Photo: ISA / Pablo Jimenez

『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』開幕!波乗りジャパン記者会見

現地時間5月29日、五輪最終選考会となる『2021 ISAワールドサーフィンゲームス』がエルサルバドルで開幕し、オープニングセレモニーが行われた。

開幕式ではソーシャルディスタンスを守るため各国2名のみが参加した Photo: ISA / Pablo Jimenez

コロナ感染症対策のため、開幕式には各国2名の選手のみが参加。通常開催地の街中を各国選手が歩く「パレード・オブ・ネイションズ」は開催されなかったが、参加各国の砂を持ち寄って一つの箱に収める大会恒例の儀式「サンド・オブ・ザ・ワールドセレモニー」は行われた。波乗りジャパンからは、村上舜が旗手を務め、松田詩野が茅ヶ崎の砂を運んだ。

開催国エルサルバドル Photo: ISA / Pablo Jimenez

開会に先立ち、ISAは5月27日から28日にかけ、564名の選手と大会のスタッフがPCR検査を受け、うち選手11名を含む18名に陽性反応が出たことを現地時間28日に発表。翌29日時点で、18名中11名は再検査の結果陰性となり、濃厚接触者として追加で検査した123名も全て陰性だったことを発表した。陽性者は引き続きエルサルバドル政府指定のホテルで隔離されている。

開幕式後に開かれた波乗りジャパンのオンライン記者会見で、宗像副理事長は「幸い日本チームからは陽性者は出ていないが、どこで感染リスクがあるか分からない。コロナ対策も含めて選手をケアしていきたい」と語った。また、現地ではかなり厳しい行動制限があり、選手達はホテルと試合会場、大会本部にしか行けず、街中のカフェやレストランに行くことは制限されていると説明。

エルサルバドルの治安については、「ダウンタウンの方が危ないという情報があったが、空港から会場入りする際にダウンタウンを通ったが、政府観光局や警察の車が警護につき万全な体制。会場にも警察や観光局のスタッフが立っていて、IDがないとビーチに入れないなど安全な体制が整えられている」と説明した。

また現地の気温は30度を超え湿度も高く、選手達は早朝に短時間で集中して練習を行っていることや、栄養士が帯同し日本食を用意するなど、出来る限り選手が負担なく試合に挑めるような体制を整えていることも説明した。

Photo: ISA

またこの記者会見には波乗りジャパンの選手も参加し、エルサルバドルが初めてという選手も多いなか、コンディションや板の調整、大会の抱負などについて語った。

ISA世界戦に初めて参加する都筑有夢路は「個人で集中して試合に挑むこともいいが、チームで団結して協力するのも勝ちにつながると思う。とにかく自分のサーフィンを披露していくことが優勝に繋がると思うので頑張ります。CTに出られたことはすごく嬉しい、勝っても負けても自分のとっていい経験になっているので、その経験を活かしていきたいです」と意気込みを語った。

都筑有夢路 Photo: ©︎日本 サーフィン 連盟 NAMINORI JAPAN

ホームのハワイから直接エルサルバドル入りした前田マヒナは「ハワイにいる間に、試合にピークを合わせるため、(ブラジリアン柔術師匠の)キッドさんやロス・ウィリアムスと毎日トレーニングをしていました。試合の勘を失わないためにも、タティアナやジョンジョンなどロスのチームメイトと週に一度ノースショアのビーチに集まって、ヒート形式の練習をしていました」と説明。

試合会場の波について「エル・スンザルはホームのサンセットや、ウエストサイドのマカハの波に似ていて、メインのラ・ボカナはトラッセルズやロッキーポイントに似ているかな」と語った。

前田マヒナ Photo: ©︎日本 サーフィン 連盟 NAMINORI JAPAN

大原洋人は、「これまでたくさん海外にいってきたがここは難しい波。波が柔らかかったり、下が砂ではないので、いつもサーフィンしている日本の波とは違うが、こっちに1週間以上いて調整しているので、来た時よりは合わせられている。想像していた波のサイズとはかけ離れて大きかったし、試合期間中も大きい予報だったので、宗像さんに後から長めの板を持ってきてもらいました。今のところは日本でも使っている5’8″を使う予定だけど、大きくなったら長めの板を使います」と話した。

大原洋人 現地でのフリーサーフィンの様子 Photo: ISA / Ben Reed

波乗りジャパンで唯一五輪出場権を確定させている五十嵐カノアは「今回の目標はチームのサポート。自分が勝ってポイントを集めることでもあるし、みんなを盛り上げて、みんながいいパフォーマンスができるようにサポートもしたい」とリラックスした様子で語った。

また五輪についても「2020年はすごい忙しい年になるはずだったけど、意外とゆっくり過ごすことになってそれが必要な時間だったのかも。(コロナは)コントロールできないこと。コントロールできないことには、エネルギーを使わない。僕自身はオリンピックへの準備はできているので、(大会が)あれば準備は出来ている」と話した。

五十嵐カノア Photo: ©︎日本 サーフィン 連盟 NAMINORI JAPAN

五輪の暫定出場権を得ている松田詩野は「今大会では五輪の代表枠だけを勝ち取りにいくというよりは、メダル獲得を目指すことと、久しぶりの大会に出場できること、沢山の人のサポートのおかげでここにいられるのでその人達にいいサーフィンを見せたい。五輪はずっとやってきたサーフィンというスポーツを、皆に見てもらえる場所なので、自分ができることをやっていきたい」と語った。

同じく暫定出場権を得ている村上舜も「この大会では1ヒート1ヒートこなしていって、金メダルを取ることを考えています。特に意識している選手はいなくて自分との戦いなので、自分の100%を出せれば結果がついてくると思っています。五輪は選手としては開催されて欲しいですが、開催するかどうかは国民の声を聞いて決めて欲しい。もし開催されるのであればベストを尽くすのみだと思っています」と話した。

開幕式に参加した村上舜と松田詩野 Photo: ISA / Sean Evans

既に、競技スケジュールも発表されており、現地時間5月30日(日)朝8時(日本時間同日23時)から男女ともにラウンド1の第1~24ヒートまで実施される予定。男子はラ・ボカナ、女子はエル・スンザルの2会場に分かれて行われる。

競技初日は男子R1H9にクレジットされている村上舜を皮切りに、五十嵐カノア以外の5名の選手が登場予定だ。詳細は特設ページにて。

(THE SURF NEWS編集部)

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