Photo: WSL / Laurent Masurel

豪スポーツ大臣、ケリー名指しで「ワクチン未接種なら入国不可」

先日テニス全豪オープンに出場予定だった世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ選手が、ワクチン未接種のためオーストラリアへの入国を拒否された問題を受け、豪スポーツ大臣がケリー・スレーターを名指しで「コロナワクチンを接種していなければオーストラリアに入国することはできない」と発言したことが複数のメディアで報道されている

▲オーストラリア国内ではワイドショーを騒がせている模様だ

豪スポーツ大臣のリチャード・コルベック氏は、メディアのインタビューで「彼はこの決まりを知っているはずだ。サーファーだろうが、テニス選手だろうが、観光客だろうが、このルールは全員に当てはまる」としたうえで、免除を望むのであれば医療上の理由で接種が実行できなかったことを証明する書類の提示が必要だと述べた。

先日WSLより2022年のツアー最新日程が発表され、4月から5月頭にかけてベルズビーチとマーガレットリバーでCT第4戦と5戦が予定されている。ミッドシーズンカットまでの5戦のうち、成績の良い4戦が世界ランクにカウントされるため、豪レッグの2戦を欠場した場合は大きな痛手となるに違いない。

WSLは既に選手に対して、ワクチンを受けていない場合は入国規制のためツアー参加が難しくなる可能性があることを注意喚起している。

オーストラリア、ベルズビーチでリップを見つめるケリー Photo: WSL

ワクチンの接種状況はプライバシーにかかわり、公にする必要はないが、現在のところ、少なくともケリー・スレーターとガブリエル・メディナはコロナワクチンを接種したかどうかを公表していない。(※)

ガブリエルは東京五輪出場の際にコロナワクチンを断ったものの「ワクチンは命を救う。僕もすぐに打つつもりだ」とSNSで伝えたが、その後昨年8月末のタヒチ戦には「コロナワクチンを接種していないため欠場する」と明らかにしていた。

ケリーもワクチン反対ではないが、接種を受けるかは個人の自由と主張していて、接種を強要することに対して否定的な立場を表明している。

ガブは今年ノースに姿を現すだろうか Photo: WSL / Kirstin Scholtz

ちなみに、ハワイを含む米国も入国規制を強化しており、現在アメリカ国民以外が入国する際はコロナワクチンの接種が必須条件となっている。ケリーはこの条件を気にする必要はないが、ブラジルでオフシーズンを過ごしているデフェンディングチャンピオンのガブリエルが、CT開幕戦1週間前を切ったところでノースショアでまだ目撃情報がないのも気になるところだ。(※)

CT第3戦のポルトガルは今のところ一部の国を除いて、陰性証明があれば観光目的での入国は可能とのことだが、残念ながらコロナによる各国の入国規制が先行き不透明な状況がしばらく続きそうだ。

※2021/01/25追記
その後、現地時間1月24日に、WSLはガブリエル・メディナのCT開幕戦欠場を発表。ワクチンは接種済みなものの健康上の問題を理由に辞退すると明らかにした。

ケン・ロウズ

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