PHOTO: © WSL/Cestari

ジュリアン・ウィルソンがCT引退を発表

1週間後に迫ってきた東京五輪のオーストラリア代表でもあるジュリアン・ウィルソンが10年間のキャリアに終止符を打ち、人生の次の章を始めることを発表。

”WSLワールドツアーを無期限に休止”ということだが、32歳という年齢と過去数年の成績や世界情勢を考えると事実上の引退と考えて良いだろう。

ジュリアンは自身のInstagramで以下のメッセージを残している。

”この場をお借りして、私自身と家族の幸せのために、WSLワールドツアーを無期限に休止することを皆さんにお知らせしたいと思います。

プロサーフィンからの引退というわけではありません。
私が人生で最も大切にしているもの、それは家族です。

現在、そして予見可能な将来において、彼らと一緒に国外旅行ができないことが一番の理由です。
現役から退いて妻と子供たちの側にいたいのです。

今回の決断は本当に良かったと思っています。
時間に余裕ができて家族と一緒に楽しみながら、新しいプロジェクトを実現していくことになります。
将来のことを考えるととてもワクワクしています。

これは私にとって終わりではなく、新しい章の始まりに過ぎません!
揺るぎない支援をしてくださったスポンサーの皆様、私の旅を応援してくださった皆様に心から感謝します。

ヌーサから世界へ

ヌーサを代表とするオーストラリアのサンシャインコーストで、子供の頃からショートボード、ロングボード、スケートボードを楽しんでいたジュリアンは早くからその豊かな才能を認められていた。

デーン・レイノルズ、ジェレミー・フローレス、クレイ・マルゾなどが参加していたケリー・スレーターが率いるクイックシルバーのヤングガンズプログラムでジュリアンは注目の新人の一人だった。

その後、ナイキのスタートアップサーフプログラムの顔として採用。
最も技術的に優れたエアリアリストの一人として映画監督のカイ・ネヴィルが制作した世代を超えた映画プロジェクトでも重要な役割を果たした。

ツアー引退後は「自分のルーツに戻りたいね。ヌーサでロングボードを使ってサーフィンしたり、オーストラリア中のハイパフォーマンスな波を追いかけたりね。いくつかのプロジェクトが進行中で、とてもワクワクしているよ。しばらくの間、一歩引いたサーフィン人生を楽しみたい」と話している。

2017 Billabong Tahiti Pro』 PHOTO: © WSL/Scholtz

ジュリアン・ウィルソンのCTキャリア

2011年からCTを回っているジュリアンはルーキーイヤーのJ-Bay、ニューヨーク、ポルトガルでQFに進出。
カリフォルニアで3位、フランスで2位となり、ランキング9位でルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた。

2012年の『リップカールプロ ポルトガル』ではファイナルでガブリエル・メディナとの激戦を制し、CT初優勝を果たす。

次に表彰台に立ったのは、2014年の『ビラボンパイプマスターズ』
キャリアの中でも最高のファイナルで、10ポイントを出したガブリエル・メディナを倒して優勝。
更にVans Triple Crownのタイトルも獲得した。

2017年のタヒチでは再びファイナルでガブリエル・メディナと対戦して優勝。
翌年の2018年がジュリアンのキャリアでピークとなり、ゴールドコーストで優勝してシーズンをスタート。
シーズン後半にはフランスでも優勝を果たして初のワールドタイトルに近づいた。
しかし、最終戦の『ビラボンパイプマスターズ』のファイナルで再度ガブリエルと対戦して2位となり、ランキングでも一歩届かず2位で終わった。

「父を除く(国際線未経験)家族全員の前でパイプマスターズで優勝し、2018年のパイプマスターズとワールドタイトルで2位になったことが、恐らく自分のキャリアの中で最高の瞬間だったと思うよ。2018年に生まれたばかりの娘を含む家族で一緒に旅行して4回ファイナルに進出した。私の人生で最も充実した年だったね」

ジュリアン・ウィルソンはオーストラリア代表として東京五輪に出場する。


(空海)

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