら、確実に噛まれていた。まさに運が良かったとしか言いようがないね」

20年以上、マーガレットリバーに住んでいる彼にとって海に入ることは日常であり、早ければ明日にも海に戻ると話している。

護身術の必然性

今回の出来事は、2015年のジェフリーズベイでミック・ファニングがコンテスト中にホオジロザメと遭遇し、素手で応戦して生還した事件を思い起こさせる。
あの時も世界中が息をのんだが、冷静さと瞬時の判断が命を救った。

サーフィンが自然と対峙するスポーツである以上、こうした危険は常に隣り合わせだ。
特に海外でサーフィンをするなら、今回の件は決して人ごとではない。

「恐怖に飲まれず、どう動くかが生死を分ける。海を愛するなら、身を守る術も身につけたい」と語るサーファーも少なくない。

マーガレットリバー周辺では近年サメの目撃が続いており、当局は今後もしばらく警戒を続ける方針だ。

(染谷たかし)

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